桜を見る会など 安倍元首相ら
改めて不起訴に 東京地検

「桜を見る会」の前日夜に開催された懇親会をめぐり、安倍元総理大臣側が費用の一部を負担したのは、公職選挙法に違反する疑いがあるなどとして、安倍氏らが告発され、不起訴になったことについて、東京地検特捜部は、検察審査会の議決を受けて再捜査した結果28日、改めて不起訴にしました。

「桜を見る会」の前日夜に開かれた懇親会をめぐっては、安倍元総理大臣側が費用の一部を負担したのは有権者への違法な寄付で、公職選挙法に違反する疑いがあるとして、安倍氏らが告発されましたが、東京地検特捜部は「懇親会の参加者に、寄付を受けたという認識があったと認めるだけの証拠は得られなかった」などとして不起訴にしました。

これについて東京の第1検察審査会は、ことし7月「一部の参加者の供述だけで寄付を受けた認識がないと判断したのは不十分で、納得がいかない」などと指摘し、安倍氏と元公設第1秘書について「不起訴は不当だ」と議決していました。

これを受けて特捜部は、改めて参加者から事情を聴くなど捜査を進めた結果、寄付の認識は認められなかったなどとして、28日に嫌疑不十分などで、安倍氏らを改めて不起訴にしました。

また、特捜部は、安倍氏が資金管理団体の収支報告書の記載をめぐって、政治資金規正法違反の疑いで告発され、団体の会計責任者とともに不起訴にしたことについても、検察審査会の議決を受けて再捜査していましたが、改めて不起訴にしました。

このほか、安倍氏らは去年、後援会の収支報告書を訂正した際に、うその金額を記載した疑いがあるとして、ことし8月、政治資金規正法違反の疑いで告発されていましたが、特捜部は嫌疑不十分で不起訴にしました。

安倍元首相「厳正な捜査の結果」

自民党の安倍元総理大臣は「厳正な捜査の結果、不起訴と決定されたものと受け止めている」というコメントを発表しました。

立民 泉代表「再調査が必要だと考えている」

立憲民主党の泉代表は東京都内で、記者団に対し「不起訴は一つの結論だが、不透明な点はまだまだある。立憲民主党としては再調査が必要だと考えているので、引き続き求めていきたい」と述べました。