Q27 マンションにコミュニティーは必要? 孤立死を防ぐには
クローズアップ現代で継続取材してきた『住まいの問題』。視聴者の皆さまからも数多くのお悩みが寄せられました。そこで今回、専門家協力のもと、2ヶ月の間お答えしつづける「お悩み相談マラソン」に挑戦します。今回寄せられたのは「マンション内での交流がほとんどない。いずれ孤立死する人が出てきそうだが、コミュニティーをつくるのは面倒」というお悩み。マンション管理の専門家に聞きました。
(NHK『住まいの問題』取材チーム)
相談内容
定年退職後に入居してきた人が多く、マンション内での交流がほとんどない。いずれ孤立死する人が出てきそうだが、今さらコミュニティーをつくるのも正直面倒。
回答
“ 「気にかけてそっと見守る」これもコミュニティーのひとつです ”
解説
(マンションみらい価値研究所 所長 久保依子)
コミュニティー形成というと、イベントの開催や趣味のサークル活動といったものを想像される方は多いと思います。しかし、残念ながらこうした活動に参加されない人をいくらお誘いしても、参加される確率は非常に低いものです。「隣は何をする人ぞ」という言葉に象徴されるように、もともとマンションには濃厚なご近所づきあいを嫌う方が多く住んでいる傾向があります。
コミュニティーは何もイベントやサークル活動だけではありません。「気にかけてそっと見守る」こともマンションだからこそできるコミュニティーのひとつだと考えられます。孤立死を防止するには、この見守りが有効だと思います。
季節に合わない服装をしている、ゴミ出しのときにちぐはぐなサンダルを履いていたなど、「様子がおかしいので親族に連絡したほうがいいのではないか」と住人の方から連絡をいただいて行政の福祉部門などに相談をし、社会的な孤立が改善されたというお話をマンション管理に関わる方からうかがうこともあります。
また、見守りができていれば、残念ながら孤立死に至った場合でも早期に発見することができます。玄関ドアの前に定期購入の荷物が積みあがっている、宅配弁当が食べられないまま置いてある……こうした情報から孤立死を早期に発見できた事例は多いです。
「気にかけてそっと見守る」、そういうコミュニティーの形成を目指してみてはどうでしょうか。
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