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障害に関係なくおしゃれを楽しむ~仲良し姉妹の大冒険~

日常的に医療的ケアが必要な人がいる家庭では、一緒に外に出かける機会が少ないといわれています。こうした人たちが一緒に楽しめる時間を持ってもらおうと、12月12日、大分市であるヘアメイクショーが開かれました。このショーに出演するのは、医療的ケアが必要な人と、その“きょうだい”です。こうしたショーが開かれたのは県内では初めて。出演したある仲良し姉妹に密着しました。 【おしゃれを楽しみたい!】 ヘアスタイルを整えられて笑顔の男性。この後向かうのは多くの人が待つステージです。ショーの主役は、人工呼吸器など日常的に医療的ケアが必要な人とそのきょうだいたちです。 ショーを企画したのは、重度の障害者などを受けいれる事業所で働く長野美幸さんです。自身も医療的ケア児の母親という長野さんは、普段働く中で、事業所の利用者がおしゃれについて複雑な思いを抱いていることを常に感じていたといいます。(長野美幸さん)「知らず知らずのうちにおしゃれって難しいことというか、しょうがないって諦めてしまっているお母さんたちが多い。でも、それって私は違うと思うんです。できないことって正直ないと思っていて。みんなが当たり前におしゃれを楽しめるっていうことをたくさんの人に知ってもらいたい」 【仲良し姉妹モデル 花ちゃんと日々ちゃん】このショーに参加する川﨑さん家族です。姉の花ちゃん(右)と妹の日々ちゃん(左)が出演します。 低体重で生まれた花ちゃん。生まれつき気管が狭く、入院中に窒息してしまいました。一命は取り留めたものの後遺症で脳性まひと知的障害があります。仲良しの日々ちゃんと一緒に出かけることがなかなか難しいといいます。それだけにショーの出演は、家族にとっても大きな意味がありました。  (母・川﨑桃花さん)「連れて行くならどちらか1人みたいな。両親が2人とも休みだったら家族そろって出かけるのは可能なんですけど、私だけだと2人連れて行くのは難しいから、ちょっと諦めようかなとか、花がデイサービスなどに預けてその間にちょっと下の子連れて行こうかなとか、そんな感じなので家族で参加できるのがすごくうれしいです」 花ちゃんと日々ちゃんはこの日を楽しみにしていたといいます。 (父・川﨑寛之さん)「花ちゃんは“花よりだんご”なので、花ちゃんは恥ずかしがるんじゃないかと思うんですけど、日々ちゃんは『アイドルになりたい』とか言うので喜ぶと思います」 モデルたちのヘアメイクを担当する美容師は普段から障害のある人に接する機会が多い人たちです。鏡の前に座った日々ちゃん。かわいくなっていく自分に大喜びです。 一方の花ちゃんは泣いてしまいました。心細さとうまく気持ちが伝わらず、もどかしさもあったのでしょうか? 心配した父親の寛之さんが励まします。 日々ちゃんもお姉ちゃんの横に寄り添い、お揃いのヘアメイクが完成しました。 【どきどきの本番】 多くの人が見守る中、ショーがスタート。  モデルたちが次々とステージに登場します。 (最後まで弟と手をつないで堂々と歩き切りました) (お父さんもとってもうれしそう)大好きなおしゃれをしたモデルたちの姿に会場は笑顔に包まれました。花ちゃんと日々ちゃんの出番はショーの1番最後。舞台袖でどきどきしながら出番を待っていました。長野さんに付き添われて車いすで登場する予定だった花ちゃん。出番が近づくにつれ、花ちゃんの様子に変化が……。  車いすから降り、立ち上がったのです。(長野美幸さん)「なんか『違う違う、いやだな』という感じだったんです。ほかの子が歩いているのを見て、立って足踏み始めて『花ちゃんもしかして歩きたいの?』って言ったら、『はーい』って手を上げて」 自分の足でステージを踏みしめたい。 その姿に桃花さんと寛之さんも手を振って応援します。 日々ちゃんが待つステージ中央までたどり着いた花ちゃん。この日一番の笑顔を見せていました。ステージで一緒に並ぶ2人の姿に両親も感無量の様子でした。  (母・川﨑桃花さん)「感動しました。まさか花が歩くとは思わなくて、ね。頑張ったね。日々ちゃんもかっこよかったよ。花と日々はなんだってできるねって思いました」(父・川﨑寛之さん)「よく歩いたな。よく頑張りました。かわいかったです」会場が笑顔で包まれた穏やかな時間。ちょっと早いクリスマスプレゼントとなりました。

執筆者 川又優キャスター
2023年12月22日 (金)

やみつき自転車旅 道の駅鯛生金山編

和田弥月です。やみつき自転車旅。大分県と熊本県の県境を巡るシリーズ。2回目の今回は、前回のゴール地点・蜂の巣湖から西へと進み、「道の駅鯛生金山(たいおきんざん)」を目指します。   ◆あの ❝カメルーン坂❞ 発見!!日田市中津江村に入ったところで目にしたのがこちらの坂!中津江村といえば、2002年開催のサッカー日韓ワールドカップの際、カメルーン代表のキャンプ地となったことで一躍有名になりました。それを記念して名付けられたカメルーン坂が、私の前にそびえたっています。かなり急で、長い坂だとウワサで聞いていたので、覚悟を決めて登ってみることにしました!  ◆いざ挑戦!! なかなかゴールが見えません。およそ10分間ひたすら登りつづけました!  やっとの思いでゴールインです! ◆カメルーン愛にあふれたキャンプ地へ     長い坂を上った先には、当時キャンプ地として使われていた「鯛生スポーツセンター」がありました。 出迎えてくださったのは、20年前のキャンプ開催当時からこの施設の運営に携わってきた津江みちさんです。センターのロビーには、カメルーン代表の選手たちの等身大写真パネルやサイン、応援グッズなどおよそ50点展示されていました。  津江さんに、カメルーンの選手たちは中津江村にとってどんな存在なのかを伺いました。 津江さん)「離れていてもいつも応援している、家族のような存在です」。 去年のワールドカップ、カタール大会でもカメルーンの試合を見て声援を送った中津江村の人たち。交流は20年経った今も続いています。 津江さん)「村のひとたちに当時の盛り上がりを思い出してもらって、村全体を活気づけるようなことがしたいです」 カメルーンと中津江村の結びつきの深さを知ることができました。   ◆いよいよ、道の駅鯛生金山へ    津江さんに見送られて出発!山道を走ること20分、いよいよ道の駅鯛生金山に到着です!    到着を待ってくださっていたのは「道の駅鯛生金山」の時松嘉彦さんです。  ◆まずはご褒美!ゆずはちみつソフト         まずは頑張って坂を上ったご褒美にスイーツをいただきました! 中津江村特産のゆずを使ったゆずはちみつソフトです!。ゆずの酸味とはちみつの甘さがよく合っていてとてもさっぱりした味わいでした!  ◆「金」推しの道の駅   「道の駅鯛生金山」は、国道442号線沿いにあり、金箔を使ったお菓子や金運アップグッズなど、金にまつわるグッズも多く置かれています。というのもここ鯛生金山は、かつて東洋一の金の採掘量を誇っていたそう。 昭和12年には、年間採掘量が佐渡金山を上回る2.3トンに達したこともあったそうです。  ◆旅の締めは、、砂金採り体験!  そして、道の駅イチオシが、砂の中からきらりと光る金を見つける、砂金採り体験です。私も実際に体験させてもらいました。 お皿で砂をすくって、水平に持ったまま回転させていきます。金は砂に比べて重いという性質を利用して、金と砂を選別していきます。          探し続けること10分、、なんと、金を見つけることができました!!この丸で囲んだところにあるキラリと光るもの、わかりますでしょうか?時松さんからは、「30分かけても見つけられない人もいるのに、10分で見つかるなんてラッキーですね!」とのお言葉を頂きました。旅の最後に最高のご褒美です! きれいな景色や美しい自然を楽しみ、2つの道の駅の魅力もたっぷり知ることができた旅でした。

