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”佐賀ってなに色?” 草木染め 時松キャスターも挑戦!

  • 2024年02月15日
    時松キャスター着用の服も草木染め

    今回のいまサガは「草木染め」の展示会について。
    草木染めとは、植物の花びらや葉、枝などから色を出して染める技法のことです。佐賀には、全国にファンを持つ草木染めの工房があります。そんな工房が、”佐賀の色を染めた”展示会を開きました。
    ”佐賀の色”とはどんな色なのか?取材しました。

    色とりどり、約300点の草木染め

    展示会場

    2月6日から佐賀市で始まった企画展「草木の色遊び」

    グラデーションが美しいストール

    会場には、佐賀市の草木染め工房が手がけた作品 約300点が集まりました。

    草木染めのTシャツ
    草木染めのトートバッグ

    たまねぎなどで染めたTシャツや、グラデーションが美しいトートバッグ。また帽子など、様々な作品が並びました。どれも色が綺麗ですね。

    佐賀を染めた?”佐賀色コーナー”

    新設された佐賀色コーナー

    こちらが、今回初めて設けられた「佐賀色コーナー」です。佐賀の植物だけを使って染められています。

    使われたのはいずれも佐賀県の植物

    左から、県木のくすの木の葉っぱ白石町の玉ねぎの皮三瀬村のブルーベリー。材料も職人さん自ら、農家さんを訪ねて分けてもらったり、落ちて出荷できなくなった実をもらったりして集めているそうです。

    草木染め工房代表 馬場崎 誠さん

    「第1弾で染めてみたんですが、とてもやさしい色が佐賀の色なのかなというイメージでした。黄色ひとつとっても角を取ったようなまるい黄色というか、やさしい色なのかなというところがありますね」(馬場崎 誠さん)

    植物の香り漂う、草木染め工房へ

    鮮やかな草木染めがどのようにできるのか。特別に、小城市の工房で教えてもらいました。

    小城市牛津町の工房
    草木染工房三代目 馬場崎凪さん

    迎えてくれたのは、草木染工房の馬場崎凪さん。工房の三代目です。

    時松キャスター

    工房に入った時から爽やかな香りがしていますね。
    今は何をしているところですか?

    馬場崎凪さん

    これは草木の汁を熱湯でぶくぶく煮出しながら、色を付けるための準備をしているところです。

    工房の窯

    草木染めには、水と植物を2時間以上煮込んだ液体を使います。                      

    例えばブルーベリーを煮込むと、こんな色に。

    ブルーベリーを煮た液
    馬場崎凪さん

    見たまんま、ワインレッドのような色になります。

    時松キャスター

    本当にワインみたい。ちょっと酸っぱいような香りがしますね!

    たまねぎの皮を煮た液

    一方、たまねぎの皮は濃い茶色です。

    今回は、ブルーベリーたまねぎの皮の2色でストールを染めました。

    初めにストールをぬらす

    まずは、布をぬらします。乾いている部分があると、色がうまく入らずムラになることも。ぬらすことで、色が全体に行き渡りやすくなるそうです。

    次は、布を窯の中へ。ブルーベリーを染めます。

    布の上の方を持ち窯へ入れる
    時松キャスター

    緊張する…!…そのまま入れていいんですか?

    馬場崎凪さん

    いいですよ!自分の染めたいところまでじわ~っと…

    ブルーベリーを煮た液が入った窯へストールを投入
    色が付きました!
    馬場崎凪さん

    いい感じ~!

    時松キャスター

    しっかり色が着くんですね!赤ワインみたいな色

    2度ほどつけると、より濃い赤茶色に染まりました。

    次はたまねぎの皮です。

    たまねぎの皮で染めた様子

    綺麗な濃い黄色に染まりました。染める前の液体は茶色だったのに、不思議です。

    染まった布を水ですすいで…。

    ミョウバン水へ漬ける

    最後に、焼いたミョウバンを入れた水へ漬けます。こうすると、発色が良くなるんだそうです。

    少し明るくなった黄色に変化
    時松キャスター

    たしかに、黄色の部分がより明るくなりましたね!

    そして完成したものがこちら。

    完成したストール

    たまねぎの皮は鮮やかな黄色に。

    たまねぎの皮で染めた部分

    ブルーベリーは薄い茶色になりました。

    ブルーベリー 左:乾かした後 右:染めたばかり

    染めたばかりの時と比べると、赤みが薄くなったのが分かります。

    馬場崎さんによると、時間が経つとさらに色が変化して、最終的にはグレーになるんだそうです。

    馬場崎凪さん

    私もブルーベリーは今回の展示用に初めて染めたんですが…もっと赤が出ると思ってました(笑)。
    予想外のものばかりで毎日面白いです。

    時松キャスター

    元々の素材の色から全く違う色が出るのは面白いですね!

    ブルーベリーとたまねぎの皮で染めた”佐賀色”ストール

    自然の色を楽しむ草木染め。佐賀の植物が作る色やグラデーションを楽しんでほしいといいます。

    "佐賀色"について語る馬場崎凪さん

    草木染めの難しいところは、思った色にならないところ。今回のブルーベリーもそうですが、ときどき想外の色になることも。でもそこが面白い、草木染めの魅力だと思います。
    佐賀の植物ってこういう色なんだなって、見て楽しんでいただけたら嬉しいです。     (馬場崎 凪さん)

    全国に広がる 佐賀の草木染め

    今回はスタジオに、たまねぎの皮くすの葉で染めた巾着も持ってきました。黄色がたまねぎの皮、茶色がくすの葉です。この組み合わせも素敵ですよね。

    時松キャスターが染めた巾着(たまねぎの皮・くすの葉を使用)
    小野キャスター
     

    染めてみるまでどんな色になるのか分からない、というのは面白いですね!

    竹野アナ

    その一方で、たまねぎみたいにそのままの色が出るものもある。いや~奥深いなと思いました。

    馬場崎さんの作品には全国にファンがいます。人気の理由は、色の美しさだけではありません。出来るだけ長く草木染めを楽しんでもらえるように、お客さんには無料で染め替えをしているんです。
    着ているうちに色落ちしたら、またその上から別の色で染める。そうすることで、1着の服で何色も自分の好きな色を楽しむことができるんです。

    草木染めの服を着て伝える時松キャスター

    馬場崎さんは定期的に佐賀で展示会を開いています。ぜひ機会があれば、美しい作品を見に行ってみてはいかがでしょうか。

    ※この展示会は2月11日(日)まで佐賀市の高伝寺前・村岡屋ギャラリーで開催されました。

    取材後記

    時松キャスター

    「展示会をするんですが、よかったら工房で体験しませんか?」今回の取材は、工房の馬場崎誠さんからのご連絡から始まりました。これまでも季節ごとに馬場崎さんの展示会を紹介してきましたが、工房に入るのはこれが初めて。職人さん達の伝統や温かさを感じる、素敵な工房でした。何より草木染め体験、とても面白かったです。自分の手で色を染めていく楽しさを感じると同時に、改めて職人さんが手がけるグラデーションや色の濃淡がいかにすごいものであるかを実感しました。今後、馬場崎さんは、イチゴやお茶など佐賀らしいものを使った作品にもさらに挑戦してみたいということです。どんな”佐賀の色”が生まれるのか、楽しみですね。(時松仁美)

    動画はこちらから👇

      • 時松 仁美

        佐賀局アナウンス

        時松 仁美

        染め物初体験でしたが、職人さんのサポートで楽しく完成できてほっとしています。有難うございました!

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