東京・埼玉で震度5強
「帰宅困難者 協力要請」

岸田総理大臣は、8日午前1時半前、総理大臣官邸で、記者団に対し「都市部における地震により、帰宅困難者が生じているという報告を受けている。帰宅困難者に対しては、事業者にできる限りの協力を要請している。引き続き、情報収集と迅速な復旧に努めていきたい」と述べました。

岸田首相 実態の把握や被害者の救助など4点を指示

今回の地震を受けて、岸田総理大臣は総理大臣官邸に入った際、記者団に対し、▼実態の把握と、▼自治体とも協力しながら政府一体となって被災者の救助に努めること、▼国民に対し的確に情報提供を行うこと、▼被害の拡大防止に努めることの4点を指示したと明らかにしました。

松野官房長官「重傷者1人 負傷者16人と報告」(午前1時)

松野官房長官は、8日午前1時すぎに記者会見し「人的被害については、現在のところ、重傷者1名のほか、程度が不明の負傷者が16名と報告を受けているが、詳細は鋭意、確認しているところだ」と述べました。

「各地で漏水が多数との報告」
また「この地震により、ライフラインでは、現時点で、停電、断水、通信障害などの被害情報はないが、各地で漏水が多数との報告を受けている」と述べました。

「火災2件発生 1件鎮火 もう1件鎮火の方向と報告」
「警察、消防、海上保安庁のヘリで、東京都、千葉県、神奈川県を確認したところ、火災が2件発生したと報告を受けているが、消防活動により、1件は鎮火し、もう1件も鎮火の方向と報告を受けている」と述べました。

「終電以降の運転状況 最新の情報確認を」
「事業者が終電延長などの措置をとっているので、帰宅が困難になっている方は、終電以降の運転状況について、鉄道事業者に最新の情報を確認してもらいたい」と述べました。

岸防衛相 自衛隊が連携しつつ人命救助第一

今回の地震を受けて、岸防衛大臣は▼早急に被害状況を把握するため、関係府省庁、および自治体と緊密に連携し、情報収集に努めること、▼今後の状況の推移に的確に対応するとともに、▼陸海空自衛隊が緊密に連携しつつ、人命救助を第一に活動を実施するなど、対応に万全を期すよう指示を出しました。

千代田区 国会周辺の道路で水吹き出す

東京・千代田区の国会周辺の道路では、午後11時15分ごろ、マンホールから水が噴き出る様子が確認できました。

現場では、警察官が出て、通行する車が水を避けられるよう誘導にあたっていました。

帰宅困難者に体育館開放 30人以上 足立区

震度5強の揺れを観測した東京 足立区は電車が止まった影響で帰宅できない人が出たことから、朝までの滞在場所として小学校の体育館を開放し、体育館では30人以上が横になって体を休めていました。

震度5強の揺れを観測した足立区では電車が長時間止まっていわゆる「帰宅困難者」が出ました。

これを受けて、区は8日午前2時半ごろ、北千住駅から歩いて5分ほどの千寿本町小学校の体育館を、朝まで過ごすことができる一時滞在施設として開放しました。

体育館にはSNSなどでこのことを知った電車の乗客などが開設から1時間ほどの間に30人以上訪れ、区の職員が用意したマットを敷き、毛布をかぶって束の間の休息を取っていました。

千葉県内の自宅に帰るのを断念したという20代の会社員の男性は「地震のあと電車で北千住駅まで乗っていたのですが、そこで長い時間止まったためもう動かないだろうと思って駅を出ました。その時、足立区が施設を開放すると放送が流れ、ちょうど雨も降り始めていたので、わらにもすがる思いで辿り着きました。雨が強まっているので本当に助かりました」と話していました。

日暮里・舎人ライナー 緊急停車時に脱輪

警視庁によりますと、日暮里・舎人ライナーは足立区内の舎人公園駅と舎人駅の間で緊急停車した際に脱輪したということです。停車した際に車内で複数の人が転倒し、30代の女性2人と20代の女性1人の合わせて3人がけがをしたということです。いずれも意識はあるということです。

運転再開のめどたたず

国土交通省や東京都交通局によりますと、新交通システムの日暮里・舎人ライナーはタイヤが地上にあるガイドに沿って進む仕組みで、運転士と車掌は乗務しておらず加速やブレーキを自動で行う自動運転で運行しています。

脱輪した電車は5両編成で走行していて、地震があったのは舎人公園駅を出発した直後でした。

緊急地震速報を受けて電車から離れた指令室にいた係員が列車を止めるボタンを押しましたが、先頭から3両分のタイヤがガイドから外れて脱輪したということです。

現場付近では電車を動かすための電気を供給する設備も損傷しているため脱輪した車両を戻すことができず、運転再開のめどはたっていないということです。

一夜明け JRの駅で通勤時間帯に長蛇の列

地震から一夜明けた8日もJRの多くの路線で運転見合わせや大幅な遅れが続き、JR川崎駅では駅員に見通しを尋ねたり、電光掲示板を確認したりする人の姿が見られました。

JR川崎駅では南武線などの路線で始発から運転が見合わせられたことから一時、入場が制限されました。

8日午前6時半すぎ、南武線の運転再開がアナウンスされると、改札の前で待っていた人たちは一斉に中に入っていきました。

運転が再開された路線でも大幅な遅れが出ていて、利用する人たちは駅員に見通しを尋ねたり、電光掲示板を確認したりしていました。

川崎市幸区の65歳の男性は「電車がまだあまり動いていないので、もう少し落ち着いてから電車に乗ろうと思います」と話していました。

川崎市川崎区の40歳の女性は「地震のときは台所にいたのですが、高いところから物が落ちてきたりしてびっくりしました。子どもの見送りで来たのですが、運転が再開されたと聞いて安心しました」と話していました。

8日午前7時半すぎ、埼玉県川口市のJR西川口駅では、駅前から線路沿いの道路にかけて数百メートルにわたって列ができていました。

昨夜の地震の影響で、入場規制が行われているということで、勤務先や学校などに向かう多くの人たちが次々に列の後ろに並んでいる様子が確認できます。

JR川口駅でも、地震の影響で断続的に入場規制が行われているということで、構内に入りきれない多くの人たちが駅前の広場に列をつくっている様子が確認できます。
JRによりますと、8日午前7時50分現在、多くの路線で大幅な遅れが出ているということです。