執筆者 和田弥月アナウンサー
2023年12月10日 (日)

やみつき自転車旅 道の駅せせらぎ郷かみつえ編

アナウンサーの和田弥月です。やみつき自転車旅。今回は、大分県と熊本県の県境を旅した時の様子を2回シリーズでお届けします!大分県日田市に位置する「道の駅せせらぎ郷かみつえ」を出発し、「道の駅鯛生金山」を目指しました。 旅をしたのは新緑の季節でしたが、年間を通じて楽しめるグルメやアクティビティもたくさんありますよ♪◆スタートは「道の駅せせらぎ郷かみつえ」 日田市を流れる川原のほとりにある、道の駅せせらぎ郷かみつえ。その名の通り、川のせせらぎが聞こえてとてもリラックスできます。 案内してくれたのは、駅長の高畑龍之介さん。 直売所には、季節ごとの旬の野菜や食材のほか、水のきれいなところでしか育たない葉ワサビも並んでいました! ◆奥日田の特産 ジビエが大人気 この道の駅で一番人気の商品がこちら。 奥日田の特産品である猪の肉、ジビエを加工したみそ「ヂビミソ」です。 アツアツのごはんに載せて、さっそくいただきました!臭みが全くなく、和食にも洋食にも合いそうなおいしさでした。 高畑さん)野菜につけたり、パスタのソースとして使ったりと、いろいろな食べ方で楽しめますよ! ◆イチオシ! わさびソフト 高畑さん)特産の葉ワサビを使ったわさびソフトです。◆そしてもう一つの人気が「わさびソフト」です。色が緑がかっていますよね・・・。 勇気を出してなめてみると、わさび特有の鼻に来るツーンという辛みは全くなくて、後味にふわっとさわやかなわさびの風味が・・・。辛いのが苦手な私でも楽しめました。 ◆いざわさび畑へ! 道の駅の近くにわさびを生産している畑があるとのことで、高畑さんに紹介してもらって出発です。道中は川沿いを走りました。風が涼しくて気持ちが良かったです。 ◆わさび畑で涙!? 自転車を止めて山道を歩くこと15分。ようやくわさび畑に到着です!水の上に葉っぱが浮いており、かわいらしい白い花も咲いていました。 生産者の川村勝美さんが案内してくださいました。 川村さん)山奥まで来てもらったのはね、わさびは暑いところでは育たないからなんだよ。水につけて涼しい場所で育てているんだよ。一口食べてみて。 ということで、とれたてのわさびをいただきました! ソフトクリームが辛くなかったので思い切ってガブッ!とかじったところ、鼻の奥までツ~ン!!!涙が出ました。でも、とれたてわさびを味わうことができて、貴重な機会になりました。 ◆美しい景色を満喫! 川村さんにお礼を言って、再び自転車へ。青い空がどこまでも広がっていました! ◆熊本県側まで見渡せる絶景スポット           しばらく進むと、下筌(しもうけ)ダムと書かれている看板を発見!気になったのでちょっと寄り道。きれいな湖が広がっていました。蜂の巣湖です。湖沿いにも自転車にぴったりの道が整備されていました。 透き通ったきれいな水面、山の深い緑のコラボレーションは、まさに絶景!  この画像の奥は熊本県だそうです。 きれいな景色で今回の旅を締めくくりました。 次回は、蜂の巣湖を出発し、道の駅鯛生金山を目指します!グルメにアクテビティに盛りだくさんの旅をお楽しみに!  

執筆者 和田弥月アナウンサー
2023年12月09日 (土)

旬ドキ 大分県産の牛乳を応援!

★牛乳は季節によって味が変わる? ぶんドキキャスターの西垣です。季節によって牛乳の味が変わると聞き、竹田市久住町の農場を訪ねました。出迎えて下さったのは志賀拓馬さん。志賀さんは大学で畜産について学び、北海道で研修を受けた後、酪農業を継いで7年が経ちました。 志賀さん)夏場は、牛は水をたくさん飲むので、その分、牛乳はすっきりとした味わいになります。一方、冬は、牛にとって過ごしやすい時期になりますので、濃くおいしい牛乳に変化します。 季節によって、牛の過ごし方の違うため、生乳に含まれる乳脂肪の量も変わり、味に変化がでると考えられているそうです。 ★乳しぼりに挑戦!志賀さんの牧場では牛の首につけたタグで健康状態を把握しています。暑さに弱い牛にとって冬は過ごしやすくなる季節です。そこでこの時期はよく食べ、よく動き、よく眠る、という生活をおくっていることがデータからも分かるんだそうです。 そんな影響もあって、この時期はさく乳の量も増えます。牛のさく乳は1日に2回、普段は主に機械で行いますが、今回は私も体験させてもらいました。思ったより絞る際に力が必要なことにびっくり。コツをつかむまでに苦労しました。 志賀さん)全部で100頭分、毎日やっています!品質を確認するうえで重要な工程です。 ★手間がかかる牛乳づくり 一般的に、乳牛からお乳がとれるようになるまでは3年程かかります。出荷する牛乳の量を増やしたり減らしたりするのは簡単なことではありません。さらに近年は、飼料費や燃料費が高騰して、飼育環境の厳しさが増しています。 なんとかしようと、志賀さんは飼料の1つのトウモロコシを隣の畑で栽培し、少しでも自力調達ができるように努めています。しかし牛乳の需要はなかなか増えず・・・。 ★牛乳をもっとおいしく飲もう!そこで・・・志賀さんに牛乳にひと手間加えておいしく飲む方法を教えて頂きました。 志賀さん)かぼすのラッシー風ドリンクをつくります! 準備するものは、牛乳とはちみつ、それにかぼす果汁です。かぼすを加えるところが大分らしいですね! 作り方は簡単!全てをシェイカーにいれて振るだけ。 飲んだ瞬間、かぼすの爽やかな香りがしました。牛乳のまろやかなコクとはちみつの甘味、それにカボスの酸味が合わさってとってもおいしいです! 志賀さん)酪農家をとりまく環境は、いまかなり苦しい状況にあります。こうした状況でも、牛乳のおいしさを伝え、消費を拡大していけたらと思います。

執筆者 西垣光キャスター
2023年12月08日 (金)

