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「頑張らなくたっていい。どうか自分を大切に生きていって」 東北ユースオーケストラ

「能登半島地震を経験した“子どもたち”へ、私がいま伝えたいこと」

このページでは、かつて東日本大震災などで家族や友人、ふるさとなどを失った“子どもたち”からのメッセージを紹介します。

【関連番組】
坂本龍一 被災地への思い ~東北ユースオーケストラがつなぐ演奏会~
[Eテレ]5月25日(土)午前  0時45分<中部7県> ※24日(金)深夜
[総合]  6月  1日(土)午前10時57分<東北6県>

(2024年3月 東北ユースオーケストラによる追悼演奏会)

東日本大震災の被災地の子どもたちによる楽団「東北ユースオーケストラ」。
去年3月に亡くなった、音楽家の坂本龍一さんが立ち上げました。

震災後、生きていいのか悩んでいた子。
音楽が嫌いになりかけていた子。
さまざまな思いを胸に東北ユースオーケストラに参加した子どもたち。

坂本さんはそれぞれの個性を大切にし、子どもたちが自分らしく活動できる場を与えました。

坂本龍一さん(2017年インタビュー)

「一人一人の現実ってもちろん違うわけで、実際に避難しなければいけなかった子どもいるし、友達を失った子どももいるけれども、同じ県に住んでいてもそれほど被害がなかった子どももいるし。そういう子も入っているんですね。でもみんながみんな悲劇の主人公というわけではない。上から教えるんじゃなくてね、自分たちで考えてもらう。そういう刺激剤みたいな、そういうものを提供できれば」

坂本さんが亡くなり、3月の追悼講演会に向けて練習に励んでいた団員たち。
そうしたなか、能登半島地震が発生しました。

自分たちに何かできることはないか。
団員たちは、追悼演奏会を行う東京の会場と富山県氷見市の会場をつなぎ、能登半島地震の被災地に向けたライブビューイングを行うことにしました。

(ライブビューイングで挨拶する海津洸太さん)

氷見市の会場には、石川県と富山県から800人のお客さんが集まりました。
東北ユースオーケストラのキャプテン・海津洸太さんは、ステージからこう語りました。

キャプテン 海津洸太さん

「私たち東北ユースオーケストラは3・11以降たくさんの方からのご支援のもと活動させていただきました。この活動の中でさまざまな経験をさせていただいたんですけども、これからは支援される側から支援できる団体になるべく、今回はその第一歩となるような演奏会にできればなと思います」

さらに今回、団員たちは有志で集まり、能登半島地震で大切な人やものを失った子どもたちに向け、ビデオメッセージを送ってくれました。

※再生すると音声が出ます
キャプテン 海津洸太さん

こんにちは。東北ユースオーケストラです。私たち東北ユースオーケストラは、東日本大震災をきっかけに坂本龍一監督が結成した学生オーケストラで、震災で傷ついた心の復興だったり、震災の記憶と教訓を伝えるということをモットーに活動しているオーケストラです。

菊野奏良さん

私たち自身も震災後すぐはとても不安で、できないことが多くて窮屈な生活を強いられてきましたが、この東北ユースオーケストラという居場所に希望を見いだしてきました。

齋藤玲利さん

決して忘れられることではないと思いますが、それでもゆっくり一歩ずつ生きていけば、これからきっと楽しいことが待っていると思います。東日本大震災を経験した私たちも立ち直ることができたので、能登も必ず復興します。どうか前を向いて、未来に希望を持って生きてください。

佐藤瑞季さん

きっと今でもたくさんの方が、あの日の出来事に不安を抱えていると思います。私も幼いころに被災したにも関わらず、たびたび起こる地震で震災を思い出すばかりです。そんな不安を抱える方々に頑張れということばは重たいものです。だから頑張らなくたっていい。どうか自分を大切に生きていってほしいと思います。

菊野奏良さん

大切なものや大切な場所、たくさんのものを失ったと思います。失ったものは戻ってきませんが、ぜひ希望を捨てずに前を向いて歩いてほしい、そう思います。なぜなら、私たちもそのようにして東日本大震災の後を過ごしてきたからです。

キャプテン 海津洸太さん

いつか実際に能登で演奏会を開きたいと思っていますので、そのときぜひ会いましょう。東北ユースオーケストラでした。

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