大和市長が“パワハラ”か
市議会 特別委員会設置へ

神奈川県大和市の前の副市長が先月、任期途中で辞職したのは、市長が職員にパワーハラスメントを行っていることへの抗議だったと主張していることを受けて、大和市議会は18日、パワハラ行為の有無を含めて事実関係を調査する特別委員会を設置することを決めました。

大和市の副市長だった金子勝氏は4月、任期途中で辞職しましたが、辞職は、大木哲市長が市の職員にパワーハラスメントを繰り返していることへの抗議だったと主張しています。

これを受けて大和市議会は18日午後、議会運営委員会を開き、パワハラ行為の有無を含めて事実関係を確認する必要があるとして、市議会に特別委員会を設置して調査することを決めました。

特別委員会は、6月1日に開会する市議会で正式に設置される見通しで、調査の対象や具体的な進め方などを決めることになります。

これについて大和市議会の吉澤弘議長は「このような疑惑が出たことを議会としても重く受け止めている。市民や職員の関心も高いので、中立的な立場で事実関係を調査していきたい」と話していました。

大和市長「前副市長が問題をねつ造」

これについて大和市の大木哲市長がNHKの取材に応じ、「パワハラをしたことはない」と述べ、全面的に否定しました。

大木市長は、市議会の議会運営委員会で特別委員会の設置が決まったあと、NHKの取材に応じました。

この中で大木市長は「前の副市長が私のパワハラ問題をねつ造したものと受け止めている。パワハラをしたことはない」と述べて前の副市長の主張を全面的に否定しました。

そのうえで大木市長は「部下に対し『言うことを聞かなければ降格させる』というようなことを言ったこともないし、前の副市長からパワハラをやめるよう進言されたこともない。前の副市長が、パワハラ問題をねつ造したことについては、裁判を起こすつもりだ」と述べ、近く前の副市長を相手取って提訴する考えを示しました。

前副市長「抗議の意味で辞職」

4月、大和市の副市長を任期途中で辞職した金子勝氏は、市長の職員に対するパワーハラスメントが改まらなかったため、抗議の意味で辞職したと主張しています。

3年前の平成30年4月に副市長に就任した金子氏は、任期途中の4月13日付けで辞職しました。

金子氏は、NHKの取材に対し「幹部職員が集まった会議で、市長が、言うことを聞かなければ降格させると示唆する発言があり、改めるよう何度も進言したがその後も繰り返された。また、連日、市長室に呼ばれ、叱責された管理職が精神的な不調を訴えて出勤できなくなったという報告も受けた」と述べました。

そして、「多くの職員たちが萎縮してしまっている。辞職は、市長に言動を改めてもらいたいという気持ちだった」として、抗議の意味で辞職したと主張しています。

そのうえで、「市長をチェックする市議会に役割を全うしてもらい、職員が不利益を受けないよう配慮した調査をお願いしたい。要望があれば、私も調査に協力する」と述べ、市議会から求められれば、議会での証言を行う考えを示しました。