やみつき自転車旅 メイプル耶馬サイクリングロード④(最終回) ~道の駅 なかつ編~

アナウンサーの和田弥月です。メイプル耶馬サイクリングロードの旅もいよいよ最終回!今回は「道の駅 なかつ」の魅力を中心にお届けします。 秋の行楽シーズン、お出かけの参考になりましたら嬉しいです。 ◆重厚な「厚ケ瀬トンネル」からスタート! 大正2年に作られ、国の登録有形文化財に指定されています。いくつもトンネルが続くここをかつては電車が走っていたんですね。 まだ暑い季節でしたので、トンネルの中はひんやりとして気持ちが良かったです!道の駅 やまくにからずっと走ってきましたが、自然がいっぱいの楽しいサイクリングでした! ◆道の駅なかつに到着   出迎えて下さったのは、駅長の柳田いずみさんです!◆名物「黒田官兵衛ソフト」をいただく 早速、自転車コーナー恒例の、ご当地ソフトを紹介してもらいました! 中津城を築城した黒田官兵衛にちなんで作られたそうです。いったいどんな味なんでしょうか。 柳田さん)「黒のペーストは黒田丸を使ったペーストです。赤いところが黒田官兵衛の兜です。黒いところは鎧です」。 見た目も楽しく、和菓子のような上品な味わい!クリームの甘さに黒田豆のコクがよく合っていて、とっても美味しかったです! ◆直売所も魅力たっぷり ずらりと並ぶ野菜や果物。この日も朝早くから出荷のために生産者が訪れていました。 ◆高校生とともに地域課題を解決! 駅長さんに店内を案内してもらっていると、、、気になるものを見つけました。 パッケージには「大分産トマトから作られたフードロスを削減するラーメン」と書いてあります。詳しく教えてもらいました。 「中津東高校のマーケティング科の生徒とコラボして作ったラーメンです。大分県産のトマトの中でも、規格外で出荷が難しくなったものを使っているので、フードロス削減につながっているんです」。 高校生と一緒に地域の問題を解決する取り組み、ステキですよね! ◆道の駅名物!はも釜めし 隣接するレストランでは中津の食材を使ったランチを楽しむことができます。その中でも特に人気なのが、中津名物の「はも」を使ったはも釜めしです! ふたを開けると、思った以上にはもで埋め尽くされていて、ご飯が見えないくらいたっぷり。 口に入れた瞬間にふわっふわで、口いっぱいにおいしさが広がりました。 ◆最高の旅の締めくくり テラス席からのはご覧の景色!地域の魅力がたっぷり詰まった道の駅なかつを楽しみ尽くしました。

執筆者 和田弥月アナウンサー
2023年11月01日 (水)

やみつき自転車旅 メイプル耶馬サイクリングロード③ ~道の駅 耶馬トピア編~

秋には紅葉も楽しめる“メイプル耶馬サイクリングロード”の魅力をシリーズでお伝えしています!行楽シーズン、お出かけの参考になりましたら♪ 第3回となる今回は、道の駅 耶馬トピアを味わい尽くし、耶馬渓が誇る絶景も楽しんできました。 ◆美しい緑ときれいな川に囲まれた、道の駅 耶馬トピア 駅のおススメは、なんといっても本耶馬渓の自然の中で育てられたそば!打ちたてを味わえるだけでなく、そば粉を使ったスイーツやドリンクも楽しむことができる、まさにそば尽くしの道の駅です。 駅長の髙橋和美さんに、特に人気の商品を教えてもらいました。それがこちら! そば粉がはいった「そばコーヒー」と、そばのまんじゅうです。髙橋さんによると、中身がちょっと変わってるとのことで・・・ なんと、あんこではなく高菜が入っています!たべると皮の部分はふわふわでそばの香りがし、ピリ辛の高菜がアクセントになっていてとってもおいしいです。なぜ高菜を入れることにしたのか、髙橋さんに聞いてみると・・・ 髙橋さん)「大きいまんじゅうをつくってしまったので、自家製の高菜が人気があるので入れてみようと」。という、なんともおおらかなお返事!いくつでも食べられるようなおいしさで、人気メニューだというのも納得です。ちなみに、あんこいりのまんじゅうも売っていますよ!◆続いて、そばコーヒーをいただく ストローを入れた瞬間にそばのいい香り!その後、コーヒーの苦みも味わえて、いいとこどりのおいしさでした。 髙橋さん)「そばを殻ごと炒って、粗く砕いたものをコーヒーとあわせています」。 ◆親子でサイクリングを楽しむ人たちの姿も! 「家族では月1回くらい、夫婦では1週間に1回。健康のために走っています」。「秋は紅葉、春は新緑、四季折々楽しめるのがいいところ。特に線路の跡、川を渡る橋を走るときがすごく気持ちいいです」。 ◆サイクリングを楽しむご家族に元気をもらって、出発!髙橋さんに見送っていただきました ◆有名な景勝地「青の洞門」に向かって走ります ◆いよいよ青の洞門に入りまーす! ◆かつて交通の難所として知られ、鎖を伝って命がけで渡るような場所だったそう ◆道路から下に降りられるようになっていて、明かり採りのための窓など、当時の面影が残っている場所も ◆青の洞門を抜けた先には、「耶馬渓三名橋」の一つ、耶馬渓橋が 建てられたのは100年前。近代までに作られた石橋では日本最長の長さを誇り、国の重要文化財に指定されています。 (※橋は2023年7月の豪雨災害で一部の欄干が流されるなどの被害が出たため、この記事を書いている10月末現在で通行止めとなっています。一日も早い復旧をお祈りしています)。   ◆橋を渡り切るとかわいい蛙の像が! むかえる、さかえる、ぶじかえると書いてありました。「この親子かえるは橋を渡る人々の安全と郷土の繁栄を願っております」とのこと。なんだか温かい気持ちになりました。 ◆今回の旅はここまで。次はいよいよ最終回、道の駅なかつを目指します。次回もお楽しみに!

執筆者 和田弥月アナウンサー
2023年10月31日 (火)

やみつき自転車旅 メイプル耶馬サイクリングロード② ~道の駅 耶馬トピアを目指して~

アナウンサーの和田弥月です。 秋の行楽シーズンに合わせて、ぶんドキの「やみつき自転車旅」のコーナーで過去に放送した中から、中津市の「メイプル耶馬サイクリングロード」をシリーズでご紹介しています。 第2回は、耶馬渓ダムを出発して道の駅 耶馬トピアまでの旅の様子をお届け。一押しスイーツもいただきました!   ◆今回のスタート地点は耶馬渓ダム 水も空もキラキラしていて、私は小さい頃にいとこと一緒にこの近くのプールで遊んだことを思い出しました。◆面白い橋を発見! 第二山国川橋です。平成24年の豪雨で橋の一部が壊れてしまいましたが、2年間の復旧作業を経て復活しました。 サイクリングロードの中でも特に人気スポットなんです。なぜかと言うと・・・ こんな感じで、橋が川の中をカーブしているところを走ることができるんです!「鉄道の線路跡を走っているんだな」という気がすごくする橋です。わざわざこの橋の様子を撮影に来る鉄道ファンもいるんだそう。 ◆橋の次は、木のトンネル 鳥の鳴き声と綺麗な緑、こんなに気持ちのいいサイクリングロードはそうそうありません! ◆ホーム跡で休憩もできます このスペースはかつての平田駅があった場所で、今は休憩スペースとして利用されています。大正3年に作られた石造りのプラットホームが今も残されていて、国の登録有形文化財に指定されています。 私がひと休みしているこの場所で、100年以上前に汽車を待っていた人がきっといたんですよね。 ◆休憩を終え出発したら、絶景が待っていた 見てください!この景色!見渡す限り田んぼで、遮るものが何もない中を風を切って走りました。 ◆耶馬渓といえば、そば! 旅をした日はちょうど満開で、可憐な花がたくさん咲いていました! ◆道の駅 耶馬トピアに到着!  施設内には駐輪場もあり、サイクリングの休憩にも利用することができます。 ◆道の駅の名物は、そばのソフトクリーム! その名も「そばん子ソフト」。バニラソフトの上にそば粉がたっぷりかかっています。 そば粉の香ばしくて深みのある味わいのあとに、バニラのさっぱりした味がやってきます。見た目には「粉っぽいかな?」と思ったのですが、ソフトクリームと一緒だとそんなことは全く感じませんでした。焙煎したそばの実を殻ごとひいているため、香ばしくてとてもおいしかったです! ◆次回は耶馬渓が誇るあの絶景を楽しむ旅の様子をお届けします。お楽しみに!

