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今永投手の高校時代は?!監督に聞く!

メジャーでは半袖ですが高校では…
  • 2024年04月26日

大リーグに移籍して好スタートをきったカブスの今永昇太投手(いまなが・しょうた)。北筑高校時代に監督として指導した井上勝也さん(いのうえ・かつや)に、カブスでの活躍や半袖登板の秘密?、そして高校時代の思い出を聞きました!
(3勝目をあげた日本時間の4/21に取材)

取材 神戸和貴アナウンサー

北筑高校の監督だった井上勝也さん(右)
現在は福岡市の香住丘高校で野球部監督

半袖での登板が話題!でも高校時代は…?

ー井上先生、今永投手が大リーグでいいスタートをきりましたね。活躍をどう見ていますか?

最初の試合に勝ってくれたら…というのがいちばん強い気持ちだったんですけど、そこをすっとクリアして1勝、2勝、きょう3勝目をあげたのですごくびっくりしています。もう少し打たれるんじゃないかと心配していたんですけど…。WBCでの登板を見ていて、メジャーリーグの選手はバッティング技術が高いので、ある程度のボールは打つんじゃないかと思っていたんですが、今の活躍を見ると驚いていますし、うれしいかぎりです!

ー地元や福岡の高校球児にとっては?

現在の香住丘高校(かすみがおか)野球部でも練習試合をしていると、いろんな指導者の方から”今永すごいね!”と声をかけていただけるので私も励みになりますし、福岡の球児も今永に続け!とがんばってくれたらなと思っています。

ーきょうも半袖で登板していましたね!

一時はヒゲも生やしてワイルドになったり、なぜか半袖でがんばっていますよね(笑)。高校時代は逆に肘や肩を冷やさないように、夏場でも長袖でハイネックとかそんな感じだったと思うんですけど…。今はなぜか半袖で(笑)。彼は強いこだわりがあるので、自分の決めたこととか勉強したこととか、何か理由があるんじゃないかと思うんです。直接聞いたことはないのでわかりませんが、腕が振りやすいとか、何かいいパフォーマンスが出るんじゃないかという半袖じゃないかなと思います。

寒いシカゴで半袖での登板が話題に!
高校時代は夏でも長袖ハイネック?!

ーそうだったんですか!高校時代からいろんなことにこだわっていた?

そうですね、自分のルーティーンや考えがありました。でも柔軟性もあるので、アドバイスも一度自分の中で受け入れて、合わなかったら外すというタイプの選手でしたね。メジャーでも海外で感じることや吸収したものをパフォーマンスに生かしているんじゃないかなあと。柔軟にできる選手なので、違う土地でも活躍できているのかなと思います。

ー学校ではどんな性格でしたか?

高校の頃から人なつっこいというか、人望も厚くて友達も多くて。けっこうお調子者な感じもあったので、いろんな人と仲良くなって溶け込む感性がたけている生徒でした。1人で新たな地を開拓していくことを好んでいく選手じゃないかなと思いますね。

ー性格的にも挑戦することが好きだったと?

そうですね。北筑高校は周りの強豪私立とは環境も違うんですけど、相手が強ければ強いほど燃えるタイプというか、絶対負けないというか。ダメだったときにどうやったら次は戦えるのかをすぐに考える、負けず嫌いの面が強かったです。メジャーリーグの強打者たちをどうやったら抑えられるかと、前向きな考えが今すごくマッチしているんじゃないかなと思います。

ストレートを磨いた高校時代

ー三振もかなり多くとっていますが、投球はどうですか?

高校の時からまっすぐで三振が取れるピッチャーだったんですけど、それがメジャーでも通用しているというのが正直びっくりだし、うれしいです。
高めのボールにすごくスピンがかかって伸びているような、映像を見ても浮き上がっているようなボールを投げているので、調子がいいんだろうなと思っていますね。

ー高校時代にストレートを磨くためにしていた事はありますか?

2年生の時はそんなに速くなかったんですけど、打席に立つとバッターがタイミングが合わなくて空振りをする場面が多くて。ただ途中でカーブを投げ始めたんですけど、どうしてもフォームのバランスが崩れてしまうので、高校ではほとんどまっすぐ中心にしました。スライダーとチェンジアップというまっすぐと同じような腕の振りの変化球を少し投げて、とにかくまっすぐを磨こうとやっていました。大学で体ができてから、他の変化球を習得していこうという話はしましたね。

ー本人もまっすぐにかなり力を入れていた?

逆にまっすぐで勝負をしたいと気持ちが強過ぎて、まっすぐを投げ過ぎて打たれて私から指導されるということも(笑)。ピッチャーは球速の勝負ではないから、ゲームを作るのがピッチャーだよという話もしたんですけど、それくらいまっすぐにこだわりは持っていたと印象がありますね。

今永投手が大事にする”常にエースであれ”

ー今永投手が、井上さんに高校時代に言われた「常にエースであれ」という言葉を大切にしていると言っていました。練習中も授業中も寝る前もエースであれ、と。それだけ常にエースらしい行動をということだと思いますが、どうしてこの言葉を伝えたんですか?

彼は上で活躍できる選手だと思っていたので。いろんな人から見られている、認められるような選手になってほしいということで、そう表現しました。でもよく覚えているなと(笑)。シカゴに決まった時も「シカゴでもエースになれ」というメッセージは送りました!

ー高校時代からメジャーへの思いがあったんですか?

いやいや、高校はプロ野球を目指して入学してきたわけでもなかったですからね。興味を持ってくれる日本の球団もありましたが、プロ野球志望届は出さず、大学でドラフト上位を目指そうと進学していきました。

ー高校時代に印象に残っていることはどんなことですか?

高校3年生の最後の夏に負けた時に、高校球児だとだいたい泣くんですけど、今永は次をのことを考えている…そんな表情じゃないですけど、それが印象深くて。そしてWBCの決勝で先発をしてホームランを打たれた後も、なんで打たれたのか、次どうするのかを考えているような感じで。メジャーに行った時をイメージして、次を考えていたんじゃないかなって勝手に私は思っていました。

ーえ、高校3年生の夏に負けて、すぐに前を向いていたんですか??

私の勝手な印象ですけど。彼は常に次のことを考えて切りかえて、もっと高みを目指すんだなと。だからメジャーでも登板回数が増えれば増えるほど、彼は成長してくれるんじゃないかなと思いますね。

ー今永投手への期待、メッセージをお願いします!

やっぱりケガだけは気をつけて、何度か肩を痛めたこともあったので。移動も大変だと思いますしその辺りに早く慣れてですね。その中でアメリカでの投球スタイルを見つけて、ことしだけじゃなく来年、再来年と長く活躍してもらいたいなと思います。
毎回楽しみに登板を見ています。とにかくケガをしないように、日本中が応援していますので、ひとつでも多く勝ってもらえればと思います。がんばってください!

  • 神戸和貴

    北九州放送局 アナウンサー

    神戸和貴

    愛知県出身、2011年入局
    野球を中心にスポーツを取材。趣味は草野球、ゴルフ、筋トレ

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