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また会う日まで・・・熊本城「宇土櫓」見納めに

  • 2023年08月08日

組み上げられていく鉄骨。

次第に隠れていくのは、熊本城、「第3の天守」と呼ばれる「宇土櫓」。

始まったのは、復旧工事に向けた囲いを取り付ける工事です。

囲いが外されるまで約10年。

また会う日まで、その勇壮な姿を待っています。

(熊本放送局 記者 藤﨑彩智)

※2023年8月時点の情報です

「第3の天守」、復旧に向けて

7年前の熊本地震で33のやぐらや塀が被害を受けた熊本城。

このうち「第3の天守」とも呼ばれる国の重要文化財「宇土櫓」も、地震で建物が傾き、壁がはがれ落ちるなど激しく損傷しました。

築城当時の姿を保っている唯一の多重櫓。

木造の地上5階地下1階建ての建築物で、天守閣にも匹敵するつくりです。

この宇土櫓を復旧させるための本格的な工事がことし6月から始まっています。

まもなく見納め・・・

1度解体してから復旧する必要があるという「宇土櫓」。

そのために覆われるのが、「素屋根」と呼ばれる囲いです。

雨や風を防ぐためにやぐら全体を覆うもので、高さは堀の下からおよそ46メートルにもなるということです。

「素屋根」が取り外されるのは、復旧工事が終わるという約10年後の2032年度。

内部では、来年から2年間かけてやぐらの解体工事が行われます。

素屋根の断面図(提供:熊本城総合事務所)

解体した部材は素屋根の内部に保管。

調査や設計などをへて、復旧工事が始まります。

素屋根の完成イメージ(画像提供:熊本城総合事務所)

ただ、ちょっと寂しい知らせが。

その間、外から見ることが難しくなるということです。

このほか、やぐらの下や周囲の石垣が大きく崩れ落ちたままになっている※「戌亥櫓」も。

崩れ落ちた大きな石に作業員がワイヤーを取り付け、クレーンで回収する作業が行われていました。

ここだけの話、実は・・・

「宇土櫓」の勇壮な姿、しばらく見られないのでしょうか・・・。

実は・・・。

熊本城総合事務所復旧整備課 岩佐康弘課長
「『素屋根』の天守閣側にはネットを張ります。中の作業が見えるようにする予定なので、天守閣からみなさまに見ていただきながら工事を進めます」

南東側からみた素屋根のイメージ図
(画像提供:熊本城総合事務所)

岩佐康弘課長
「長い時間がかかる工事ですが、丁寧に着実に復旧を進めていきます。『宇土櫓を忘れないでね』という思いで、あたたかく見守っていただきたい」

※記事の一部を修正しています

  • 藤﨑彩智

    熊本局記者

    藤﨑彩智

    2021年入局。初任地が熊本局。警察・司法担当を経て、現在は熊本市政担当。豪雨からの復旧や鉄道など経済も取材中。

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