執筆者 和田弥月アナウンサー
2023年10月30日 (月)

やみつき自転車旅 メイプル耶馬サイクリングロード① ~道の駅やまくに編~

アナウンサーの和田弥月です。夕方ニュース「ぶんドキ」で、県内の道の駅を自転車で巡り、その魅力を伝える「やみつき自転車旅」というコーナーを担当しています。こちらは自転車運転中の私の様子をハンドルに付けたカメラで撮影したもの。旅の途中で多くの方と出会えることを、毎回とても楽しみにしています。 さて、今回は秋の行楽シーズンに合わせて、過去に放送したコースの中から、中津市の「メイプル耶馬サイクリングロード」をご紹介します。中津市内を走る全長36キロのコースで、1982年(昭和57年)に整備されました。耶馬溪鉄道の廃線跡を利用して作られていることから比較的勾配が緩やかなことが特徴で、初心者でも走りやすいサイクリングロードとなっています。 耶馬渓の美しい渓谷や田園風景が楽しめ、年間を通じてたくさんのサイクリストで賑わいます。特に紅葉の時期は、こちらのような紅葉のトンネルになるところも!コースが長いので、このWEB記事でも何回かに分けてご紹介します。初回は「道の駅やまくに編」です(以下の画像は今年5月撮影)。 ◆自然豊かな源流の町、中津市山国町。夏は山国川の支流にホタルが群生します。 ◆美しい緑に囲まれたこちらが「道の駅やまくに」。山小屋風の建物にわくわく! ◆案内してくれたのは、道の駅やまくにの副支配人・坂口玉江さん。   ◆駅の魅力は、なんといっても新鮮な野菜!朝早くから地元の皆さんが運んできます。  この日も多くのお客さんが訪れていました。 道の駅を訪れたお客さんにお話を伺うと、、、 「玉ねぎとニンニクを買いました。玉ねぎは日持ちがいいからね。いっぱいあってもいいなと思って」。 「1か月に1回くらい来ます。お野菜が町より安くて助かります」。 ◆私が特に気になったのが、こちらの黒ニンニク! 実は黒ニンニクというものの存在を、今回初めて知りました・・・坂口さんに食べ方などを伺いました。 坂口さん)「この薄皮を向いて食べます。外から見ると白っぽいでしょ。でも中は黒いんですよ」。   食べてみると、ちょっと甘酸っぱい味わいが。ニンニクの独特の風味はまったくしないのでびっくりしました! ☆黒ニンニクは、高い温度と湿度を保った状態で3~4週間熟成させることでこのように黒くなります。そしてうまみがぎゅっと詰まった黒ニンニクになるんです。☆冷やして食べるとさらに甘くなるんだそう!坂口さんも毎日食べているそうです。   ◆もう1品、坂口さんのイチオシをおしえてもらいました。それがこちら! 黒糖豆乳です。地元の大豆を原料に、やまくにの温泉水を使って作られています。 坂口さん)「すごく飲みやすくてね、1本すーっと飲めちゃいます。黒糖が入ってるんですけど甘くなくて」。 味わってみると、最初にお豆腐の風味がして、黒糖の甘さがあとから追いかけてきました。甘いお豆腐を飲んでいるようで、とってもおいしかったです。   ◆エネルギーをチャージしたら、いよいよ旅に出発! サイクリングロードは山国川沿いが中心。   ◆途中にあるサイクリングターミナルで自転車を借りることもできます。 いろいろな種類の自転車がそろっていて、子どもから大人まで楽しめそうです。 ◆自然豊かなコースが気持ちいい! 頭の上には緑、すぐ隣は川。自然を体いっぱいに感じながら走ることができました。鉄道の廃線跡だけあって、勾配も穏やかで走りやすかったです。 ◆「道の駅やまくに編」はここまで。次回は「道の駅耶馬トピア」を目指す旅の様子をお届けします♪   

執筆者 和田弥月アナウンサー
2023年10月27日 (金)

トリニータ前監督・片野坂知宏さんが斬る!~第40節秋田戦 勝利のカギは?~

アナウンサーの西岡遼です。サッカーJ2リーグのシーズンは最終盤。残すところ3試合となりました(vs 秋田、金沢、群馬)。 この記事を書いている第39節終了時点で、トリニータは11位。J1昇格プレーオフ圏内である6位長崎との勝ち点差は4。 大変厳しい状況ですが、まだ昇格の可能性は残されています! NHK大分では、第40節秋田戦を生中継!(10月29日(日)午後1時~ 総合・大分県域) 大事な試合に向け、秋田戦での解説もお願いしているトリニータ前監督の片野坂知宏さんに、勝利のポイントやカギとなる選手について伺いました! (片野坂知宏さん) 鹿児島市出身の52歳。現役時代は広島や柏などで左サイドバックとして活躍し、2003年にトリニータで現役を引退。2016年にトリニータの監督に就任し、1年でJ3からJ2に復帰させる。さらに2018年にはJ2で2位に入り、チームとして6年ぶりとなるJ1復帰へ導き、J2優秀監督賞受賞。監督として自身初挑戦となった2019年のJ1では、予算規模が小さいなかで9位に押し上げ、J1優秀監督賞を受賞した。2021年に退任となったものの、指揮官として最後の試合となった天皇杯ではクラブ初の準優勝に輝いた。現在は解説者として活躍中。  カタさんが見る 最近のチーム状況 トリニータのシーズン前半(第1節~第21節)と後半(第22節~第39節)を比較しました。 シーズン前半折り返しまで2位だったものの、そこから勝ち点を積み上げられず今の順位にいます。 片野坂さん「シーズン中盤から主力選手のけがが相次いで、序盤の勢いを維持するのが難しくなった。フォーメーションの変更などで修正を図ってきたものの、ピッチ内の選手間で意思疎通がうまくいっていなかったように感じる」。 と分析。 「ただまだ昇格の可能性は残っている。見ている限り選手たちは、残り全試合の勝利に向けて準備していますね」とチームの練習を見ながら話してくれました。   ブラウブリッツ秋田 「走り勝つ」チームスタイル 対戦相手、ブラウブリッツ秋田とはどんなチームなのでしょうか。 現在13位。得点はJ2最少の33で、得点のおよそ半分がセットプレーから生まれています。 失点はJ2で5番目に少ない41です。 秋田の要注意なところは?という質問に、片野坂さんは ▼試合終了まで落ちない運動量  ▼前線からの激しいプレス  ▼奪ったらすぐに前へ放り込むロングボール の3つを挙げました。 片野坂さん「就任4年目の吉田謙監督が志向するサッカーはシンプルで強力。球際に強くいくこと、最後まで走りきること、サッカーの本質の部分で強い。簡単に勝てる相手ではない」。   秋田戦 勝利のポイントは?(攻撃編) では、どうしたら勝てるか?攻撃では ▼先取点をとること  ▼複数点をとること  ▼必ずしもきれいに崩すことにこだわらないこと をポイントにあげました。 そして、カギを握る選手には ◆左ウイングのFW18・藤本一輝選手 ◆中央の攻撃的なポジションFW11・渡邉新太選手をピックアップ! 片野坂さん「藤本選手のドリブルで相手を1枚2枚はがしてチャンスメイクをし、好調な渡邉新太選手を中心に得点に絡むシーンを増やしてほしい」。 と期待を込めます。さらに、 「攻撃の形ももちろん大事だが、このシーズン終盤でより大事なのが『泥臭く得点をもぎとる』こと。きれいに崩し切ることにこだわらず、どんな形であれリスクを恐れず複数得点を狙っていってほしい」とのことです。  秋田戦 勝利のポイントは?(守備編) 次に守備です。相手のストロングポイントである ▼ロングボール・セカンドボール ▼セットプレー・ロングスロー これらへの対応が焦点になると片野坂さん。 カギになるのは、ブラジル人センターバックの◆DF3・デルラン選手 ◆DF・31ペレイラ選手だと言います。 片野坂さん「秋田はFWの選手にどんどんロングボールを入れて、こぼれたボールを高確率で回収して攻撃をつなげてくる。対抗するためにはしっかりとロングボールで競り勝つことが大事。また、セットプレーが秋田の強みでロングスローもどんどん入れてくる。デルラン・ペレイラのセンターバックの高さと強さでボールを跳ね返してもらいたい」と期待していました。 そのうえで片野坂さんは、「無失点で勝利することがとても重要」と指摘します。 「無失点で試合を終えられると、次の試合に向けてメンタル面で大きく上向きになる」とのこと。 秋田戦含めた残りの3試合を勝ち切るためにも、まずは秋田戦を無失点におさえて波に乗りたいですね!    スコア予想は、ズバリ! 「2-0でトリニータの勝利!」 片野坂さん「複数点をとり、無失点で試合を終わらせ、次につながる気持ちよい勝ち方を期待したいです」。   【3連勝でJ1昇格へ望みをつなぐために】 最後に、秋田戦・金沢戦・群馬戦を3連勝でJ1昇格に望みをつなぐためのポイントを教えてもらいました。 「交代選手を生かす」 「展開や時間帯によって、攻め続けるのか・守り抜くのかをピッチ内全体で意思共有をはかる」 「集中力を最後まで切らさない」 の3点。私たちも気持ちを切らさず応援しましょう!   【J2第40節 大分トリニータ vs ブラウブリッツ秋田】 放送:10月29日(日)午後1時~ NHK総合(大分県域) 解説:片野坂知宏さん (実況・西岡遼)ぜひご覧ください!

