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スペシャルオリンピックス世界大会 熊本から日本代表に!

  • 2023年06月14日

スペシャルオリンピックス世界大会 熊本からも出場!

スペシャルオリンピックス(以下SO)とは、知的障害のある人たちに、様々なスポーツトレーニングとその成果の発表の場である競技会を提供している国際的なスポーツ組織です。五輪と同様、4年に1回世界大会も開催され、今年はドイツ・ベルリンで6月17日~25日まで、26競技の夏季競技が行われます。今大会、日本代表として、熊本からも2競技で出場するアスリートたちがいます!ともに「ユニファイド」という、知的障害のある人(アスリート)と、知的障害のない人(パートナー)がチームメイトとなり戦う部での参加です。

 ユニファイドサッカー・野田拳任選手

 

中央 野田拳任選手(22)

熊本から出場する一人目のアスリートは、ユニファイドサッカー・野田拳任選手(のだ・けんと)、22歳。攻撃力が武器のFWで、熊本からは、ユニファイドサッカーでの唯一の選出です。

小さい頃から何かのスポーツで日本代表になるのが目標だったので、今回初めて代表に選出されてすごくうれしい。球際の強さが持ち味なので、相手と競り合って、そこで上回れるようなプレーをしたい

 ロアッソ熊本の試合もよく見に行っているという無類のサッカー好きの野田選手。高校を卒業する頃にSO熊本に入りました。ここで20年以上コーチをしている永井崇雄(ながい・たかお)さんも、野田選手の「サッカー愛」を高く評価しています。

左から2番目 永井崇雄コーチ(県立わかあゆ高等支援学校教員)

野田くんは、高校の時、毎日のように公園で友達とサッカーをしていたようで、当時、野田くんを指導していた高校の先生から「野田くんの力がありあまっているので、そちらに参加できないか?」と話があり、SO熊本で一緒にやることになった。もう5年ほど指導しているが、とにかくサッカーが好き。これがプレイヤーとしての彼の一番良いところだと思う。世界大会では、とにかく走って、かっこいいシュートでなくていいので、彼らしい泥臭いシュートを打ってほしい

シュートを打つ野田選手

 この日は、世界大会前最後のSO熊本での練習。いつもよりシュートが決まっていなかったらしく「NHKの取材が来ているから緊張してんのかー?」などとチームメイトにいじられていた野田選手(笑)

チームメイト全員と握手をし、世界大会活躍を誓う野田選手

それでも全体練習が終わったあとは、チームメイトと一人ずつ握手。「野田くん頑張れ!」と激励の言葉をかけられていました。 初めての世界大会は、同時に野田選手にとって初の海外。試合はもちろん、プライベートもとても楽しみにしている様子でした。

一番強いのは、自分がゴールを決めて、日本チームの人たちと一緒に喜び合いたいという思い。それと熊本のみんなに優勝を報告したい。個人で10点以上決められたら最高。それと、初めての海外なので、試合以外も楽しみたい。ソーセージが有名だからいっぱい食べたいです(笑)

10得点目指して頑張れ野田選手! 

SO熊本サッカープログラムメンバーでの全体写真

 

 

 ユニファイドボウリング・吉田彩選手 / 西村冬美選手

左・西村冬美選手(パートナー) 右・吉田彩選手(アスリート)

 もう一つ、熊本から日本代表に選出されている競技は、ユニファイドボウリング。3回目の世界大会となる吉田彩選手(よしだ・あや)31歳、世界大会初出場の西村冬美選手(にしむら・ふゆみ)、33歳です。 

吉田彩選手
西村冬美選手

 ユニファイドボウリングは、1フレームごとに、アスリートとパートナーが交互に投げ合い、その合計得点で争います。同じプレイヤーが連続投げるわけではないため、リズムや流れを掴みにくく、通常のボーリングよりも難しいと言われています。実際に、吉田選手のベスト254。西村選手は257ですが、ペアでのベストは210です。それでも十分高いスコアですが・・・(笑) 

2人で1つのゲームを作るので、呼吸や相性が顕著にスコアに出る。特に大事なのは「失敗したときのフォロー」。これがあるとないとでは全然違う

ペアのコミュニケーションが取れていないと、ミスで雰囲気が悪くなり、次の投球にも影響が出てしまうという悪循環になる。ただ、お互いがうまくフォローできれば、逆に2人だからこそ良いメンタル状況に持っていくことができるという利点もある

その中で2人は、とても「性格が似ている」相性の良いペアだと自分たちを分析しています。

最初の頃は、彩ちゃんが緊張からか無表情で・・・。ところどころで「本当はテンションが高い子なんだろうな」とは思っていたので、ある日、彩ちゃんがストライクをとった時に、いままで片手やっていたグータッチを、両手で思い切りやった。そうしたら彩ちゃんが思いっきり笑ってくれた。「これだ!」と思い、そこから2人の仲がグッ縮まった。いまは「とにかくテンション高く」が2人のテーマ。今大会も、周りを巻き込むくらいテンション高めでやっていきたい!

前回のアブダビ大会ではシングルスで優勝を果たしている吉田選手。今大会も狙うは優勝です!

ボウリングでの世界大会は2回目だが、かなり緊張するだろうと思う。いまのところ、ペアでの平均スコアが150くらいなので、それを超えるスコアを本番で出せたらうれしい。それと国内大会では感じられない、世界大会ならではきらびやかな雰囲気があるので、それを存分に楽しんで、良い結果を出して熊本に戻ってきたい

こちらも最後は、SO熊本ボウリングプログラムに参加する20人以上のメンバーの前で意気込みを話し、活躍を誓いました!

SO熊本ボウリングプログラムのメンバーでの激励の様子
皆さんからの活躍を祈る寄せ書きも!
  • 法性亮太

    熊本局・アナウンサー

    法性亮太

    野球歴15年

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