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桜に寄せる思い 菊池恵楓園の桜

  • 2023年04月03日

桜の名所と、桜に寄せる人々の思いを描くシリーズ。合志市に、ことしからはじめて多くの人に見られるようになった桜並木があります。

駅の移転で現れた桜並木

熊本電鉄の御代志駅にほど近い所に、ことし見事な桜並木が現れました。およそ300メートルにわたって50本ほどのソメイヨシノが満開を迎えています。これまでは御代志駅と周囲の木立に隠れて外からは見えませんでしたが、去年10月に駅の移転とともに木立も伐採され、多くの人の目にとまるようになりました。桜のもとには、大勢の人が訪れていましたが、人々に聞いても「これまでここに桜があるとは知らなかった」と口々にいいます。

この春 人目につくようになった桜並木

国立ハンセン病療養所 菊池恵楓園の桜

この桜並木は、国立ハンセン病療養所、菊池恵楓園のそばにあります。桜並木のある土地は、実は菊池恵颯園の入所者が、戦時中の食糧難を解消するために、昭和16年に購入したところで、当初は野菜が植えられていました。昭和40年代に入ると、ゴルフ場向けの芝生の栽培に変わり、芝生の需要が減ると、今度は園内に彩りを添えたいと、30年前から入所者の自治会が桜を植えるようになりました。

菊池恵楓園に隣接
入所者のための畑(昭和18年)
戦前・戦後の食料難を補うため耕した

入所者の桜への思い

菊池恵楓園入所者の自治会、副会長の太田明さん(79)。桜を植える活動を行ってきました。太田さんは8歳の時に入所し、以来、恵楓園で育ち、暮らしてきました。かつて畑だったころの思い出を聞きました。

太田明さん 「8歳で療養所に入所しました。当時は戦後の食料難で、いつもひもじい思いをしていました。畑ではジャガイモを育てていましたが、収穫の後に残った小さいイモを探して見つけては食べていましたね。」

桜に寄せる思いも語ってくれました。

太田明さん 「桜を植えたのは誰もが喜ぶと思ったからです。コロナ渦前までは、入所者たちがテーブルを置いて花見をするのが恒例でした。この3年間は出来ませんでしたが、今年になって一般開放が出来るようになり、大勢の人が来てくれました。こんな時代が来るとは思ってもいませんでした。」

太田明さん
多くの人が集う場に

笑顔あふれる交流の場へ

3月下旬、桜並木は早くも満開となりました。桜の下には芝生が広がり、保育園児たちが駆け回ります。生まれて6ヶ月の赤ちゃんを抱いて訪れた母親は、「初めての桜を見せてあげたくて来ました。」と話してくれました。幼いきょうだい3人が、桜の下でジャンプして記念撮影する姿も。この春小学一年生になるランドセルを背負った女の子は、満面の笑顔で「学校楽しみです。」と話してくれました。

太田明さん 「桜の木というのは、春咲いて日本人に希望を与えてくれますね。桜を植樹したかいがありました。」

生まれて初めての桜
新一年生の女の子

動画はこちら

  • 福山孝幸

    熊本局・カメラマン

    福山孝幸

    カメラマン歴25年
    地域の話題が好き

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