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岡林勇希 中日ドラゴンズ 今季から背番号1に さらなる期待

ドラゴンズキャンプリポート2024
  • 2024年02月19日

ドラゴンズの若きリードオフマン、岡林勇希選手は今シーズン、背番号が60から1に大きく変わった。チームの中心選手としてさらなる活躍が期待される中、沖縄の春のキャンプでは打撃練習に多くの時間を割き、黙々とバットを振り続ける姿が見られた。2シーズンぶりの打撃タイトル獲得、そして初の打率3割を視野に5年目に臨む思いを聞いた。
NHK名古屋放送局 ドラゴンズ担当記者 猪飼蒼梧

背番号1は最大級の期待の表れ

岡林選手の新しい背番号1。ドラゴンズでは2代目ミスタードラゴンズと呼ばれた高木守道さんや大リーグでもプレーした福留孝介さんなど球団の歴代主力が背負ってきた重みのある番号だ。岡林選手は昨シーズン、2年連続となる最多安打のタイトル獲得まであと1本163本のヒットを打ったほか、2年連続でベストナインとゴールデン・グラブ賞を受賞。高校卒業4年目でリーグを代表する選手と呼ぶのにふさわしい実績を残した。ファンにとっては待望の変更。球団としては今後のさらなる飛躍に最大級の期待を込めた対応だったといえる。

キャンプでは背番号1が様になってきた

岡林選手
背番号1ということでいろいろ言われますけど、正直、自分がやるべきことは別に変わらないと思っています。背番号が変わったからといってうまくなるわけではないですし、練習しなくていいというわけでもないので、これまでやってきたことを続けるだけです。

岡林選手は背番号とプレーに関係はないと話す一方で、沖縄県北谷町で行われている1軍キャンプ地に駆けつけたファンからは背番号1への熱い思いが聞かれた。

ファン

背番号1は岡林選手に一番付けてほしいと思っていたので、めちゃくちゃうれしいです。

ファン

試合に出たら打ってくれるという期待感があって、スター性を持った選手だと思っています。

『走攻守』で高い評価を得ている岡林選手は今シーズン、より一層、信頼される選手になることを目指している。昨シーズンはチームでただ1人、全試合フルイニング出場を達成。チームの顔として試合に出続けることはもちろん、グラウンドで見せるプレーにより質の高さを求めていきたいという思いが強くなってきたからだ。

岡林選手
自分はホームランを何本も打つ選手ではありません。(走攻守)すべてにおいて自分は必要とされている選手だと思います。使ってもらったというよりかは信頼された選手になりたいです。

バットを振り続けたキャンプ前半

キャンプ前半、多くの時間を割いていたのはバッティング練習だった。午後3時すぎに全体練習が終わると室内練習場に移動。バッティングマシン相手やトスバッティングで2時間近く、大粒の汗をかきながら1人黙々とバットを振り続けた。

個別練習で最初に行うのは連続ティーだった

バットを振る体力をつける意味もある個別練習。これに精力的に取り組むのには理由がある。昨シーズンは夏場に29試合連続ヒットをマークし球団新記録を達成。その頃は打率も3割台に乗せていたのが終盤に失速した。8月の月間打率は2割5分9厘、9月は2割9厘。初の打率3割には届かず最終的にリーグ11位の2割7分9厘で終えた。打撃面でチームにより貢献するため念頭に置いているのが確実性を上げることで、打率や出塁率のアップを目標に掲げている。

岡林選手
シーズンを通して調子の波が大きいと、どうしても(首脳陣は)使いづらいと思います。安定性や信頼が一番求められるので、ヒットの数を多く打てればいいと思います。かといってヒットを打つだけがすべてじゃないので、フォアボールもそうですし、送りバントやチーム打撃というのもすごく大事になってくると思います。

打率3割へフォーム変更

打率アップのため変えたのがバッティングフォーム。『むだのないシンプルなフォーム』を目指しているという。下の写真では色のついた部分の引く幅をなくすようにした。

テイクバック時のバットを引く幅が小さくなった

去年まではテイクバックする時に大きく後ろにバットを引いていたが、新しいフォームでは最初から後ろに構えたまま。こうすることでスイングを始めるまでの動作が小さくなり、フォームのばらつきが減るというのだ。このフォームが体になじめば、どんなタイプのピッチャーにも安定して強い打球を打てるようになり、打率3割にも近づくと考えている。

岡林選手
シンプルな形が一番大事だと思っています。以前はバットを前(ピッチャー方向)に構えていましたが、後ろに引っ張る時にすごく大きな動作になっていました。大きい動作をするとブレが出てくるのでそれをシンプルな形にしたかったんです。バットを後ろ(キャッチャー方向)にちょっと戻して、小さな動きにすることで安定性が出てくると思ってフォームを変えました。

新しいフォームでの打撃練習はシーズンオフの自主トレーニング期間から続けてきた。2月1日のキャンプインからもバットをしっかり振り続けてきたことで体になじんできている実感があるという。直近の実戦形式の打撃練習でも徐々にヒット性の打球が増えてきた。今シーズンは打点王3回の中田翔選手を始め大幅な戦力補強が行われた中で、1番を任されることが多かった岡林選手の役割はより大きくなると見込まれる。2年連続最下位からの巻き返しへ、背番号1はチームの顔として大きな責任も背負っていく覚悟を示した。

岡林選手
2年連続最下位とずっと言われていますけど、本当に自分も勝ちたい気持ちが強いです。勝つためには自分が結果を残さないといけないのはそうですし、チーム全体として優勝を目指して頑張っていきたい気持ちが一番強いですね。

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  • 猪飼蒼梧

    名古屋局 記者

    猪飼蒼梧

    入局5年目。去年8月からドラゴンズ担当。小学生のころはテレビで年間100試合以上プロ野球観戦していました。

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