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佐賀 玄海町 国スポ 相撲 もう一度土俵へ ~32歳 最後の挑戦~

ニュースただいま佐賀「さがめぐりまるっと20」あなたのまちの応援団
  • 2024年02月20日

    ことし(2024)佐賀で開催される国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会に向けて、県内20市町の魅力を伝えるプロジェクト「さがめぐりまるっと20」。

    玄海町では “相撲” が開催されます。「あなたのまちの応援団」では、国スポに向け5年ぶりに競技を再開し県代表の座を目指す、川口 弾(かわぐち・だん)さん(32)を取材!
    徹底した体づくりの裏には、地元開催の国スポを相撲人生の集大成にしたいという強い思いがありました。

    国スポ「相撲」代表争い、始まる

    1月21日に行われた 土俵開き

    国スポ相撲競技 成年男子、佐賀県代表を狙う選手たちです。ことし最初の土俵での稽古、“土俵開き”に参加しました。社会人のため、仕事のかたわら練習をしています。

    稽古を見守る、監督の西 祐輔さん

    国スポ相撲競技・成年男子監督の西 祐輔(にし・ゆうすけ)さんは、選手どうし競わせることで、全体のレベルを上げようと考えています。

    インタビューに答える西監督

    西 監督「実力はもちろん、勝負強さなど、見極めながら決めていこうと思っています。代表に選ばれるまではお互いライバル、チームとなれば一丸となって戦えるようなチームを目指しています。」

    佐賀県代表を目指してぶつかり稽古に励む

    ひときわ強い思いで練習にのぞむ選手がいます。

    稽古をする川口 弾さん

    最年長、唐津市出身の川口弾(かわぐち・だん)さん、32歳です。20代の選手に混じり代表入りを目指しています。

    小学2年生の川口さん(左)

    5歳で相撲を始め、小学生になると数々の大会で優勝。

    大学生の川口さん(前列 中央)

    大学時代には、全国学生相撲選手権大会(インカレ)で団体、個人ともに3位になりました。プロ入りを期待されるも、ケガで断念。アマチュアで相撲を続け、国体には10回出場しましたが、コロナで国体が2年開催されず、一度は相撲競技から引退しました。
    転機となったのは、佐賀で国スポの開催が決まったことでした。しかも、相撲の会場は地元・肥前町の隣、玄海町。

    相撲競技再開の動機について答える川口さん

    川口さん「最後にかけてみようかなって。国体が地元で開催されるって、たぶん競技人生の中で1回あるかないかのことなので。自分の中でずっとあったんですよね、もうちょっとやれないかなぁとか、悔しいじゃないけど、歯がゆいところが」。

    かつての動きを取り戻す体づくり

    体の大きな相手と対戦する 大学時代の川口さん(左)

    現役時代、165センチと小柄な川口さんの武器は  “スピード”

    相手のまわしを引き付ける川口さん(右)

    自分よりはるかに大きな相手でも、まわしを引き付けて素早く動き…

    相手を押し出す川口さん(右)

    相手の形にさせないうちに押し出します!

    重りを担いでスクワットをする川口さん

    5年のブランクを経て、かつての動きを取り戻すため、いま取り組んでいるのが  “下半身の筋力トレーニング”  です。

    重りを担いでスクワットをする川口さん

    下半身をしっかり鍛えることで、スピードに欠かせない瞬発力がつきます。

    トレーニング直後、息切れする川口さん

    川口さん「きついですね、さすがに。もう足がパンパンです…。土俵の上での稽古だけでは身に付けられない部分なので、筋トレは大事に取り組んでいます」。

    西監督特製 ちゃんこ鍋

    筋力トレーニングと同じく大切なのが “食事” です。相撲で食事と言えば “ちゃんこ”
    西監督の手づくりです。

    食事の大切さについて答える西監督

    西 監督「今日はしみわたるちゃんこ、鶏ベースです。肉が3キロ、白菜が2玉、えのきが15と長ネギが6本。(食は大事?)大事です、トレーニングしたあとのリカバリーが大事なんで。食事も込みです、稽古です」。

     笑顔でちゃんこ鍋を食べる川口さん

    ちゃんこ鍋には野菜や肉がふんだんに入っており、体づくりに欠かせない栄養をしっかりとることができます。相撲は体が大きいと有利とされる競技、食事もとても大切なトレーニングです。

    愛飲するプロテイン

    筋肉を作るタンパク質を効率よく摂取するため、食後のプロテインも欠かしません。

    食後、プロテインを飲む川口さん

    体重を戻すため米を一日一升(10合)食べ続け、70キロ台にまで落ちていた体重は1年で30キロ増量、105キロになりました。
    5年のブランクを埋めるため真面目に努力する川口さんの姿に、西監督も期待を寄せています。

    川口さんへの期待について話す西監督

    西 監督「(復帰を)よく決断してくれて、準備をしてもらえたと思います。相手との間合いだったり、若い選手も学んでいけるところが多い。チームの核になってくれると期待しています」。

    ぶつかり稽古をする川口さん(手前)

    喜びや苦しみ、たくさんの感情を教えてくれた相撲。「最後にもう一度だけ土俵に立ちたい」。
    川口さんの挑戦は続きます。

    相撲にかける思いを話す川口さん
    子どもたちとぶつかり稽古をする川口さん

    川口さん「小さいころから世話になっている人たちもいるし、みんなで応援してくれているので、それに応えたいっていうのもあります。稽古量も増やして筋肉トレーニングもやって、みんなで団体優勝できるようにこれから国スポまで頑張っていこうと思います」。

    【☆取材後記☆】
    川口さんは、練習中、後輩たちに積極的に声をかけアドバイスを送っていました。川口さんは経験値があり、過去に成績も残している分、後輩たちも納得した様子で話を聞いていました。時には冗談を言い合う様子も見られ、選手同士ライバルではありますが、切磋琢磨しながらいい関係が築けているのだと感じました。また今回は、相撲ファンとして、相撲の練習や筋トレが間近で見られるとてもうれしい機会となりました。西監督お手製のちゃんこ鍋、実は私もごちそうになったんです。鶏の出汁に塩味がきいたスープ、具材のうまみもたっぷり出ていてすごくおいしかったです!また食べたい…。
    国スポ・相撲競技は、玄海町での開催です。佐賀県勢の活躍、楽しみにしています!


    2024年に佐賀で開かれる国スポ・全障スポに向けて、県内20市町のそれぞれ魅力を伝えるプロジェクト「さがめぐりまるっと20」。下記リンク先の特設サイトには、動画も掲載しています。

      • 小野 錦

        NHK佐賀放送局 キャスター

        小野 錦

        相撲大好き、すー女です。
        名前もまるで力士です。

        いさみ足にならないよう、
        落ち着いて丁寧な取材をしていきます。

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