いまを生きるために死を考える
西垣 光(いろどりOITAキャスター)
2023年01月23日 (月)
みなさんは「死」についてどれだけ考えていますか?
誰もが迎えることとはいえ
遠い将来のこと、と考えているかもしれません
いま大分市内で「デスカフェ」というイベントが開かれ
多くの人が関心をもって訪れています
どんな場所なのか取材してきました
どんな”最期”を迎えたいか考える場
この日のカフェに参加していたのは10人ほど
一人で参加する人や友人と参加する人などさまざまです
このカフェではゲームをしながら
和やかな雰囲気のなかで死について考え
よりよく生きる方策を探します
使うのはトランプのような「もしバナカード」
このカードには
「意識がはっきりしている」「大切な人とお別れする」
などの言葉がかかれています
自分の余命があと半年だと想定し
最期をどのように過ごしたいのか
自分の大切な価値観は何かをカードとともに考えます
ルールは
「自由に、思いのままに話すこと」
そして「それを否定しないこと」
ほかの人のいろいろな意見を聞いてさらに考えを深めていきます
こちらの男性が選んだのは…
「最終的に残ったのが、
”私の価値観や優先順位を知る”
”意思決定支援者がいる”
”意識がはっきりしている”
自分が何を望むのか家族と確認することで口論を避けられる」
”自分以外の人に自らの意思をちゃんと伝えていきたい”
という思いがあふれていました
大分でデスカフェが始まったのは2022年1月
口コミで人気が広がり
月1回だった開催がいまでは月2回になっています
主宰している木原寛さん
神奈川で貿易の仕事をしていましたが
高齢の両親と暮らすために大分に戻り
このカフェを開くようになりました
これまでは死は縁起が悪い、むやみやたらに話すもんじゃない
って避けられていた話題だと思うんですけど
死を見つめることによって
やり残したことはないか、いまをどう生きようっていうのを
考えるきっかけになればと思っております
実際に行動に移した人も
家族のことを思って行動にうつした人もいます
デスカフェに初めて参加したという小崎和子さん
最近自分の死について考えることが多くなったといいます
コロナ禍で終活アドバイザーの資格を取ってみたりして
死とは何だろうって考えたときに
聞いてみたいな、話してみたいなって思って参加しました
ご自宅にうかがって拝見したのが…
小崎さん)こちらになります
西垣)わ~ ご家族で
家族に声をかけ葬儀に使う遺影を撮影したそうなんです
次男が小学校に入学するタイミングで記念撮影しようというときに
いっしょに撮りました
小崎さんの写真を選んだのは次男の響君
その理由を聞いてみると
ママ、髪型が違う かわいい!
小崎さんは葬儀の準備で忙しい家族が写真選びに困らないよう
先に準備することにしたそうです
私が急に亡くなって夫が私の写真を選んだ時に
「あら、もう少しいい写真あったんじゃないかな?」と
もしそんな写真が選ばれたら残念な気持ちになりそうだったので
ちゃんと自分の目でさきにお気に入りの写真を決めておきたかった
というのがありますね
小崎さんにとって家族と死を考えることが
どのように生きていくのかを考えるきっかけになっているようです
取材しながら
私だったら何を重視するか考えてみました
私は「意識がはっきりしている」を選ぶかなと思います
いろいろな人にちゃんと挨拶をして
お別れしたいと思ったからです
みなさんはどんなことが大切だと考えますか?
デスカフェについては
まるっと終活大分支援協会のホームページをご覧ください