甘くてシャキシャキ 杵築のスナップエンドウ
戸部眞輔
2023年05月08日 (月)
県内では、杵築市を中心に生産されているスナップエンドウ。さやごと食べられる手軽さと甘さが人気です。杵築市では平成14年から生産が始まり、生産量を増やしてきました。
旬の時期に生産者のもとを訪ねて、おいしい食べ方を教わってきました。
関西や福岡で人気!
シャキシャキして甘い、スナップエンドウ。
県内一の産地・杵築市では、年間およそ120トンを生産しています。
生産を始めて7年目の大村哲弥さんです。合わせて20aの農業用ハウスでスナップエンドウを栽培しています。杵築のスナップエンドウの魅力とは?
(大村哲弥さん)
「ハウス栽培が多い杵築では、実の太りもけっこう大きいので、おいしい豆ができていると思います。ことしは、非常にいい出来になっていると思います」
品質の高さが人気を集め、全体のおよそ9割を関西や福岡など県外に出荷しています。その人気の秘密は、収穫作業にありました。
スナップエンドウは傷がつきやすいため、ひとつひとつ丁寧に収穫していきます。期間中、多い年ではおよそ70万本収穫し、出荷に向けた作業を夫婦で手分けして行っています。
(大村哲弥さん)
「妻もけんしょう炎になったり、けっこう大変な目に遭わせていますけど、手をかければかけた分、いいものができるので、それを収穫した時はうれしいです」
燃料費高騰で、ハウスみかんからスナップエンドウへ
大村さんのこの農業用ハウス、かつては、みかんを栽培していました。杵築市では、昔からハウスみかんの生産がさかんで、県内一の生産量を誇ります。
しかし、燃料費高騰で収益が圧迫され、21年前から、寒さに強いスナップエンドウに切り替える農家が出てきました。
大村さんは6年前、自動車関連の仕事を辞めて、両親のみかん用のハウスを引き継ぎ、スナップエンドウ栽培を始めました。大村さんによりますと、栽培にかかる燃料費は、みかんと比べて6分の1以下で済むということです。
(大村哲弥さん)
「自分が生まれ育った近所にも空きハウスがあったので、そういうのを見ると寂しくなってしまう。スナップエンドウは冬場の作物ですが、あまり油を焚かない作物なので、誰か参入する人でもいたら、できるだけ紹介して、スナップエンドウなどで空きハウスをなくしていきたいなと思います」
生産農家のおすすめ!スナップエンドウの調理法
大村さんおすすめの食べ方がこちらです。
白だしあえと、ベーコン巻きです。
まず白だしあえの作り方です。
最初に塩ゆでします。ゆで時間は2分。それ以上ゆでると、しんなりしすぎてしまいます。それを焦げ目がつくくらいに炒めて、薄めた白だしにつけるだけです。
かつおぶしをかけると、さらにおいしくなります。スナップエンドウの甘さとだしのうまみが調和したおいしさが、口の中に広がります。
続いては、ベーコン巻きです。
塩ゆでしたスナップエンドウにベーコンを巻いて、塩こしょうで焼くだけです。こちらも簡単に調理できます。
まずベーコンとスナップエンドウのシャキシャキの食感から始まり、そこからスナップエンドウの甘さがやってくる、2段階でおいしい料理です。
(大村哲弥さん)
「スナップエンドウは、どんな料理を作っても合うと思うので、新たな料理を色々作ってもらって、楽しんでもらえたらいいかなと思います」