【詳しく】マイナンバーカード 6月30日ポイント申請開始 最大2万円分

コンビニでも住民票の写しを受け取れるマイナンバーカード。
6月30日から健康保険証としての利用の申し込みや「公金受取口座」を登録した場合のポイントの申請・付与も始まりました。
そもそもマイナンバーカードとはどういう物で、どうすればポイントを受け取れるの?個人情報の漏えいリスクは?わかりやすくまとめました。

マイナンバーカードとは

カードには、12ケタの番号のほか、顔写真とともに、氏名・性別・住所・生年月日の「基本4情報」が記載されています。このカードを行政機関の窓口などで提示すれば、マイナンバーと本人確認が一度に可能となり手続きが簡略化できるほか、民間のオンラインサービスで手続きする際に本人確認として利用することもできます。また、カードを持っていれば自治体が発行する住民票の写しなどをコンビニに設置されている端末で取得できる「コンビニ交付サービス」が利用できます。

最大2万円分 ポイントが受けられるのは?

マイナンバーカードの普及に向けて、政府が創設したポイント付与は3つあり、この3つをすべて受け取れば最大2万円分になります。

①カードを取得すると最大5000円分
②健康保険証としての利用を申し込むと7500円分
③国から給付金を受け取るための「公金受取口座」を登録すると7500円分

ただ、取得・申し込み・登録しただけではポイントは付与されませんこの後にポイントを申請する必要があります
上記の3つうち、ポイントの申請と付与はすでに①で行われていて、②と③は6月30日から開始しました。

対象は?

①~③いずれも対象になるのは2022年9月末までにマイナンバーカードの交付申請を行った人で、ポイントの申請は2023年2月末まで受け付けています。

ポイントはどうやって申請すればいいの?

ポイントの申請には、マイナンバーカードを読み取る機能があるスマートフォンか、カードリーダーに接続したパソコンが必要です。スマートフォンでは専用のアプリで、パソコンでは専用のホームページでそれぞれ手続きを行えます。

申し込みに必要な機器を持っていない人は、総務省が各地に設けている「マイナポイント手続スポット」で申し込めます。およそ1700の市区町村の窓口や、郵便局、コンビニの「セブン‐イレブン」や「ローソン」の店舗、携帯大手の「KDDI」や「NTTドコモ」、「ソフトバンク」の販売店など合わせて6万8000か所ほどに設けられています。

スマートフォンを使う場合は「マイナポイントアプリ」をダウンロードします。

ポイント申請で手元に用意しておく必要があるのは4つです。
1.マイナンバーカード
2.マイナンバーカード交付時に登録した4桁の暗証番号
3.決済サービスID
4.決済サービスのセキュリティコード
総務省の担当者によりますと、決済サービスの個人IDの入力でつまづいてしまう人が多いとのことです。「決済サービスID・セキュリティコードの確認方法」についてのホームページを作成しているので参照してほしいとしています。

「公金受取口座」の登録をまだ行っていない人は口座情報も手元に用意しておくとよいです。

アプリを立ち上げて「申込む」をタップ。マイナンバーカード交付時に登録した4桁の暗証番号を入力し、マイナンバーカードの情報を読み取ります。

すると「マイナンバーカードの新規取得」「健康保険証としての利用申込み」「公金受取口座の登録」の3つの項目が出てきます。カード取得でもらえるポイントをすでにもらっている人は2つだけです。

申請する項目のチェックボックスにチェックを入れます。この際、健康保険証の申し込みと口座の登録を済ませていない場合でもチェックを入れることができます。
そのうえで、クレジットカード、交通系などの電子マネー、スマートフォンのQRコード決済などの決済サービスの中から1つだけ選び、決済サービスの個人IDやセキュリティコード入力します。そして内容の確認や利用規約の同意などを行います。

このあと健康保険証の申し込みの利用規約についての画面が出てきます。ここで「同意して申込む」をタップすればポイントの申請と一緒に健康保険証としての利用を申し込むことができます。

さらに「公金受取口座」の登録を終えていない人については、その後に出てくる画面で「登録をはじめる」をタップすると「マイナポータル」のアプリにつながります。

マイナポータルでは4桁の暗証番号の入力を行いマイナンバーカードを読み取り、口座情報の入力などを行います。

総務省の担当者は「スマートフォンやパソコンなどでの手続きができない人は自治体の窓口に相談してほしい」としています。

そもそも健康保険証と「公金受取口座」登録で何ができるの?

