ハチミツでふるさと豊後大野を元気に!
三雲 紫恩(いろどりOITAキャスター)
2023年01月23日 (月)
みなさんの「ふるさと」ってどんなところですか?
誰しもがふるさとへの思いを抱いているはず
もし、そのふるさとがなくなる瀬戸際だとしたら…
今回は
過疎化が進み忘れられようとしているふるさとを
自らの手でよみがえらせたいと模索している男性のお話です
その模索の“相棒”が、こちら
ニホンミツバチです
さまざまな花から蜜を集める習性があり
その蜜は「百花蜜」として知られていますよね
実はいま
豊後大野の山中で採れるハチミツが
ひそかな話題になっているんです
そのハチミツを集めているのは羽田野弘文さん
羽田野さんは、定年退職後
地元・豊後大野に戻って養蜂を始め
今年で10年目になります
今年獲れたハチミツを一口いただきました
わぁ!あま~い!濃厚です。
私がうかがった11月は
ミツバチの越冬準備の時期
寒さに弱いため
冬に備えて寒さ対策をするそうです
羽田野さんはそんなミツバチに注目しました
小さなミツバチたちの頭脳の高さって
すごいなって思いましたね。
みつばちに惚れこんだっていうのがひとつと
巣を作り生活を営んでいるというのに非常に興味ありますし
かわいらしいですよね。おとなしいですし
荒廃するふるさとをなんとかしたい
羽田野さんは地元の高校を卒業後
東京で観光の仕事を40年以上続けてきました
Uターンを決意したのは
ふるさとの過疎化でした
私の住んでいたところは山あり谷ありの僻地でございまして
忘れ去られているような地域です
少子高齢化で過疎化していっている
私が通っていた小学校、中学校、高校は
すべて廃校になっています
帰るたびにそういう話を身内から聞かされまして
なんとか歯止めをかけるじゃないですけど
山あいの地域でできる産業を探していたところ
たどり着いたのが養蜂でした
奮闘する羽田野さんを
妻の弘子さんも応援しています
本当に一生懸命
家庭の方は守っているので
自分の好きなことをやればいいかなと思っています
羽田野さんは養蜂に関する本を何冊も読み
養蜂家のところに見学にいくなどして
少しずつ知識を増やしていきました
蜂は、羽があるので、山でも谷でも飛んでいける
ミツバチを飼うってことは蜜源植物を植えたくなる
蜜源植物、蜜を作り出す花ですね
蜜もできるし、蜂蜜が蜜をとることで、
受粉、実になり種になると循環ができる
それが産業になるのではないかと思いまして
いま羽田野さんが力を入れているのが
蜜の源となる植物を植える植栽活動です
これはプラムの木
荒れた土地を整地し4年前に植えました
春には花が咲き、蜜の源となっています
荒地、休耕田を整地して植物を植えることで
植えた木に花がつき、実になり
ハチの力を借りて受粉をすることによって草木が成長して
環境も整ってくっていうこのサイクルですね、連鎖
羽田野さんはこれまでに
プラムやカボス、ナシなど
10種類およそ2000本の木を植えてきました
一人ではじめた羽田野さんの取り組みは
ハチだけでなく
いま人も呼び込み始めています
「ひろちゃ~ん。手伝いに来たよ~」
「ありがとう!今日もよろしくお願いします!」
草刈りや植樹、剪定作業を一緒にすることで
なくなりかけていた地域の絆も深まっています。
先駆者でハチミツとかいろいろ花植えとか
地域をちょっとでも活性化しようということで
ここら辺が良くなればということで大変ありがたいです
そんな羽田野さんは新たな取り組みをはじめました
ハチミツを使った新たな特産品づくりです
考えたのは干し柿をハチミツに漬けたオリジナルスイーツ
私もいただきました
(今回の取材、私、食べてばかりですね…)
みためは普通の干し柿のようですが…
上品な甘さが口いっぱいに広がっておいしいです
甘い渋柿に輪をかけてハチミツの甘さがありますが
くどくなく、いくらでも食べられそうです
この柿は、地域固有種の渋柿
しっかり干して甘みが出たところで
ハチミツに漬けるタイミングや期間など試行錯誤しながら
羽田野さんは商品化にこぎつけました
地域の特産物を作りたかった
ここから地域の活性が成り立っていくんじゃないかなって
はちみつと加工品であるハチミツ干し柿
こちらの方を軌道に乗せて
地元に貢献できればなと思っております
羽田野さんの養蜂が軌道に乗って
ハチミツが販売できるようになるまで6年
そして干し柿のハチミツ漬けは
そこから更に4年かかってできあがったもの
それだけの長い時間がかかった分
羽田野さんのふるさとへの思いがつまっていると感じます
干し柿のハチミツ漬けは、
豊後大野市の道の駅「あさじ」で販売されています
また、市のふるさと納税の返礼品にもなっています
ゆくゆくは販売経路を拡大したいと
羽田野さんは話しています
ふるさとを何とかしたいという羽田野さんの思いが
ふるさとの新たな名物を生み出しました
これからの羽田野さんの取り組みに注目です!