熊本城 行ってみました 熊本地震から7年 いまどんな様子?
- 2023年05月25日
熊本地震で大きな被害を受け、7年経ったいまも復旧工事が続いている熊本城。
熊本出身の私(筆者)にとっても、熊本城は思い出の詰まった、とても大切な場所のひとつです。
今はどんな様子なのでしょうか?外も、中も、実際に熊本城を歩いてみました。
入園
前回の記事でお伝えした通り、NHK熊本放送局を出発し、城彩苑を経て、いよいよ熊本城を目指します。城彩苑から繋がる通路を通り、階段をのぼって進んでいくと、熊本城に入園する入口が見えてきました。
受付を通った後、階段をのぼって空中回廊へと進みます。空中回廊の裏側が見えますが、なかなかの迫力です。
頑丈なつくりであることが見てうかがえます。そしてその奥には石垣やお城の一部が。
空中回廊を歩く
階段をのぼって空中回廊に出ました。一気に視界が開けます!
進行方向、むかって左側に、いまも一部、崩れたままの壁や石垣が見えました。
進んでいくと、同じく左手に、天守閣も見えてきました。私は帰省するたびに、熊本城を見ると何かこみあげてくるものがあります。このときも「やっと会えた…」何だかそんな懐かしい気分になりました。
一方で、右手には、石垣や街の様子が見えました。こちらも、見逃せません。
空中回廊は緑に囲まれ、広々として本当に気持ちよく歩くことができます。
天守閣前広場まであと少し
空中回廊の終わりにある階段をのぼると、天守閣前広場まであと少し!ですがその前に、今度は地下道のような暗めの坂をくだります。
途中、立ち止まって横を見ると、このように、奥行きや構造を確認することができるので、進行方向以外の景色も必見です。
天守閣前広場に到着!
さらに進むと、ついに天守閣前広場に到着です!天守閣、何度見てもかっこよくてほれぼれします。
…やっぱり、熊本城しか勝たん!
天守閣、しゃちほこのベンチと共に。やはり、目の前にすると圧巻ですね…!
広場では、皆さん、思い思いに、写真撮影を楽しんでいました。
熊本市イメージキャラクター「ひごまる」がいて、顔を入れて合わせられる甲冑もありますので、絶好の撮影スポットです。
ここからの市街地の景色もきれいです。
おもてなし武将隊
おもてなし武将隊のショーが始まるとのアナウンスが流れました。確かによく見ると、皆さん、準備をされていました。
始まるやいなや、観光客の皆さんが続々と集まり、熱心にカメラを向けていました。
ショーが終わったところで、熊本城の中へ行ってみることにしました。
熊本城の中へ
近づいてもかっこいい天守閣…
いよいよ中へ。
入り口ではこのような石段も。間近で見るととても急で驚きました。どこに続いているんでしょうか…?
1階 加藤時代
展示が始まります。まずは加藤時代の展示から。
歴史の年表などだけでなく、当時の熊本城の模型を通じて加藤時代を感じることができます。
模型の中もかなり作りこまれています…!
模型の解説を見ることができるタッチパネルも。
実際の瓦やしゃちほこも間近で見ることができます。
なんとこちらは、当時の厠を再現しているそうです…!
そしてこちらは、入り口にあった急な石段を今度は上から見ることができます。あの石段、ここにつながっていたんですね…!
2階 細川時代
階を上がると細川時代の展示に移ります。こちらは地図模型をライトアップして解説してくれるコーナーです。
兜や屏風まで、豪華に、多様な展示を楽しめます。
細川時代の逸話も、紹介されていました。飾り馬や、「あんたがたどこさ」など、熊本の人ならおなじみの、お祭りの絵や歌の名前が気になり、ついつい読み込んでしまいます。
3階 近代
続いて、3階。窓から見える景色を見ると、地上から遠くなってきていることを感じます。
この階は近代。西南戦争の経過などを詳しく知ることができます。
焼失の際の解説も詳細にされていました。熊本城は、熊本地震だけでなく、幾度も困難を乗り越えてきたことをしみじみと実感します。
籠城戦の秘話。「細川時代の逸話」同様、誰かに話したくなる豆知識が得られそうです。
4階 現代
続いて4階へ。「現代」の階です。
熊本地震による被害に役立てるために、寄付をした人の「芳名録」が飾られていました。
窓の外を見てみましたが、屋根しか見えず…最上階で景色を楽しめるはずなので、それまで我慢です。
5階 最上階まであと少し!
俳優、歌手、スポーツ選手、お笑い芸人…熊本出身の著名な方々の、熊本城に向けた「おかえり」という言葉が、飾られていました。
皆さんの熊本城愛や一体感を感じて、心温まります。
6階 最上階到着!
そしていよいよ最上階です。
着きました!この日は晴天ではないながらも、自然光が差し込んでいることで、一気に明るくなったように感じます。
観光客の皆さん、熱心に写真を撮っていました。
窓の外を見ると、すぐそばの天守閣前広場はとても遠くに感じ、熊本の街が見渡せます。改めて、ここはかなり高い場所だと実感しました。
地震で崩れた石垣の痛々しい姿も、見られます。(写真右側)
改めて見回すと、景色はもちろんのこと、木の色が優しくて内装も素敵でした。
熊本城の外へ
のぼってきた階段をおりて、外に出ます。
お土産屋に寄ってみることにしました。
ありとあらゆる熊本城関連のグッズが勢ぞろいしています。
ちなみに、この近くで「御城印」ももらえるようでした…!
天守閣を後にするのが名残惜しいので、念のためもう一枚撮っておきます。どんな画角でも美しいです。
「ひごまる」が石垣に座っている感じが可愛かったので、アップで一枚のせます!
ここから加藤神社や二の丸公園を目指そうと思いましたが、その前に見ておきたいところがありました。
熊本地震前の思い出
今回、私は空中回廊から入園しましたが、熊本地震前は、写真左側に見える石垣に囲まれた坂をのぼって入園していました。
個人的な思い出ですが、写真右側の広場で、小学生のころ、ボランティアガイドとして観光客の方に説明をしていました。あの頃のにぎわいが嘘のような静けさです。
「この武者返し(写真右側)がすごいんです」と、石垣の真下に誘導してその反り返る感じを実感してもらっていたのでした。
そして国指定重要文化財の「宇土櫓」(写真左側)が戦などを経ながらも生き抜いてきたことを一生懸命に語ったことを思い出しました。
その宇土櫓も、熊本地震の被害を受け、解体保存工事が始まっています。宇土櫓のいまの姿、しかと目に焼き付けました。
こちらの建物は、かつてお土産や食べ物を売る休憩所でしたが、このように瓦が崩れてしまっていました。
小さい頃、ここで和菓子を買ったりするのが楽しみだったことを思い出します。
隣の石垣が崩れていて、土砂などもそのままになっています。
今回、久しぶりに熊本城に入園してみて、空中回廊や天守閣の内装など新しくなったところを楽しめました。そして、熊本地震で熊本城が受けた被害などを実際に見て、感じて、熊本城への愛おしさ、「応援したい」という気持ちが強まりました。
「変わっていく姿を10年、20年、30年と歴史の1ページをぜひ見続けてほしい」と前の記事でご紹介した城彩苑の加治屋さんの言葉通り、熊本の皆さんの心のシンボル熊本城のことをずっと見ていきたい、これからも知っていきたいと思います。