「桜を見る会」前日懇親会で酒類無償提供 市民団体が告発状

安倍元総理大臣の後援会が主催した「桜を見る会」の前日の懇親会をめぐり、大手飲料メーカーが無償で酒類を提供したのに、後援会の収支報告書に寄付として記載がないのは政治資金規正法に違反する疑いがあるなどとして、10日、市民団体が安倍氏や後援会の元代表らの告発状を検察に提出しました。

告発状などによりますと「桜を見る会」の前日の懇親会には、大手飲料メーカーの「サントリーホールディングス」が、平成31年までの3年間、毎年およそ15万円相当のビールなどを無償で提供したということです。

市民団体は後援会の収支報告書に寄付として記載がないのは政治資金規正法に違反する疑いがあるなどとして、安倍氏や後援会の代表だった元公設第1秘書など4人に対する告発状を東京地方検察庁に提出しました。

サントリーホールディングスは告発について「コメントは差し控える」としたうえで、無償で提供したことについては「多くの人たちが集まる会だと聞き、製品を知ってもらう良い機会と考えて無償で協賛した」としています。

市民団体の岩田薫共同代表は「社会的な関心も高いので、捜査のメスをいれてほしい」と話しています。

「桜を見る会」の前日の懇親会をめぐっては、収支報告書におよそ3000万円の収支を記載しなかったとして、おととし、元公設第1秘書が罰金の略式命令を受けています。

安倍元首相の事務所「訂正すべき点は適正に修正」

自民党の安倍元総理大臣の事務所は、これまでの検察当局による捜査結果を踏まえ「捜査機関には、すべて真摯に協力し、その結果の処分であったと認識しています。収支報告書については処分結果を踏まえ、訂正すべき点は適正に修正しているところです」とするコメントを出しました。