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【被災地の声】輪島市 100年続く町の食堂 仮店舗で営業再開 萬正光さん

  • 2024年04月02日

2024年1月1日に発生した、石川県能登半島地震。

石川県輪島市でおよそ100年続く「萬正食堂」は、地震で建物が半壊し営業休止を余儀なくされていましたが、3月21日から仮店舗での営業を再開しました。

地元で愛されてきたなじみの味に、涙を流すお客さんの姿も。

「こうやって昔のお客さまの顔を見られるだけでもうれしい」

店主の萬生光さんの声です。

老舗の食堂 仮店舗で再出発

地震の被害を受けた店舗

輪島市の中心部で、昭和初期からおよそ100年続く「萬正食堂」は、元日の地震で店舗が半壊するなど大きな被害を受け、営業休止を余儀なくされました。

4代目の店主、萬正光さん(36)は、2kmほど離れた事務所を幼なじみから提供してもらい、地元の仲間たちの協力も得て仮店舗での営業再開にこぎ着けました。

開店前、萬正さんは…

天候が天候なので、どのくらいのお客様が来てくれるか、不安でありワクワクでありドキドキでありっていう感じですね。

そして、午前11時半に開店。

営業再開を聞きつけた常連客が次々に訪れました。

「いらっしゃいませ~」

(お客さん)「3人入れそう?」

「はい、3人どうぞ~」

(お客さん)「じゃあ車止めてくる」

お客さんや従業員の声が飛び交い、店が活気づきます。

「待っとったもん、ずーっと」

地震の影響で食材の仕入れが難しいため、メニューは当面日替わりのみの提供です。

初日の日替わりメニューはカツ丼。

訪れた常連客はなじみの味に顔をほころばせ、なかには涙を流す人もいました。

店を訪れた30代男性
久しぶりすぎて涙が…。おいしいです。最高です。去年以来、4ヶ月くらいですかね。ちょっと日常を取り戻したかなと思いました。

味も全然違いますね。あったかい食事を食べられるっていうのは、震災のときとは全然違います。

やっぱり一歩ずつみんな進んで、日常を取り戻そうとしてるんやなっていうのは実感できますし、それが伝わって『じゃあ、自分たちも頑張ろうかな』って思います。

店を訪れたお客さん
おいしいです。待っとったもん、ずーっと。早くやらんかなと。「再開は来年の夏以降や」と言っとったもんね。ショック受けて、来年の夏かぁって。だって毎週通ってましたもの。

輪島の食堂なんか、しばらく食うとこないんだろなって。いつも炊き出し行ったり、コンビニ行ったり。うれしいね、ほんとに。ご飯とお汁ついとるの、うれしい。

元の店舗での営業目指して

食堂では、今後クラウドファンディングで資金を集め、元の店舗での営業再開を目指していくということです。

萬正さん

萬正さん
課題がいっぱいありすぎて、どれから手を付けていいかまだ分からないので、ここで料理をしながら解決していければと思っています。

徐々に徐々にでいいので、またこうやって昔のお客様が訪れてくれればなと。顔を見るだけでもうれしいですし、そうなってくれれば一番うれしいです。

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