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静岡 浜松市 地域課題の解決策は首都圏にアリ?“逆参勤交代”

  • 2023年09月14日

静岡県浜松市で、首都圏で暮らす大学生や社会人を招いて地域の課題について考えてもらおうという取り組み、その名も“逆参勤交代”というイベントが9月8日までの3日間行われました。一体どんなアイデアが生まれたのでしょうか。

地域課題に都会の目線で取り組む

首都圏で暮らす人たちの目線から地域の課題の解決策を探ってもらおうと、浜松市が企画したこのイベント。大名が地方から江戸に向かった参勤交代になぞらえて“逆参勤交代”と名付けられました。
参加したのは、東京や神奈川などで暮らす社会人と大学生のあわせて9人です。2泊3日の日程で浜松市に招かれ、浜名湖など市内11か所を訪問します。

間引いたみかんをどう活かす?

初日に一行が訪れたのは浜松市特産「三ヶ日みかん」の畑です。この畑では黄色く色づく前に間引かれ、廃棄される青いみかんを活用してジュースづくりに取り組んでいます。

地元では、青いみかんを間引く摘果体験に地域の住民にも参加してもらうなど、活性化につなげたいとも考えています。一方で、販路の広げ方や新たなみかんの活用法などが課題となっています。逆参勤交代の参加者たちは、取り組みを行う企業の担当者に話を聞くなどして課題解決のアイデアを考えます。

棚田を守るモチベーションとは?

さらに一行は、NHK大河ドラマ「おんな城主直虎」の撮影にも使われた浜松市北区にある「久留女木の棚田」も訪問しました。

7.7haの面積におよそ800枚の田んぼが並びます。しかし、耕作者の減少で半分ほどしか活用されていないといいます。地元の保全団体は綿花を試験的に栽培したり、外部から耕作者を招いたりして保全に努めていますが、担い手をどう呼び込むかが課題だといいます。

これについて、参加者からはこんな意見が出されました。

参加者

ICT(情報通信技術)やテクノロジーを駆使して、次世代につなげていけるような便利な仕組みづくりが必要ではないか。

参加者

「自分たちの米、ごはんぐらいつくろうよ」とかは、今大企業がやろうとしていること。首都圏や大都市に対し、“自給率アップのための取り組みだから関与してよ”とアピールすると響くと思う。

市長にプレゼン!斬新アイデア

“逆参勤交代”と称し、浜松市を訪れた参加者は地域の課題をどう受け止め、解決策を見いだしたのか?最終日の8日、浜松市の中野祐介市長に対してそれぞれがプレゼンテーションする場が設けられました。

参加した大学生
私たちは「みんなでつなげよう 三ケ日みかんプロジェクト」というものを考えました。青みかんを見せてもらったが、摘果されて地面に落とされたものも多かったので、それをチケットのように街で配布し、集めると何かと交換できるなどの使い方があるのではないかと考えました。また、テントサウナに入ったあとに青みかんがたくさん入った水風呂に入れたら、静岡でしかできない体験ができるのではないかと。

また、別の大学生は首都圏と浜松の双方の人たちが一体となって地域を盛り上げるため、アプリを活用したイベントの企画を行うことを提案していました。

提案を実現へ!市長も後押し

発表を受けた中野市長、斬新なアイデアを聞いてこう振り返りました。

浜松市 中野祐介市長
浜松の持ついいところを見つけ、それを伸ばし発信していくような提案をしていただき、とても刺激的だった。プロジェクトの実現に向け、引き続き力添えをいただきたい。

参加者たちにとってはどんな体験になったのでしょうか?

参加者
(今回のイベントに参加して)浜松をよりよくするにはどうしたらいいか考えられた3日間で、有意義な時間だったと思う。

難しいな感じるところが多かった一方で、まちづくりについては地元の方々がプレーヤーとして頑張ってまちを盛り上げていると感じ、僕自身もそこに携われたらと思い提案した。

浜松市は今回の発表を受けて今後、実現に向けた検討を進めることにしています。

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