執筆者 西岡遼
2023年10月27日 (金)

親子で目指すパリパラリンピック        陸上・十川裕次選手

来年、フランス・パリで行われるパラリンピック。この大会に大分から出場を目指すのが陸上の十川裕次選手です。おととしの東京パラリンピックにも出場した十川選手、親子で2大会連続の出場を目指しています。その姿を追いました。 【大分から世界を狙う】5000mでパラ陸上のアジア記録を持つ十川裕次選手。豊富なスタミナが武器です。おととしの東京パラリンピックでは1500mの知的障害のクラスで、初出場ながら9位に入る健闘を見せました。その経験は大きな刺激になったようです。(十川裕次選手)「パラリンピックは知的障害の世界の選ばれた人が出る大会なので、走って経験したことで『絶対次はやってやるぞ』という気持ちになった」  【練習する息子を見守る父 実は・・・】練習に打ち込む十川選手を見守る男性。父親の崇さんです。実は崇さん、東京パラリンピックの直前から息子のコーチを務めています。寄り添いながら練習中も声をかけるなど、十川選手がリラックスできる環境作りを心掛けています。(十川崇さん)「やる気を出すような前向きな言葉をかけるようにしているが、頑張れと言うとシュン…とするから難しい」 【走ることが好き】 十川選手、3歳の時に知的障害と自閉症アスペルガー症候群と診断されました。幼い頃から走ることが得意だった十川選手。両親は健常者と区別せず育て中学校では野球部に入りました。  陸上競技を本格的に始めたのは高校から。駅伝の強豪、大分東明高校駅伝部に入部すると、2年生の時には全国高校駅伝や全国都道府県対抗男子駅伝に出場するなど頭角を現します。ただ、駅伝部は全員が寮生活でした。そのため当時は苦労があったようで。(十川裕次選手)「洗濯とか親元離れて自分でやらなきゃいけなかったので『部活を辞めたい』と親に電話してたんですけど、やっぱりここで辞めたら一生後悔するからとりあえず3年間頑張ろうという気持ちでやりました。あの経験が僕にとって財産です」その後、大学から声もかけられましたが、高校卒業後は市民ランナーとして走り続けます。そんな十川選手がパラ陸上に取り組み始めたのは5年ほど前からでした。ただ、始めるにあたって葛藤があったというのです。(十川選手)「パラ陸上をやるっていうことは自分の障害を受け入れることだったのでそういう意味では嫌だったけど、『もうひとつの陸上競技に挑戦してみてもいいかな』って」 【父と母のバックアップ】 2度目のパラリンピックに向け練習に励む十川選手ですが、高校で駅伝部に所属していたようにもともとは長距離が専門です。しかし、パラリンピックの知的障害では、最も長い距離で1500m。いわゆる「中距離」です。このため、長距離とは異なり、中距離に特化した練習に取り組まなければなりません。その練習メニューを組むのが父の崇さんです。 (コーチのパソコンを見せてもらいました) (練習メニューだけでなく移動時間も!) 崇さんのパソコンには、十川選手の練習メニューが入っています。その内容もとても具体的で、例えば走り込みに重点を置くのはいつ頃でどのくらいの距離をどれだけこなすかとか、筋力アップに重点を置くのはいつ頃で、その時はどこの筋力を鍛えるかなどなど、事細かく組み立てられているんです。その内容に、「さすがコーチ!」と思ったのですが、その根拠を聞くとこんな答えが返ってきました。 (十川崇さん)「有名選手の練習をブログに載っているのを見て取り入れたりしています」実は崇さん、陸上競技の経験がありません。有名選手のブログ以外にも、専門書を読み込んだり専門家から話を聞いたりして十川選手の練習メニューを組み立てているそうです。笑顔で話してくれましたが、ここに至るまでには試行錯誤が続いたと言います。(十川崇さん)「練習メニューの設定が大変ですよね。最初の頃はよく失敗していました。途中で走らなくなるとか「速すぎる!」「こんなの無理!」とかね。走れなくなっていましたね」 (私たちのやりとりを聞きながら少し恥ずかしそうに笑う十川選手 アスリートにとって、練習も大事ですが同じくらい大事なのが食事です。ここは食事は母親のケイ子さんがバックアップしています。(おいしそうですよね・・・このメニューも計算されているんです) ケイ子さん、栄養士からのアドバイスを受けながら、練習で筋肉が落ちないようにたんぱく質や炭水化物を多めにしているほか、食べる量や食べるタイミングにも細かく気を配っているそうなんです。  「母の味で一番好きなのは何か」、十川選手に聞いてみると。(十川選手)「お好み焼きです。いつもと違う食事をすると全然練習もできないし元気も出ない。すごくサポートしてくれているなと感じている」ちなみにこのお好み焼き、脂が抑えられた野菜たっぷりのものなのだそうです。この2年間、故障知らずだという十川選手。その背景には綿密に計算された父、崇さんの練習メニューと、母、ケイ子さんの食事のおかげもあるんです。 【課題の克服に向けて】 十川選手が出場を目指す陸上1500m。パリの切符を勝ち取るために、今、課題としているのが、“瞬発力の強化”です。この課題克服に向け、新たにバイクを使ったトレーニングメニューを取り入れています。その理由について、崇さんはこう話します。(十川崇さん)「長距離選手は一気にぐっと出すことをしない。できるだけ回転数を上げてパワーを高く出す中距離のための練習です」練習では最初に一気にトップスピードに上げ、そのあとはスピードを落とさないように負荷をかけた状態で40秒間、一定の回転数でこぎ続けます。このメニューを行っている十川選手の息づかいが荒くなってくるなど、横で見ていてもかなり厳しいものなんだなと感じました。そんな十川選手に崇さんが声をかけます。 「頑張れ!キープキープ!ラスト!あと5秒」 【親子で目指すパリ】どんな時も味方でいてくれる崇さんに、十川選手は全幅の信頼を置いています。(十川裕次選手)「父親であり、コーチであって人としても尊敬している。先を見ていってくれるので信じてやってきてここまである」 そのうえで、パリパラリンピックに向け、決意を語ってくれました。「まずパラリンピックで選ばれること。勝てるようにいろいろ経験してパリパラではメダルを取りたい」 東京に続く2大会連続のパラリンピック出場を目指して。親子一丸となった挑戦が続きます。

