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この展示に注目!大河ドラマ特別展「どうする家康」➅愛用品編

現在開催中の大河ドラマ特別展「どうする家康」静岡展の見どころを紹介!
  • 2023年12月08日

 

静岡市美術館では、大河ドラマ「どうする家康」と連動して、NHK大河ドラマ特別展「どうする家康」静岡展を11月3日(金・祝)~12月13日(水)の期間で開催しています。
戦国乱世に次々と起こる出来事に逃げることなく答えを出し続け、幾多の「どうする?」を切り抜けた徳川家康。本展では、そんな徳川家康のエピソードとともに家康や戦国武将ゆかりの品々を展示しています。
今回は、徳川家康の生活が垣間見える「脇息(きょうそく)・薬壺(くすりつぼ)・羽織」をご紹介いたします!

いつも傍にあった家康の愛用品

桑木地葵紋蒔絵脇息
くわきじあおいもんまきえきょうそく
※所蔵:静岡・久能山東照宮博物館

こちらは、桑の木で作られた「脇息(きょうそく)」で、肘を置いて休むための用具です。全体に拭き漆が塗られており、少し湾曲した甲板(こういた)は丸みを帯びて、内側の角が入角(いりすみ)となっています。脚板(あしいた)には、葵紋の透かし彫りがあり、畳摺板(たたみすりいた)が付いて葵紋が金蒔絵(きんまきえ)で散らされています。

金蒔絵・・・漆で絵柄を描いた漆器の表面に金の金属粉や色粉を蒔きつけて付着させる、
      日本独自の技法
拭き漆・・・木地に漆を塗り布や紙を使ってふき取る技法

ドラマでも家康が脇息に手を置き、くつろぐ姿を目にした方も多いのではないでしょうか。こちらの脇息ですが、間近で見るとかなり使い込まれている様子で、光沢が出ているのが見て取れます。まさに家康のお気に入りの品であったことがうかがえます。

脇息に手を置く徳川家康
NHK大河ドラマ「どうする家康」より

長寿の秘訣は薬にあり!?

びいどろ薬壺
びいどろくすりつぼ
※所蔵:静岡・久能山東照宮博物館

こちらは家康が自ら調合した薬を入れたガラス製の「薬壺(くすりつぼ)」です。中に入っている茶色の粉は、家康が自分で調合したと言われる薬で、当時のまま残されているのは大変貴重です。これは、3口のうちの1口で、残りの2口(今回は展示なし)である丸形壺の一つに「ちんひ」と読める付箋があるため、胃腸の薬とされる「陳皮」(ミカンの皮を干したもの)の粉末だと思われます。
健康オタクとして知られている家康ですが、薬を自分で調合してしまうほどだったとは驚きです。75歳まで生きるほど長寿だったことは、うなづけます。

「びいどろ」とはポルトガル語のガラス「ヴィドロ」が語源

家康が与えた褒美

萌葱地葵紋付小紋染羽織
もえぎじあおいもんつきこもんぞめはおり
※所蔵:東京都江戸東京博物館

大坂夏の陣において、武功をあげながら同輩に手柄を譲った今村伝四郎正長(いまむらでんしろうまさなが)の働きに感銘を受けた家康が、自ら褒美として下賜した羽織です。萌葱地の練緯(ねりぬき)に菖蒲花文(しょうぶかもん)を型染めし、胸・背中央・外袖の五箇所に白抜きで墨描を加えた三葉葵紋を据えています。表裏共裂(ともぎれ)の綿入袷(あわせ)仕立てとし、袂(たもと)・襟先に丸みを持たせています。ふっくらとしたフォルムで、重厚なたたずまいが美しい羽織です。
確実な家康所持の遺品として、また年代が明らかな初期小紋染の作例としても大変貴重です。

練緯(ねりぬき)・・・経糸(たていと)に生糸、緯糸(よこいと)に練糸(ねりいと)を
           使った平織の絹織物
              ※生糸:繭から繰糸したままの糸 練糸:精練という作業を行い、光沢を出して柔らかい手触りにした糸           

袷(あわせ)仕立て・・・裏地がある仕立て方

今回は、家康の愛用品を中心にご紹介しました。当時の生活が垣間見える貴重な展示品が多く、家康をより身近に感じることができます。NHK大河ドラマ「どうする家康」でも、他の武将の脇息や様々な着物が登場しますので、ぜひご注目ください!

国宝・重要文化財が約50点展示!!
NHK大河ドラマ特別展「どうする家康」静岡展にぜひご来場ください!
開催期間:2023年11月3日(金・祝)~12月13日(水)
     午前10時~午後7時 ※展示室入場は閉館の30分前まで
     ※休館日:11月20日(月)
会場:静岡市美術館<静岡県静岡市葵区紺屋町17-1葵タワー3F>
交通手段:JR「静岡」駅北口より徒歩3分
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