途採用の拡大や
新卒一括採用見直し議論を」

就職活動のルール、いわゆる「就活ルール」をめぐって経団連が2021年春の入社分から策定しないと決めたことに関連し、茂木経済再生担当大臣は閣議のあとの記者会見で、全世代型社会保障改革の一環として、中途採用の拡大や新卒一括採用の見直しなどを議論していく考えを示しました。

経団連は、企業の採用活動の解禁時期などを定めた指針について、再来年春の入社までを対象とした現在の指針を最後とし、2021年春の入社分からは策定しないことを決めました。

これに関連し、茂木経済再生担当大臣は閣議のあとの記者会見で、「自身の能力をより発揮できる仕事への転身や、65歳を超えても生涯現役で活動したいと考えている方々が活躍できるような雇用環境、制度を整備していくことは喫緊の課題だ」と指摘しました。

そのうえで、茂木大臣は「中途採用の拡大や新卒一括採用の見直しといった雇用問題についても全世代型社会保障への改革の一つのテーマとして、新たな成長戦略を議論する未来投資会議で集中的に議論を進めたい」と述べました。

柴山文科相「学生の不安解消へ速やかに議論」

柴山文部科学大臣は閣議のあとの記者会見で「学生に混乱をさせないような形でルールを検討することが新たに求められている。文部科学省としては学生の学習環境の確保が非常に重要なので、関係省庁としっかり連携し、経団連や大学側の考えをしっかりと聞いたうえで対応したい」と述べました。

そのうえで、柴山大臣は、「スケジュールありきということではないが、学生の不安があるので、できるだけ早期に結論を得ることが大切だ」と述べ、速やかに議論を進める考えを示しました。

世耕経産相「日本型雇用の課題 議論を」

世耕経済産業大臣は10日の閣議のあとの記者会見で、政府が就職活動の新たなルールについて話し合う関係省庁連絡会議を設置したことについて「学生の皆さんが学習時間を確保しながら安心して就職活動に取り組むことができるよう、議論していくことになる。日程の取り決めの議論も必要だと思うが、それに加えて、中長期的な視点から、新卒一括採用の見直しや中途採用の拡大といった日本型の雇用慣習をめぐる課題について議論していくことも重要で、この点については、未来投資会議でしっかり議論していくべきだ。経済産業省としても中長期的な課題の議論にしっかり貢献していきたい」と述べました。