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1人で造ったアジサイ園

人吉市
  • 2023年06月20日

3万本を超える“アジサイの楽園”

人吉市赤池水無町に広がるおよそ5ヘクタールの「アジサイ蓮華パーク」では、48種類、およそ3万本の アジサイが植えられています。 今年は梅雨に入って比較的雨が続いたため、例年に比べて1週間ほど早い6月上旬には、青や赤色、白やピンクに色づきました。 県内外からカメラを手にした見物客が訪れていて、鹿児島から訪れた50代の女性は 「すごいの一言です。 雨のしずくとアジサイがいいなと思います。」と話していました。

3万本のアジサイ公園

 

多くの人が撮影に訪れる

たった一人で造ったアジサイ園

このアジサイ園をたった一人で造り上げたのは、地元で農業を営むする上村富章さん(74)です。上村さんは、花好きだった亡き母をしのび、24年前から所有する山林を切り開いて四季折々の花を植えてきました。 しかし、鹿やイノシシが苗を食べたり、土を掘り起こされたりしてうまく定着せず、いっぽうで、アジサイは被害が少なかったことから、アジサイを植え続けるようになりました。 栽培方法は、インターネットや本などで独自に調べて研究し、毎年挿し木で増やしたアジサイの苗を植え続けてきました。育てた苗は、すべてが元気に育つという訳ではありませんでしたが、年間約6000本を植え続け、今では3万本以上のアジサイが咲くようになりました。

アジサイの手入れをする上村さん
色や形もさまざまなアジサイ

豪雨被害にも負けず

令和2年7月の人吉・球磨豪雨では、アジサイ園の一部で土砂崩れが発生し、およそ50本のアジサイが流されました。その場所は今も手つかずのままで、むき出しの地肌が現れていました。植村さんは、再び土砂崩れが起きないようにアジサイだけでなく、桜やモミジなどほかの樹木も植えて多くの根をはらせ、対策をとっていきたいと話していました。

水滴に写るアジサイ
令和2年7月の豪雨で被害にあった場所

上村富章さん「想像を絶する土砂崩れだったけど、なんとか乗り越えて頑張ってきました。」

夢はアジサイで人吉を“世界の観光地”に

アジサイは土壌の酸性度によって花の色が変化します。上村さんのアジサイ園は、当初、赤いアジサイが6割ほどでしたが、年々青いアジサイが多くなり、いまでは全体の2割くらいが赤いアジサイとなっています。上村さんは、赤やピンクなど、より多くの色がでるように、今後も研究を重ねてアジサイ園を造っていきたいと意気込んでいます。また、毎日園内の花の様子をSNSなどで発信しているということで、今後は海外からの観光客も呼び込み、世界の観光地にしたいと考えています。

現在8割が青いアジサイ
夢を語る上村富章さん

上村富章さん「花が大好きでこの庭園を作ってます。人吉が世界の観光地みたいな 風になっていったらいいなと思ってこれからも四季折々の花を植え続けて頑張っていきたいです」

人吉市のアジサイ蓮華パークのアジサイは、7月上旬まで楽しめます。

動画はこちら

 

  • 小川耕平

    熊本局・カメラマン

    小川耕平

    平成26年入局 
    学生時代の野球と国内外の1人旅がいまの原点

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