執筆者 川又 優キャスター
2023年10月18日 (水)

ぶどう名産地 "宇佐市安心院町"のシャインマスカット

種がなく皮ごと食べられて、爽やかな味の シャインマスカット‼ 6月ごろからハウスものの出荷が始まっていて、9月が露地ものの出荷の最盛期となっています。 大分放送局の早川愛キャスターが、旬のぶどうで賑わう街・宇佐市安心院町を訪ねました。   【旬のシャインマスカットを訪ねて】 まず訪ねたのは農産物直売所。 平日にも関わらず、ぶどう売り場には行列が…。 (お客さん) 「横浜の孫に送ってあげようと思って、シャインマスカットとぶどうの詰め合わせを買いに来ました」 (JAおおいた ふれあい市場 安心院店 岩男美智徳さん) 「ことしはぶどうの粒が大きいですし色合いもよいですから、また購入したいというお話もいただいています」    【生産現場へ・・・!】 農家の國年真悟さんです。 安心院でぶどう栽培を始めてことしで6年目。福岡県から移住してきました。 早川キャスター「この袋の中がシャインマスカットなんですよね?」 國年さん「見てみますか?」 早川キャスター「すごい!一粒一粒が大きくてずっしりしていますね!きらきらと輝いています!」 試食した早川キャスター 「パリッとした皮の中に、想像以上にみずみずしい果汁!口に入れた瞬間、ジュースを飲んでいるような感覚です!」   妻と2人でぶどうを育てている國年さん。家族みんながぶどうが好きだったため栽培を始めたそうです。 栽培にあたっての工夫は、土づくり。 堆肥を入れたり、落ち葉を入れたり、麦わらを入れたり…土を柔らかくして根っこが出やすいように工夫をしています。 毎日の丁寧な作業の積み重ねでおいしいぶどうが出来ていることを感じました。   【5年ぶりのワインまつり】 続いて、台風やコロナ禍による中止を経て、2023年に5年ぶりの開催となった「安心院フェア葡萄酒(ワイン)まつり」を訪ねました。 皆さん笑顔で楽しんでいて、久しぶりのワインまつりを待ち望んでいた様子でした。 会場には地元の高校生の姿も!県立安心院高校のみなさんです。 葡萄酒まつりとしては初めてのイベントを企画したそうです。 地元の高校生の視点で安心院の観光名所をバスで巡るおよそ2時間のツアー。 バスの中ではおいしいぶどうの見分け方など、ぶどうについての豆知識なども紹介されていました。  バスを降りて緑豊かな道を歩いていくと、、、 生徒たちがぜひ案内したかったという東椎屋(ひがししいや)の滝が見えてきました。 落差85メートル。日本の滝百選にも選ばれています。勢いよく流れ落ちる姿に、参加者も見入っていました。 (参加したお客さんは・・・) 「高校生が自主的にやっていて好感が持てます」 「生徒さんが上手に案内していてびっくりしました」    高校生による地元愛が詰まった観光ツアー。ほかにも「地獄極楽」という江戸時代後期に掘られた洞窟などにも案内したそうです。若い視点で地域を盛り上げようとする姿が印象的でした。 旬のぶどうで賑わう街、大分県宇佐市安心院町でした。

執筆者 早川愛
2023年09月29日 (金)

障害児の家族を支えたい

人工呼吸などの介護が必要な医療ケア児など、障害がある子どもたちを支える家族たち。実は意外と支援の手が行き届いていない面があります。こうした家族を支えたいと自らも医療ケア児の母親という女性たちが立ち上がりました。どんな支援を行っているのか密着しました。 野菜たっぷりのサンドイッチ。このサンドイッチ、ある家庭に届けられるものです。届ける先は、介護が必要な子どもがいる家庭です。この活動を行っているのが。安藤歩さんです。ことし6月から仲間たちとこの活動を始めました。(安藤歩さん)「ピンポン鳴らす前に出てきてくれて、待っていてくれるのがうれしい」 目が離せない在宅介護の日常安藤さん自身も医療的ケア児の母親です。 15歳の娘の那月さんです。3歳の時にかかった病気が原因で人工呼吸器をつけるようになりました。安藤さんは1~2時間おきに那月さんのたんの吸引を行うほか、脈拍にも注意を払っています。脈拍は那月さんの体調を見るための重要なバロメーターで、いつもと違うと専用の機器から呼び出し音が発せられます。那月さんの介護に加え、家族の家族の食事や家事もあるため、自分の睡眠時間の確保もままならないといいます。  そんな安藤さんが那月さんのそばを離れられる時間があります。それは支援学校の訪問授業です。 那月さんのもとを週2回、支援学校の教諭が訪れます。授業が行われる1時間半、安藤さんは那月さんのそばを離れます。  その間も学校からの資料に目を通すなど、自分のことは後回しになりがちです。(安藤歩さん)「自分の体が資本だから大事にしないといけないけど、なかなか自分のために作って食べる時間はめんどくさいのとすごく疲れているからやりたくない。簡単に済ませちゃう生活です」 同じ悩みを抱える母親や家族を助けたい! 5年前、医療的ケア児者の親子サークル「ここから」を立ち上げた安藤さん。サークルでの活動の中で、自分と同じ悩みを持つ母親が多くいることを知りました。中には食事もままならず、口の中が口内炎だらけだという声も…。こうした母親たちをサポートしたいと、サークルのメンバーとともに、ことし6月から宅配サービスを始めました。こちらがその仕組みです。 運営資金の一部はボランティア活動などを支援する金融機関の助成制度を活用しました。飲食業者から購入した食事や「フードバンク大分」からの提供されたジュースなどを障害者手帳を持つ子どもがいる家庭に届けるのです。 安藤さんは那月さんが利用するショートステイの時間を配達にあてています。活動は月2回、取材した日は大分市内の5世帯をまわりました。  配達を希望する家庭のもとへ こちらの女性のもとには、さきほどのサンドイッチをはじめ、ジュースなどを届けました。女性はこのサービスを何度も利用しているということで、食事の面で助けられたといいます。(利用者)「ごはんを作るにしてもこだわりが強くて、イヤイヤ期だから食べてくれない。(でも、宅配は)自分もおいしいし子どもも結構食べるんですよね。1つストレスが減りました」(安藤歩さん)「頑張っているからこそ、それを『いらない』ってされたときのショックというか」(利用者)「だからってスーパーとかコンビニのもののほうが食べたりするけど、それじゃ…」 配達を行うもう1つの目的。それは“つながり”です。介護ならではの悩みを共有したり、情報交換を行ったりします。介護中心の生活の中でどうしても外とのつながる機会が少なくなりがちな中、安藤さんたちが訪れることで気分転換が図られることも。 (利用者)「届けてもらえるのも助かるけど同じ障害児を育てているママで、同じ境遇の方と会話するだけで『自分だけじゃないんだ』、『頑張ろう』って思える」 こちらの女性も食事の面で助かっているといいます。(利用者)「うちはこのままでは難しいので切ってあげる。まずメニューを考えなくていいっていうところと買い物にしなくていいし、ちょっとした楽しみができるからそれが本当にうれしくて」こうした声を聞くことで、安藤さんもやりがいを感じています。(安藤歩さん)「自分たちが助かる部分でと考えているので、ほかの人たちにとってもよかったと思ってもらえるのはうれしい」 家族への支援、さらに広がって 医療的ケア児や障害がある子どもを支える家族がいる。安藤さんは子どもたちに加え、家族の現状にも目を向けてほしいと考えています。 (安藤歩さん)「こういうふうな現状があることを知ってもらう機会にもなるしそこでいろんな支援の手が広がっていくというのもそうだし、福祉のサービスが広がっていくとうれしいと思います」

