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佐賀 唐津 “国産とうがらし”で地域をホットに盛り上げろ!

ニュースただいま佐賀 九州・沖縄 はっけんTⅤ
  • 2023年12月22日

寒い冬になると食べたくなる“とうがらし(唐辛子)”鍋、パスタ、中華そばなど、和洋中、何にでも合うところが魅力ですよね。最近は激辛ブームということもあり、とうがらしの魅力にひかれる人も多いのではないでしょうか。実はとうがらしは外国産が多く、国産は珍しい食材。今回は、地域を巻き込んだとうがらし栽培 に取り組む佐賀県唐津市の生産農家を、小野キャスターが取材しました!

唐津の新たな特産を目指す“とうがらし”🌶

唐津の新たな特産を目指す“ とうがらし ”

唐津産の唐辛子を使った一味(左・中央)と七味(右)
青唐辛子一味(左)赤唐辛子一味(中央)と七味(右)

秋祭り「唐津くんち」の曳山(やま)から名前を取り、一味とうがらしの青獅子(あおじし)」「赤獅子 (あかじし)と、七味の七宝丸(しちほうまる)と名付けられました。
いま全国各地に出荷されています。

とうがらし畑に立つ 農家の平田憲市郎さん

唐津市の農家、平田憲市郎(ひらた・けんいちろう)さん。
唐津をとうがらしで盛り上げたいと4年前から栽培を始めました。

平田さんにとうがらし畑を案内してもらう
平田さんが作る品種 “ホットパラソル”

平田さんが作っているのは「ホットパラソル」という品種。
青いままでも収穫でき、大型でしっかりした辛さが特徴! と、いうことでー。

一口いただきました!

採れたてのとうがらしをいただきます
あまりの辛さにこのリアクション
痛いほどの辛さがおいしさの証

採れたてとうがらしのあまりの辛さに、少し涙目になってしまいました…。
平田さんいわく、「辛い!!!」は、最高の誉め言葉なんだそう。 

とうがらし畑

とうがらしに目を付けた理由は、「猛暑」や「動物被害」などに強い ことでした。

平田さん

とうがらしは、もともと原産が中南米とか暑い国なので、猛暑や温暖化というのは追い風なんです。辛いのでイノシシも食べに来ない。耕作放棄地でも荒れたところでも、どこでも作れるのが魅力です。

玄界灘に面した唐津市

風土 も合っています。
唐津湾から海風が吹き続けるため霜の降りる日が少なく、実が傷みにくいのです。 

収穫作業は一年を通して行う

露地とハウスを組み合わせ、ほぼ年中収穫ができています。 

収穫作業をする従業員
収穫作業をする従業員

また、とうがらしは収穫の時間帯を問いません。
従業員も自分の好きな時間に作業できるのです。

生産農家などで作る “唐津ピリカラ協会” も発足

いまでは、12軒の農家が協力し、年間20トンを栽培
わずか数年で、全国有数の規模に成長 しました。

博多区で行われた食品展示会に出展する平田さん

唐津のとうがらしに全国のバイヤーたちも反応しています。
日本はとうがらしの多くを輸入に頼っていますが、数少ない国産、なかでも唐津産は、“質の高さ”で人気を呼んでいます。
 

商談をする平田さん

販路は全国30か所以上、海外はドバイまで拡大しています。

きっかけは“コロナ禍”

カーネーションの手入れを行う平田さん

急成長の大きなきっかけは「コロナ禍」でした。
実は、長くカーネーション一筋の農家だった平田さん。
コロナ禍で花の需要が激減したのを逆手に、地域を巻き込んだとうがらし栽培 に乗り出しました。

出荷の下処理を行う唐津市内の福祉施設

力を貸したのが地元にある複数の福祉施設です。
ヘタを取るなど出荷に欠かせない下処理を担っています。
1日100キロ以上と、時間と根気のいる作業。
農家だけでは手が回らず、無理を承知で依頼したところ、歓迎されたといいます。

平田さん

福祉施設の方たちの夏場の仕事ってみんな草むしりしかなかったって言われて、熱中症で帰ってきたという人たちも結構多いと聞きました。そこからすると、エアコンの効いた部屋で袋詰めをするという作業はすごくありがたいって言われたんですね。お互いの課題解決ができるんであれば、もっと進めようと。

地域の力を集めた とうがらし生産です。

唐津をとうがらしの"聖地"に

とうがらし料理を取り分ける参加者

平田さんは先日、協力してくれた人たちへ感謝の会を開催。 

とうがらしを使ったサラダ

おもてなしはもちろん、とうがらしを使った料理です。

パッケージデザインを担当した唐津市出身のデザイナー
福祉施設の関係者

“唐津をとうがらしの聖地にー”。
地域を巻き込んだ挑戦は始まったばかりです。

インタビューに答える平田さん
出荷の下処理作業を行う福祉施設
福祉施設を訪れた平田さん

平田さんは、生産者や加工業者、飲食店などと協力し、“ 唐津ピリカラ協会 ” という団体を発足。
唐津のとうがらしの魅力を、さらに多くの地域や人に伝えるため奮闘しています。
今後は、津=辛子 と思ってもらえるよう活動を続けていきたいということです。
 

★ 取材後記 ★
とうがらしをただ生産するだけではなく、それを通して地域の課題解決に取り組もうと常に挑戦を続ける平田さん。将来的には、とうがらしを使った料理のイベントなども開催していきたいということで、今後の活動にも注目です。
12月5日(火)、平田さんの活動をより多くの人に紹介するため、NHK福岡放送局にお邪魔し、 “はっけんTⅤ” に出演してきました!平田さんの情熱と地域を巻き込んだ取り組みについて九州・沖縄地域に向けて発信してきました。スタジオでは、唐津ピリカラ協会会員で料理研究家の宮村ゆかりさんにお越し頂き、平田さんが作った唐津産の唐辛子を使った、揚げ魚のチリソースがけ ▼白菜のゴマダレサラダ ▼チリジンジャエール の3品を作っていただきました。とうがらしがこんなにアレンジできる食材だったとは…。宮村さんによりますと、平田さんのとうがらしは少量でもしっかり辛さが出るのだそう。試食した篠﨑キャスターは、辛さに驚きながらも、ピリッとくる感じが癖になっているようでした。

NHK福岡 篠﨑キャスター(左)料理研究家 宮村ゆかりさん(中央)
小野キャスター(右)

“ニュースただいま佐賀” での放送動画はこちらから👇

  • 小野 錦

    NHK佐賀佐賀局キャスター

    小野 錦

    佐賀に来て3年目。
    地域の魅力を自分の足で探します!

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