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柏崎刈羽原発 県議会議員アンケート⑦

国が果たすべき役割は
  • 2024年03月14日

 

燃料価格の高騰や、脱炭素社会を目指す動きが強まるなか、事実上の運転禁止命令が解除された東京電力柏崎刈羽原発の再稼働をめぐる動きが注目されています。こうしたなかNHK新潟放送局は、地域の代表である県議会議員を対象にアンケートを行いました。最後は、国が果たすべき役割についてです。(新潟放送局 記者 油布彩那)

県議会議員を対象にアンケート

アンケートは、2024年1月から2月にかけて実施。
県議会議員53人のうち「中立な立場のため回答を控える」とした楡井辰雄議長を除く52人から回答を得ました。

国が果たすべき役割は

国は、脱炭素社会の実現とエネルギーの安定供給を実現するべく、安全を最優先に原発を最大限活用する方針です。エネルギー基本計画では「国も前面に立ち、立地自治体等関係者の理解と協力を得るよう取り組む」などとされています。

アンケートでは、再稼動の是非を議論するにあたり、改めて国に対してどのような姿勢や対応を求めるか尋ねました。
記述式で聞いたところ、次のような回答がありました。

・エネルギーの確保や原発の再稼働が国是として行われる以上、国が全面に立って住民の理解を  得るための努力をする必要があることは当然
・柏崎刈羽原発の再稼働がなぜ必要なのか、その本気度が県民に伝わっていない

・大雪の際などに安全な避難が可能なのか検証をするべき
・地元が必要とする避難路は全て整備すべきであり、国の責任で実施すべき

・能登半島地震によって実効性のある避難計画は立てられないことが分かった。
 原発を推進する政策自体を中止すべき
・再生可能エネルギーの普及を進めてほしい

さらに再稼働の前提となる地元同意については「権限も責任も保障・担保されないなかで、県や自治体の賛否を表向き尊重するような態度を改めてほしい」として、国の政策について地元が判断を求められることに疑問を呈する意見もありました。

電力の供給先について

柏崎刈羽原発で作られる電力は、ほぼ全て首都圏に供給され、新潟県は長年、首都圏のエネルギー供給地としての役割を果たしてきました。
今回、こうした状況についてもどう思うか聞いたところ、次のような回答がありました。

・首都圏の自治体や経済界のトップが新潟県の原発の再稼働に関心を持っているという様子は
   見えない。「再稼働が必要」と考えているのであれば、新潟県に頻繁に顔を出し、
   地元住民にも十分に納得してもらえるよう努力していただきたい
・原発立地地域が抱える問題に真摯(しんし)に向き合い、役割を果たしてほしい
・新潟県の電力の大部分を担っている東北電力は、宮城県の女川原発や青森県の東通原発を抱え  ていて一概に柏崎刈羽原発が立地しているからといって首都圏への供給に対して軽率な意見は                 できない 
・首都中枢機能を守ることも大切。首都圏からの理解も重要だが国策として国のリードを望む

 

  • 油布彩那

    新潟放送局 記者

    油布彩那

    2019年入局
    新潟生活5年目。行政や拉致問題の取材を担当。

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