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社会人女子野球チーム発足 岡山から日本一へ!

  • 2023年06月16日

【岡山でずっと野球を・・】 

実は、岡山県は「女子野球熱」が高い地域のひとつなんです。 岡山市東区の環太平洋大学の女子硬式野球部は2度の全日本選手権大会優勝を誇る、全国有数の強豪です。同じ東区にある岡山学芸館高校でも女子野球部が2019年に創部され、これらのチームを目指して全国から選手たちが集まってきています。
 課題は「その後」にありました。学校での部活動を終えて社会人になると、競技と仕事の両立が求められます。しかし、働きながら本格的に野球に打ち込める環境が岡山には整っていませんでした。せっかく全国から集まった選手たちも首都圏や関西など県外に出ざるをえず、なかには野球を諦めるというケースもあったのです。

そこで、地元の有志や企業が主体となり発足させたのが「瀬戸内ブルーシャインズ」。
 岡山を拠点にしながら日本一を目指して野球に取り組んでもらうため、チームでは選手たちに「仕事」をあっせんすることにしました。
職場は瀬戸内市内のお菓子販売店から、電子部品のメーカーまでさまざま。練習や試合の遠征に支障がないように調整しながら、選手はフルタイムで勤務しています。 

 いまチームに所属している選手は13人。
そのうち9人が、岡山の高校や大学の女子野球部に所属してきた、岡山にゆかりがある選手です。 一塁手の田中千尋選手(25)は、大阪出身で環太平洋大学に進学。卒業してから約2年間は関東の社会人チームで野球をしてきましたが、瀬戸内ブルーシャインズの発足を聞いて、岡山に戻ってきました。 
「いつかは岡山に戻ってきたいと思っていた。仕事もあっせんしてもらって、今の環境にありがたみを感じている。」 
同じ大阪出身の二塁手・野下華鈴選手(22)も、 「大阪に帰ろうと思っていたけど、このチームができると聞いて岡山に残った。とってもラッキー!」 と、
愛着のある岡山で野球ができることのよろこびを感じていました。

 【監督は27歳 岡山への恩返しを】

 チームを率いるのは、監督の土井畑優さん。大阪出身の27歳で、学生時代は環太平洋大学の女子野球部の初代キャプテンとして、日本一に輝いたこともあります。
 その後、岡山のスポーツクラブで子どもたちに野球を教えていましたが、去年から瀬戸内市の地域おこし協力隊の隊員となりました。いまは瀬戸内市のスポーツ文化の向上に携わりながら、瀬戸内ブルーシャインズの監督を担っています。

 

「地域に愛されるチームになりたい」 
土井畑監督が取材中、何度も口にしていた言葉です。 
「強いチームを作って、日本一になることも大事だけど、 同じ地域に住む住民として、このチームがあってよかったと思ってもらいたい。」 

だからこそ、練習と同じくらい大切にしているのが地域貢献活動です。
そのひとつが地域の小学校でのあいさつ活動。選手たちと朝7時40分から、毎週2回続けています。ボランティアの人々とともに、登校する子どもたちに声をかけていきます。 

土井畑監督自身も、出会った人々とのつながりを大事にしています。 
例えば、名刺交換をした全ての人に欠かさず送っているのがこの手紙。 

「地域の人に野球をさせてもらっている」と話す土井畑監督。
 より多くの地域の人とつながって、これからもチームを応援してもらえるように、そしてチームが少しでも地域に元気を与えられるように、感謝の思いとともに一枚一枚したためていました。

【地域の応援を背に】 

そんな瀬戸内ブルーシャインズの思いは、だんだんと地域の人にも伝わってきています。 

 瀬戸内市内のパン屋さんでは、毎週選手たちにパンを差し入れ。一人暮らしの選手にとっては大切な主食になるのか、数十個のパンがあっという間になくなるほど。選手たちの胃袋を支えています。 

 他にも、選手たちが勤務するお菓子販売店の同僚から「一緒に働いていて元気がもらえる」という声があがっていたり、地元の喫茶店のオーナーからは「自分の子どものようにかわいくて応援したい」と受け入れられていたり。 
地元の人々から、ブルーシャインズを応援する声がたくさん上がってきています。 

【目指せ「日本一のチーム」!】 

取材中のブルーシャインズのメンバーは、本当にフレンドリーです。練習が始まるまえに一人で撮影していると、カメラに向かって素敵な笑顔でピースサインをしてくれる選手たちが何人もいました。 
ただ、グラウンドに入ると表情は一変。

腰のはいったスイング、真剣にボールに向き合うまなざしからは、野球をするために岡山に集った彼女たちの意志の強さを感じます。

 今は、女子野球にプロのリーグはありません。
 単純に「野球がしたい」という気持ちで岡山に集った選手たちと、その選手を声援で支える、地域の人々。 
みんなで立ち上げた瀬戸内ブルーシャインズは、 「野球で日本一」、そして「地元に日本一愛される」チームを目指して、歩みはじめました。

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