コロナ前より2割増 静岡 富士山の遭難事故 原因は登山客急増か
- 2023年09月01日
ことしで世界文化遺産に登録されて10年を迎えた富士山では、7月10日の山開きから8月27日までに静岡県側で52件の遭難事故が起きていて、去年の同じ時期よりおよそ2割増えました。警察は、登山にあたって無理のない登山計画を立て、体調管理に気をつけるよう呼びかけています。
富士山の遭難者 コロナ前より2割増
県警察本部によりますと、富士山の静岡県側では7月10日の山開きから8月27日までにあわせて52件の遭難が発生して1人が死亡、16人がけがをしました。新型コロナの感染拡大前とほぼ同じ水準となった去年の同じ時期に比べて8件、およそ2割増えています。
原因別では、高山病や低体温症などの病気が20人、転倒が16人、疲労で動けなくなった人が11人などとなっています。
登山者急増が遭難事故の増加まねく
環境省の調査では富士山の静岡県側の登山者数は、山開きからの8日間で1万1000人余りと去年の同じ時期の倍以上にのぼっていて、登山者の増加が遭難事故の件数を押し上げているともみられています。
警察は「日ごろ登山をしない人が自分の体調を十分に把握できないまま無理な登山をして病気になったり、登りの段階で体力を使い果たし下山の際に足がもつれて転倒したりしている」と分析しています。
閉山目前 十分な防寒対策を
富士山の夏山シーズンは9月10日で終わり、閉山を迎えます。静岡県警察本部 山岳救助隊の坂上雅信隊長は「富士山が日本一高い山であることをよく理解して登山に臨んでほしい。7月8月に比べ、残る期間は気温が下がるので防寒対策もしっかりしてほしい」と話しています。