執筆者 川又優キャスター
2023年09月22日 (金)

香り豊かな青ゆずの魅力 宇佐市院内町

宇佐市院内町で、9月、収穫の最盛期を迎えている「青ゆず」。 県内では、ゆずごしょうに使われることで有名ですが、実は、ひと工夫することですぐに料理にも使えるんです。 今回は、そんな青ゆずの魅力と、おすすめの食べ方をご紹介します。   豊作!院内の青ゆず ゆずを栽培している杉園康信さんです。ゆずを育てて21年。現在は、10アールの農園で、青と黄色、両方のゆずを育てています。 (杉園康信さん) 「去年は大不作でしたが、ことしは大豊作です。ことしは花芽の落ちが少なく、順調にいったんじゃないかと思います」 院内町では、昔からゆずの木が自生していたと言われるほど、栽培に適した土地でした。 (西垣キャスター) 「緑が濃くてきれいですね。青ゆずの特徴は何ですか?」 (杉園康信さん) 「一番は、皮を利用すること。ゆずは香りがいいので、いろいろな使い道があると思います」   皮をすりおろすと、さわやかな香り!青ゆずのおすすめの食べ方 杉園さんのご自宅にお邪魔しました。 青ゆずの香りを楽しむためには、おろし器で皮をすりおろすといいそうです。 皮をすりおろしていくと、いい香りがしてきました。 杉園さんは「青ゆずは皮が命」だと言います。 (西垣キャスター) 「ふわふわ!さわやかな香りです。強すぎない、すっぱい香りがしますが、長く続くアロマのような香りです」 皮をすりおろすことで、より豊かに感じる青ゆずの香り。   料理に使うのはとても簡単です。杉園さんのおすすめは、そうめんです。 「そうめんのつゆに、すりおろした青ゆずの皮をスプーン1杯ほど入れてください」 (西垣キャスター) 「おいしい!さわやかです!青ゆずの香りと風味が、きいています。夏場にそうめんをたくさん食べたという方も多いと思いますが、味を変えたい方にはぴったりですね」 他にも、豆腐や納豆、お吸い物にも、よく合います。 (杉園康信さん) 「今が旬です。院内町では青ゆずが盛んにできていますから、食卓で利用していただければいいと思います」 皮を削るだけで、いろいろな料理に合う青ゆず。期間限定の味ですので、見かけたらぜひお試しください!

執筆者 西垣光キャスター
2023年09月15日 (金)

コスパ最強の水害対策 「田んぼダム」って?

「田んぼダム」。 いま大分県はこのダムを県内各地に普及させようと躍起です。その名のとおり、「田んぼ」を「ダム」のようにしてしまおうという取り組みです。 ───でも、どうやって?───本当に効果あるの? 疑問はたくさん浮かびますが、実は、やろうと思えばすぐにできるし、本物のダムのような多額の建設費用は不要。さらに、普及が進めば本物のダムに匹敵する効果をもたらすという、まさに「コスパ最強の水害対策」なんです。 今回は動き出したばかりの「田んぼダム」を徹底解剖します!(取材:NHK大分放送局 記者・田淵慎輔) “一丸となって”8月下旬に開かれた会合。県内16の市と町の担当者など、50人余りが出席するなか、県の担当課長がある決意を述べました。 (大分県農村基盤整備課 安東正浩課長)「皆様がたもご承知のとおり、気候変動などの影響により自然災害が非常に頻発化、激甚化しております。県内における被害の未然防止や軽減に向けて、一丸となって『田んぼダム』の導入に取り組んでいきたい。」  安東課長が言及した「田んぼダム」。県は来年度から県内全域で本格的に導入を進めることにしているのです。では、そもそも「田んぼダム」とは何なのでしょう? (画像:田んぼダムのイメージ)大雨が降ると、山や川はもちろん、田んぼにも雨水が降り注ぎます。雨水は通常、排水路から川へと流れていきますが、この雨水を田んぼにためこむのが「田んぼダム」です。 田んぼをダムにする方法は簡単。排水口に専用の板を設置して水の流れをせき止めるだけです。川に流れ込む水を少量に抑えることができます。 通常の田んぼの排水と比較すると、排水される水の量が減っていることが一目瞭然です。これにより河川の水位の上昇を軽減し、浸水被害を防ごうというのです。 県は、6年前の九州北部豪雨や3年前の記録的な豪雨の被害をきっかけに2021年から実証実験を行い、今年度は県内11の地区のおよそ100ヘクタールの土地で検証を進めています。 県はなぜ、この田んぼダムに注目しているのでしょうか?  効果やメリットは?その最大のメリットは、「大規模な工事が必要ない」という点です。今ある田んぼの排水口に板などを設置するだけなので、手ごろな大きさの板さえあれば費用はほとんどかかりません。堤防の改修やダムの整備などに比べて、時間もお金も大幅に抑えられます。そして、その効果。田んぼだと思って侮るなかれ!これまでの県の実証実験では、大雨の際に流れ出る水の量を最大で20%余り抑える効果が確認されています。また、県の担当者によると、仮に県内すべての田んぼをこの「田んぼダム」にしたとして、水位にして10センチ分の雨水をためこんだ場合、その量は1級河川の「大分川」の上流にあるダム1基分に相当するそうなんです。 農家・農作物への影響はない? ただ、疑問も浮かびます。田んぼを雨水で満たしてしまって、生育中のイネは大丈夫なのでしょうか?県や農林水産省によりますと、例年、豪雨が襲う7月前後の時期のイネはすでに30センチ以上に成長し、多少水位が上がっても品質や収穫量に影響は出ないということです。また、雨が落ち着いて農作業を再開したい場合は、せき止め要の板を外せばすぐに水位を下げることができ、農家や農作物への影響も最小限度にとどめることができるとしています。 導入への課題は?では、導入に向けた課題は何なのか。県の担当者は「何よりも農家の人たちの理解を得ることが重要だ」としています。稲作を行っている田んぼを活用する以上、農家の善意による協力は不可欠です。この事業の必要性だけでなく、考えられるあらゆるリスクを農家の人たちに丁寧に説明して、納得してもらわなければいけません。このため県では、農家への説明用のパンフレットを新たに作り、配ることにしています。 また、どの地域で実施するか絞り込むことも大切です。広い面積で実施すればその分、多くの水をため込むことができますが、その効果がより高くなるのは川の上流にある田んぼです。県や自治体は今後、そうした地域を中心に、どの地域で導入するのが効果的か検討し、候補を絞り込むことにしています。そして、来年4月までに自治体ごとの面積の目標を盛り込んだ県全体の方針を策定するとしています。 おわりに低コストで高い効果が期待される「田んぼダム」。このところ毎年のように豪雨災害が起きるなか、予算は少なくても、知恵と工夫で災害による被害を減らすことができるすばらしい取り組みだと感じました。ただ、田んぼはコメ農家にとって生活の糧を得るための貴重な「財産」です。田んぼダムの普及にあたっては、そうした農家が十分に納得できる丁寧な説明が求められると思います。

