どうですか! 切り口から滴るこの水分!
化学肥料や農薬を使わずに作られているコネギ香り、味ともに絶品! ネギしゃぶなどにすると最高です!
どんなところでどんな方が作っているのか国東市の畑を訪ねました
このネギを作っているのは、森夏樹さんサラリーマンだった森さんは、6年前、子供が生まれたことを機に農業に取り組みはじめます
前職のサラリーマン時代は子どもと過ごす時間がまったくなくて子どもと一緒に仕事がしたくて農業がいいなとずっと思っていました本当に楽しくて子供と一緒に遊びながら仕事ができる。理想の状態ですね
鹿児島から移住し、国東にネギを栽培するハウスを構えます農薬も除草剤も使わないネギづくり畑ではニワトリが虫を食べ、雑草はヤギが食べてくれています自然の力をそのまま利用して育てるネギは、地域の人たちにも好評です
森さんのところのネギは、味ももちろんなんですけど、日持ちが全然違うんですね!あれば、やっぱり森さんのところのネギを買いたいなって思います
多くの人に食べてもらいたいと思う反面、家族経営の森さんは、おいしさを広めるまで手が回りませんでした
正直、農家っていいもの作ろうというのが本来の形だと思うし、作るので手いっぱいで時間もない誰かがインターネットとかそっちの苦手な部分をやってくれるのであれば、たぶんうまくいくかなと
そんな森さんに手を差し伸べた人がいます。それが…
若い力が、農家を“売り込む!”
立命館アジア太平洋大学4年の吉川龍さん交換した名刺には…
三雲:一次生産業専門デザイナーというのは?
吉川:農家さんとか漁師さんとか一次生産業をやっている方々のホームページや商品のポップを作って、宣伝をするお仕事をしています
吉川さんは1年生の時、新型コロナで販路が減少した生産者を助ける事業に参加そこで森さんと出会います
そのとき感じたのが森さんと自分の「役割分担」の必要性 結局作っただけでは売れないっていう内情があるので、何でネギがおいしいかとか他と何が違うかって差別化してお伝えして、やっと手にとっていただけるっていう流れなんで、そこをとにかく伝えるっていうのが僕の役割になっていますね
吉川さんは独学でwebデザインを学び農家の取り組みを伝えるホームページの作成に取り組みます
そこで伝えるのは、農家の作物にこめた思いや栽培方法へのこだわりいまではイチゴ農家や養鶏場のホームページやパッケージのデザインを担当顔と顔をつきわせるからこそわかる“農家の本音”をくみ取って細かい要望にこたえることで売り上げ向上につなげています
かいま見た厳しい現実から リアルで新しいデザインを生み出す
さらに吉川さんは、仮想空間だけでなく、リアルな世界のデザインにも挑戦していますきっかけは畑で見た現実でした
実際にこういうネギが、捨てられている光景を見たときに「え、捨てちゃった」みたいなものがきっかけだったんですけど
私たちが店頭で見ているコネギは、右のもの 全体のごく一部にすぎません
左側の、太いものや、葉分かれが多いものは基準にあわず、私たちの手に届くことはないんです
そこに吉川さんは新たなデザインの種を見つけました
この捨てる部分、食べられるんで商品にもともとなってない側をどうするかを考えようっていうので加工商品を作れないかなっていうので
それが、森さんの畑で採れたネギをふんだんに使ったネギ餃子!試作を重ねる現場に潜入!
例えば、色とか。皮の中透けて見えるくらいの緑色とか絶対この形でいきたい、、、!!妥協したくない
グッと揉むとたぶんいけるかなって気もするんですけどね
杵築市の餃子店の協力を得ながらの作業さて、お味のほうは?
吉川:ネギ感はこっちの方が断然ありますわ
森:あ、違う??
全く違います
ええ! そんな違わないかなと思ったけど、そんな違うんだ?
吉川さんと森さんの思いがひとつの形になりました
自分が理想とする野菜作りに“飽くなき取り組み”を重ねる農家
それを新たな視点で“目に見える形”にしていく若きデザイナー
森さんと吉川さんの間には年代を超えた信頼関係が生まれてきています
森:正直年齢が息子みたいな年齢じゃないですか。大学生がひょっと現れて、あーだこーだ言ってくるんですね。最初は何だこいつ!でも言っていることがまともすぎて気づかさせることが多かったので、本当楽しく一緒に仕事出来ている。農業の世界でもいままでやったことないことやってみたい
吉川:僕の意見を聞いてくれる方々あっての僕の活動なので、そういう大人の方々に協力していただきながら、話聞いていくなかで、ご自身も気づいてない魅力たくさんあると思うので掘り出しながら、そういう役割を担っていきたいなと思っています
このネギ餃子、これまで廃棄されてきたコネギの活用先として商品化を目指していくことにしています
さらに森さんはいま、農薬を使わないコメ作りに向けて新たな仲間たちと取り組みをはじめています
吉川さんのような、若い、新たな視点が大分の一次産業を、これからも盛り上げていってほしいと思います