健康保険証として利用することで専用のポータルサイトで医療費の確認ができ、確定申告に活用できるようになります。また、原則、高額療養費制度の申請が必要なくなり、窓口で限度額を超える医療費を一時的に支払わなくても済むようになります。

「公金受取口座」は個人の金融機関の口座の情報をマイナンバーと一緒にシステムに登録することで、国からの給付金を受け取れるようにするものです。国からの給付金は申請書を提出したあと、自動的に登録した口座で受け取れる仕組みになっていて、国は今年度中に年金や児童手当でも活用できるようにしたいとしています。

注意すべきことは?個人情報の漏えいリスクは?

デジタルに詳しい日本総合研究所の岩崎薫里さんは、健康保険証として登録してもマイナンバーカードを使用できる医療機関や薬局などはまだ限られているので利用する先が対応しているかどうか確認する必要があると指摘します。

一方、個人情報の漏えいリスクについては、過度に恐れる必要はないものの、暗証番号の管理はしっかりしなければならないと指摘しています。
(日本総合研究所の岩崎薫里さん)
「紛失した場合にはカードに記載の基本4情報は知られてしまいます。ただよく話題になっている『不正に行政手続きが行われるのではないか』ということについては暗証番号がないとできませんし、『税金や年金などの情報を不正に取得されるのではないか』ということについてもICチップにそのような情報は入っていません。このため『絶対に持ち歩かない』などと過度に恐れる必要はありません。クレジットカードと暗証番号を一緒に持ち歩く人はいませんよね?心持ちとしては一緒だと思います。逆に情報管理が非常に厳しい制度設計になっているために利用できるサービスの種類が増えず、お得だと思えないので取得者も増えないという悪循環になっています。政府はポイントの付与だけでなく、国民がカードを持ちたくなるように本来のサービス充実させる必要があると思います」

“マイナ保険証”医療機関に原則義務づけへ

厚生労働省は、5月25日の社会保障審議会の医療保険部会で、来年度から医療機関などに対し、マイナンバーカードの健康保険証としての利用に必要なシステムの導入を原則として義務づける方針を示しました。

また、医療機関などがシステムを導入する際の補助金の拡充や、患者の利用を促すため、診療報酬における加算措置の見直しも含めて検討するとしています。

さらに再来年度中には、健康保険組合などが健康保険証を発行するかどうか選択できるようにし、将来的には健康保険証の原則廃止を目指すとしています。

出席した委員からは「高齢の医師や薬剤師、小規模の医療機関などにとっては負担も大きく導入は困難だ」とか「患者にメリットを丁寧に説明すべきだ」といった指摘が出されたものの、方針はおおむね了承されました。

健康保険証 追加の医療費負担軽減へ

マイナンバーカードの健康保険証としての利用をめぐっては、ことし4月から、カードを読み取る専用の機械を導入した医療機関に対して診療報酬が加算して支払われていて、これに伴い、3割負担の患者には初診で最大21円の追加の医療費負担が生じており、見直しを求める声が出ています。

こうした中、厚生労働省は、8月10日に開かれた中医協=中央社会保険医療協議会の総会に、ことし10月から追加の医療費負担を軽減する案を提案し、了承されました。

マイナンバーカードの健康保険証に対応した医療機関を受診した場合の追加の医療費負担について、マイナンバーカードの健康保険証を利用した際は21円から6円に引き下げ、逆に、従来の健康保険証を利用した際は9円から12円に引き上げられます。