柏崎刈羽原発 新潟県議会議員アンケート⑤
- 2024年03月13日
燃料価格の高騰や、脱炭素社会を目指す動きが強まるなか、事実上の運転禁止命令が解除された東京電力柏崎刈羽原発の再稼働をめぐる動きが注目されています。こうしたなかNHK新潟放送局は、地域の代表である県議会議員を対象に柏崎刈羽原発についてアンケートを行いました。今回は、複合災害時の避難についてです。(新潟放送局 記者 油布彩那)
県議会議員を対象にアンケート
アンケートは、2024年1月から2月にかけて実施。
県議会議員53人のうち「中立な立場のため回答を控える」とした楡井辰雄議長を除く52人から回答を得ました。
複合災害時の避難、対策は十分か
2024年1月に発生した能登半島地震では、石川県の志賀原発周辺の広い範囲で建物の倒壊や道路の寸断が相次ぎました。地震のあと、原子力規制委員会は「原子力災害対策指針」の見直しも含めて検討していて、「屋内退避」の運用方法などについて議論しています。
アンケートでは、地震や大雪などの自然災害と柏崎刈羽原発での重大な事故が重なる「複合災害」が起きた場合、住民避難の対策は十分と思うか聞きました。
その結果、質問に回答した51人の議員全員が「十分ではない」と答えました。
理由について次のように回答しています。
・能登半島地震で多くの家屋が倒壊し、屋内退避が本当にできるのか疑問
・津波避難を見れば明らかなように、誰もが我先に避難するわけで道路は大渋滞となり、
屋内退避は非現実的である
また半数以上の議員が大雪と事故が重なった場合の避難について触れ、次のように指摘しています。
・過去の豪雪の時には国道や高速道路だけでなく生活道路がふさがったこともあり、
こうした時に事故が起きれば避難は不可能
・大雪の時にも早期に除雪できる体制について訓練と検証を積み重ねた上で実効性の向上が必要
次回は、原子力災害対策指針が見直される場合、再稼動の是非をいつ判断するべきかについてです。