楽天 渡辺翔太投手 さらなる飛躍へ
- 2024年01月15日
去年ドラフト3位で楽天に入団した渡辺翔太投手。北九州市小倉北区の出身です。昨シーズンは中継ぎとしてチームトップの25ホールドをあげるなど新人離れした活躍を見せました。活躍の要因と今シーズンにかける思いを取材しました。
(北九州放送局 勝海光太朗 記者)
“できすぎ”の1年
去年、渡辺投手は得意のパームボールを武器にシーズン途中から中継ぎに定着しました。その後は17試合連続無失点を記録するなどの活躍でチームに貢献しました。
活躍の原点となった1軍初登板のヤクルト戦では村上宗隆選手や青木宣親選手など、名だたる打者と対戦しました。試合ではとにかく全力で投球することを心がけたといいます。
1軍初登板の試合はめちゃめちゃ緊張しましたし、とにかく打たれてファームに行きたくないっていう気持ちでした。びびってもしょうがないと思って、思い切り投げたら結果がついてきました。
1軍初登板から8試合連続無失点を記録するなどアピールを続けます。
その後は、中継ぎとして勝ちパターンで起用されるようになりました。
活躍できたのは、自分が1年目で相手チームから何も知られていなかったのもありますが、やっぱりパームボールがバッターの頭にあったことが要因だと思います。終盤戦は勝ちパターンとして投げられたので“できすぎ”の1年でした。
活躍の要因は球速アップ 154キロに
渡辺投手が活躍の要因にあげたのはストレートの球速アップです。
プロ入り後、下半身を重点的に鍛えたことで、大学時代151キロだった球速は154キロまで上がりました。
「ストレートが強くなった分、変化球が生きていたと思います。大学時代と球種はほとんど変わっていませんが、シーズンを通してパームボールは2球しかヒットを打たれた覚えはないので、そこは自信を持っていいのかなと思っています。トレーニング方法は企業秘密です!」
課題は地元 ソフトバンク戦?!
一方、シーズン中に見えた課題もありました。
ソフトバンクとの試合の防御率が最も悪くなっていたのです。
苦しい試合はソフトバンク戦が多かったです。PayPayドームの試合だけ防御率が悪いので課題だと感じています。ソフトバンクはこれまで見ていた選手も多かったし、知っている選手ばかりだったので。
そのような中、課題のソフトバンク戦で失点したあと、渡辺投手に声をかけたのが去年まで楽天で抑えを務めた松井裕樹投手でした。
裕樹さん(松井)に「シーズン143試合あるんだから。あすも試合だし切り替えていくのがプロの仕事」と言われました。最初は打たれたら気にしていたこともありましたが、今ではどんな状況でも気にしないでプレーできるのが強みになっています!
松井投手からのことばをきっかけに、プレーに一喜一憂することがなくなったといいます。
その後、17試合連続無失点を記録するなどチームに欠かせない存在へと成長しました。
2年目シーズン さらなる飛躍へ
最後に、今シーズンにかける思いを聞きました。
“一軍完走”です。去年は最終日までクライマックスシリーズを争う中での試合だったので、ことしはファイナルステージから戦えるようにしたいです。そのためにまずはリーグ優勝します!
地元の皆さんにメッセージももらいました。
ことしはソフトバンクファンの皆さんも、僕が投げるときは楽天ファンになって地元の選手を応援してくれたらと思います。よろしくお願いします!
記者 取材後記
「パームボールは2球しか打たれていない」ということばにパームボールのすごさを感じたのはもちろん、なにより51試合も登板しているにも関わらず、試合内容を鮮明に覚えていることに驚きました。ことばの一つ一つにプロとしての自覚や責任感を感じました。取材中はときおり冗談を言うなど現場を盛り上げてくださいました。今シーズンも活躍を期待しています!