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熊本城「監物櫓」 特別公開を前に

熊本地震から8年 復旧を終えた様子は?
  • 2024年04月26日

熊本城「監物櫓」が復旧

復旧工事を終えた熊本城「監物櫓」

8年前の熊本地震で大きな被害を受け、復旧工事を終えた熊本城の国の重要文化財、「監物櫓」(けんもつやぐら)が5月の大型連休中に特別公開されるのを前に、報道機関に公開されました。

(熊本放送局記者 藤崎彩智)

「監物櫓」とは

被災前の「監物櫓」(熊本市提供)

熊本城の「監物台植物園」の園内にある「監物櫓」(けんもつやぐら)は、熊本城の最も北に位置するやぐらで、国の重要文化財に指定されています。のべ面積はおよそ140平方メートルの木造平屋建ての建物です。熊本市によりますと、創建年代は不明だということですが、寛永11年(1634年)の絵図にやぐらが描写されているということです。

地震で被災 やぐらは2年かけ復旧

熊本地震で被災(2016年4月撮影・熊本市提供)

しかし、8年前の熊本地震で、やぐらが傾いたり、石垣が崩れたりする被害を受けました。その後、復旧は柱や「はり」の部材を修復するため、いったん建物を解体して進められました。そして、部材の修復と基礎工事を行ってから、2021年10月からはやぐらの復旧工事が始まり、2年あまりたった2023年12月にすべての工事が終わりました。

特別公開を前に

「監物櫓」
修復された石垣

そして4月24日。復旧後、初めてこのやぐらが報道機関に公開されました。外観からは、地震の被害で崩れた土台の石垣が修復された様子がうかがえました。また、ふだんは立ち入ることができないやぐらの内部には4つの部屋があり、復旧前のやぐらで使われていた古い木材が多く再利用されていました。

手前の一番大きな「はり」は松の木

新たに地震への備えも・・・

耐震補強で設置された格子の壁
景観に配慮した色合いに

熊本市によりますと、やぐらは元の部材をできるだけ使用して復旧が進められ、内部の壁の6か所には8年前の熊本地震と同じ程度の揺れに耐えられるよう、デザインに配慮した木製の耐震補強パネルを新しく設置したということです。

「石落とし」
「狭間(さま)」

このほか、敵の襲来に備えて設けられた「石落とし」や鉄砲を撃ったり、弓矢を放ったりするための窓、「狭間(さま)」の様子も見ることができます。

大型連休中に特別公開されます

熊本城総合事務所 濵田清美所長

熊本市熊本城総合事務所 濵田清美 所長
「古い部材を再利用したあじわい深い建物なので、特別公開を楽しんで頂きたい」

「監物櫓」のある監物台樹木園は、復旧工事に合わせて休園していましたが、4月25日から開園され、やぐらの外観を近くで見ることができます。また、やぐらの内部は、大型連休中の5月3日からの3日間、特別公開される予定です。熊本城では、同じ期間に「宇土櫓」の特別公開も行われるのであわせて楽しんでほしいということです。

  • 藤崎彩智

    熊本局記者

    藤崎彩智

    2021年入局。警察・司法担当などを経て、2023年8月から熊本市政を担当。豪雨からの復旧や鉄道など経済も継続取材。

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