防衛費増税に理解を 岸田首相 高市氏「真意理解できない」

防衛費をめぐる増税の検討に自民党内で反対意見があることについて、岸田総理大臣は防衛力を強化して日本の平和と安全を守り、未来への責任を果たすための対応だとして理解を求めました。

防衛費の増額で不足する財源を賄うため、岸田総理大臣は、与党に増税の検討を指示したのに対し、自民党内には理解を示す声がある一方、「新たな国民負担は容認できない」などと反対意見が出ています。

岸田総理大臣は12月10日夜の記者会見で、「増税が目的でなく防衛力の強化・維持が目的だ。5年間で抜本的に防衛力を強化することを決断したが、それが国家・国民の平和と安全を預かる総理大臣、自衛隊の最高司令官としての使命だ」と述べました。

そして、必要な財源のおよそ4分の3は歳出改革などで確保する道筋をつけたことを強調したうえで不足する4分の1については、「未来の世代に責任を果たすために協力をいただきたい」と述べ、増税の検討に理解を求めました。

また、追加の国債発行で賄う手段は、将来に負担を先送りしない観点からも取りえないと強調しました。

さらに、「夏の参議院選挙で税負担の可能性を国民に示しておくべきではなかったか」と問われ、「公約などで訴えることは大事だと思うが、選挙の時期にかかわらず政治はずっと動いている」と述べました。

高市経済安保相 防衛費財源めぐり「総理の真意理解できない」

高市経済安全保障担当大臣は、10日夕方、岸田総理大臣の記者会見に先立って、防衛費増額の財源についてみずからのツイッターに投稿しました。

この中では、岸田総理大臣が8日、与党に対し増税を検討するよう求めたことについて「企業が賃上げや投資をしたらお金が回り、結果的に税収も増える。再来年以降の防衛費財源なら景況を見ながらじっくり考える時間はある。賃上げマインドを冷やす発言をこのタイミングで発信された岸田総理大臣の真意が理解できない」としています。