執筆者 田淵 慎輔(記者)
2023年09月08日 (金)

【大相撲実況アナが元小結・松鳳山に挑戦!】

相撲に励む子どもたちを指導するために、別府市を訪れた元小結・松鳳山の松谷裕也さん。 今回、大相撲実況アナウンサーの私も、今後の仕事に活かすために、松谷さんに挑みました。 果たして、その結果は・・・。   勝負は仕切りから始まる 勝負師の鋭い眼光 まわしを締めて、しこを踏み、戦いの時に備えます。 実はこの稽古まわし、佐伯市出身の元関脇・嘉風の中村親方が現役時代に使っていたものです。 その貴重なまわしを今回、お借りしました。   勝負は仕切りから始まっていることを、今回強く実感しました。 まず私の目線で見てください。 松谷さんの顔、めちゃくちゃ怖いです。小心者の私は、これでだいぶ萎縮してしまいました・・・。とはいえ、勝負です。さあ、立ち合い。   太い腕に重い腰 元三役力士のすごみ 立ち合いに精いっぱい、当たりに行きましたが、岩のように重い体。 左四つに組み合いましたが、ただ組んでいるだけでも、圧力が強く、腰が「く」の字に。 さらに松谷さんの腕が太くて右の上手が届かない・・・。 作戦変更!右を巻き替えてもろ差しに。よし懐に入れた!あれ?びくともしない・・・。 これではダメだ。頭をつけよう。よし潜り込めた!と思った瞬間。体が裏返し。 上手投げで転がされてしましました。 決まり手は、私がけがをしないようにそっと投げてくれた「とても優しい上手投げ」でした。 当たり前ですが、「強い」。 大相撲の実況をするとは言えども、これまで実際に関取と組み合うことはありませんでした。 松谷さんに稽古をつけてもらい、あの腕の太さや足腰の強さを体感できて、非常にいい経験となりました。 土俵で相撲を取ったのは小学生のとき以来でしたが、とても楽しかったです。 情けない負け方でしたが、体ひとつで全力を出し切る。何とも言えない清々しさがありました。 これを機に、よりよい実況ができるように精進していきます!

執筆者 戸部眞輔アナウンサー
2023年09月06日 (水)

【元小結・松鳳山に挑む!女子中学生】

全国大会で優勝する選手もいるなど、女子の相撲も盛んな大分県。 今回、相撲に励む子どもたちにもっと強くなってもらおうと、別府市の道場に、特別講師として、宇佐産業科学高校出身で、大相撲の元小結・松鳳山の松谷裕也さんをお招きました。 今回は、松谷さんとの対戦を熱望していた女子中学生の夢が叶いました。   初の全国大会優勝を目指す 高いしこを踏む中学1年生 16人の小中学生が稽古に励む、別府実相寺相撲クラブです。 このうち、5人が女子選手です。 中学1年生の甲斐実里(かい・みのり)さんです。 甲斐さんは身体能力が高く、こんなに高いしこを踏むことができます。 しかし、誰もがここまで踏めるわけではありません。 優勝31回の横綱・千代の富士や、優勝22回の横綱・貴乃花も、高いしこを踏める力士でした。 高い柔軟性とバランス感覚がないと、高いしこは踏めません。 甲斐さんは、初めて出た相撲大会をきっかけに小学1年生から稽古を始め、去年、小学6年生の時には全国大会で準優勝しました。 相撲の魅力をこう感じています。 (甲斐実里さん) 「ものとか使わずに、自分の体で勝負するところが相撲のおもしろいところ。自分より体が大きい人に勝った時が楽しい」   基本的に体重別で争う女子の相撲ですが、線の細さが課題の甲斐さん。 まだ成し遂げたことのない全国大会での優勝に向けて、自分より大きな松谷さんと相撲を取ってみたいと考えています。 実は甲斐さん、こんなことがありました。 NHK大分が去年、宇佐市で開催した「教えて松鳳山」というイベント。子どもたちの質問に対して、松谷さんが実技を交えて答えるというものでした。 このイベントに参加した甲斐さんは、松谷さんに質問ではなく『私と相撲を取ってください』と申し出たのです。 (甲斐実里さん) 「元力士と相撲を取る機会はあまりないので、相撲を取って、思い出になったと思いました。自分より体が大きい人にどうしたら勝てるかを学びたいです」 そのとき対戦はできませんでしたが、今回、松谷さんへの挑戦が実現しました。   元小結・松鳳山に挑む中学1年生! きれいに掃き整えられた土俵に甲斐さんと松谷さんが入ります。 そして、立ち合い!踏み込んだ甲斐さんは左を深く差して、松谷さんの腰の右側に食いつきました。 左脚をうまく使いながら攻めますが、重い腰の松谷さんは動じません。 うまくまわしを切った松谷さんは、甲斐さんの背中に素早く回り込み、送りつり出しで土俵の外に甲斐さんを出しました。 めいっぱいの相撲を取った甲斐さんは、取組後、松谷さんから、大きな相手に勝つためのポイントを教わりました。 (松谷裕也さん) 「もっと密着して、相手に身動きをとらせないようにすること。こっちの脚で、相手の膝を刈りながら出ていく。そうすれば、もっと勝てると思う。当たりもよかったし、しこもきれいだし、このままがんばって!」 (甲斐実里さん) 「自分の良いところや改善点などを教えてもらったので、稽古して、全国で優勝できるようにしていきたいです」   今回、男子も含めて松谷さんから様々な指導を受けた子どもたち。いい表情をしていました。 (松谷裕也さん) 「相撲を取って、楽しいと思ってもらえれば、相撲は好きになると思うんで、それでなおかつ、試合で勝てるようになってくれば、もっと好きにもなると思う。稽古はきついですけど、その先に楽しいことが待っているので、そうやってもっと相撲を好きになってほしいですね」   子どもが稽古できる環境は、大分県内に6カ所(別府市、大分市、宇佐市、中津市、日田市、佐伯市)あります。 少子化の世の中ではありますが、男女問わず、相撲を楽しむ子どもたちが増えていくことを願っています!

執筆者 戸部眞輔アナウンサー
2023年09月06日 (水)