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西武 武内夏暉投手 “新人王”への挑戦

~153キロ左腕 プロ1年目にかける~
  • 2024年01月15日
2001年7月21日生 北九州市八幡西区出身
186cm/92kg 左投げ左打ち
八幡南高校ー国学院大学ー西武

去年のドラフト会議で3球団に1位で指名され、抽せんの末、西武に入団した武内夏暉投手(たけうち・なつき)。ことし、新人として初のシーズンに臨みます。地元での期待も高まる中、プロへの意気込みを聞きました。

北九州放送局 石井直樹 記者

目標は“新人王”

同級生に西武の帽子姿を披露

年末年始の期間は地元北九州市に帰省した武内投手。母校の八幡南高校で高校時代の同級生と練習をしていた武内投手に話を聞きました。

去年は3球団の競合もあって、そこから皆さんに祝福されてここまで来ているので、その人たちに恩返ししたいっていう思いが強いですね。幼いころから夢でしたし、ずっとプロ野球選手になりたいと思っていたので、まずはスタートラインに立ててうれしいです。地元の高校で野球ができてとても楽しかったですし、これまでの仲間と野球をしたのはとても懐かしいなという思いでした

東都大学野球でのピッチング

大学野球屈指のレベルの高さを誇り「戦国東都」とも言われる東都大学野球では、1部の国学院大学でエースとして活躍。去年秋のリーグ戦では、ベストナインや最優秀防御率のタイトルを獲得しました。
プロでも即戦力として活躍が期待される武内投手は、高い目標を定めています。

目標は新人王です。1年目から即戦力として期待されていると思うし、活躍したら新人王が見えてくると思うので、そこはまず目標としてやっていきたいと思っています

プロ1年目から活躍するため、オフシーズンはさらなるレベルアップを追い求めています。

ープロで活躍するにあたって、自分で考えている課題はありますか?

体重をもう一段階あげたいなと思っていて、今92キロですけど95キロぐらいを目安に開幕までにもっていきたいなという、まずは体づくりです

ー体重を増やす理由は?

球の質が変わるというか、体重がかかるとさらにボールも勢いがつくので。そこは、大学時代に体重が増えて実感できたので、プロでももう一段階伸ばしたいと考えています

ソフトバンクへの未練「本当にない」

インタビューを受ける武内投手

幼いころから、地元球団のソフトバンクのファンだったという武内投手に、改めてプロに向けての思いを聞きました。

ーソフトバンクが好きだったというのはドラフト前から言われていて、結果として西武に行くことになりましたが、ソフトバンクへの未練はない?

そこは本当になくて、西武に指名されたので、今度はソフトバンクが敵となるので、対戦した時にはやっぱり燃え上がるものがありますし、倒したいなと抑えたいなと今は思っています

ーソフトバンクと同じパリーグということで、PayPayドームや北九州市民球場で投げることがあるかもしれません。その時はどんなピッチングをしたい?

ビジターになると思うんですけど、でもなんかホームのような感じもするので、そこは本当に楽しんで投げたいなと思っています

ープロの舞台で話を聞いてみたい、参考にしたい選手は?

ソフトバンクの和田毅投手とお話したいなというのがあって、プロで長く活躍されていますし、投球術というのも一つの持ち味として持っていると思うので、そこら辺の話を聞いてみたいと思っています

ー将来的にこんな選手になりたいという人は?

大谷翔平選手のような圧倒的な力というか、もう世界を代表する選手ですけど、自分もそのような存在になれたらなと思っています

ー二刀流をやりたい?(笑)

そこまでは思ってないですけど、投手として(笑)

ープロではさらにレベルの高いバッターと対戦しますが、特に対戦したいバッターは?

ソフトバンクの柳田悠岐選手と対戦してみたいなと思っています。幼いころからテレビで見てきましたし、あのフルスイングっていうのを、ピッチャー目線で体験したいなというふうに思っています

プロの舞台へ 地元の期待も高まる

武内投手は帰省中、地元の人たちへのあいさつ回りで大忙し。
この日は、高校野球部のOB会などが開いた壮行会に出席しました。

壮行会であいさつ

(武内投手)
本日はお忙しい中このような会を開いていただきありがとうございます。このたび埼玉西武ライオンズより1位指名をいただいた武内夏暉です。八幡南高校野球部の56期生で、夏の大会は3回戦の試合で負けましたが、楽しく活気よく高校時代を過ごすことができました。そのあとは国学院大学に進み、順調な4年間を歩み、プロ野球選手になることができました。これからは埼玉でプレーしますが、応援のほどよろしくお願いいたします!

壮行会には、両親やかつての指導者も参加。子どものころから知る人たちは、その成長に目を細めていました。

【父親の修二さん】
しゃべりが達者になったかなというのは思います(笑)あとは変わらないです。周りがなんと言おうと僕は夢へチャレンジしなさいとずっと言い続けていました。だから親孝行な子どもだなと思いますね

【母親の由利江さん】
頑張ってほしいです。いつ初登板になるか分からないですけど、早く見たいですね

【中学時代に指導 折尾愛真中学校 安部多加弘監督】
彼は中学時代は野手で活躍してくれていたんですけど、素直な子なので高校に行ってさらに伸びるのかなという期待はありました。本当に立派になったなと思います。うれしいです。すごく爽やかな好青年なので、野球選手としてはもちろんですけど、人間的に子どもたちのお手本になるように活躍してもらえたらなと思っています

【高校時代に指導 八幡南高校 福盛徳之監督】
正直にうれしい気持ちと、こんなにも多くの方が応援してくれるので、本当に頑張ってほしいなと思います。こうやって、卒業してからきょう初めて会う子も来ているので、武内のおかげで卒業生と会えて楽しくお酒を飲めて、ありがたい時間です

 

会場の壁には、ソフトバンクのユニフォームがぎっしり。それでも、武内投手は西武の選手としての決意を新たにしていました。

(武内投手)
本当に自分のために壮行会を開催してくれているのでとても感謝していますし、またさらに頑張ろうという気持ちになりました。地元愛、福岡愛、ホークスへの愛が強いなと感じましたが、それに負けないようにライオンズを応援してもらえるように、頑張りたいと思います!

シーズンに向け始動

1月9日 埼玉県所沢市

地元の期待も高まる中、武内投手は1月7日、埼玉県所沢市にの寮に入寮。9日からは、新人合同自主トレーニングも始まり、プロとしての歩みを始めました。

たくさんの人に見られながらの練習でプロになった実感はあるし、ここから自分を出していけたらと思います!

取材後記

武内投手と初めて会ったのは、去年10月。ドラフト会議の前に、国学院大学のグラウンドで取材をさせてもらいました。その時の印象は「まじめで誠実な大学生」。決して自分の実力におごり高ぶることなく、インタビューでは一つ一つの質問に丁寧に答えてくれる姿が印象的でした。

実は私(記者)は、西武ファン。今回、「西武ライオンズの武内投手」と会うときは少し緊張してしまいました。それでも、武内投手のまじめで誠実な受け答え、そして優しい笑顔に接していると少しずつ緊張もほぐれていきました。
武内投手のルーキーイヤーに注目していきたいと思います。

  • 石井直樹

    北九州放送局 記者

    石井直樹

    子どものころから西武ファン
    高山久さんの神主打法が
    大好きでした

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