韓国のハンセン病元患者家族
日本政府に補償金を請求

韓国に住むハンセン病の元患者の家族60人余りが、日本の植民地だった時代に隔離政策によって差別を受けたとして、日本政府に補償金の支払いを請求したことが分かりました。韓国からの請求は初めてだということです。

ハンセン病をめぐっては、かつての国の誤った隔離政策で元患者だけでなく家族も差別を受けたとして、国はおととし、法律に基づいて補償金を支払う制度を作りました。

配偶者と親子には180万円、きょうだいや同居していた親族には130万円がそれぞれ支払われ、厚生労働省によりますと、これまでに合わせて6699件が認定を受けたということです。

対象には、かつて日本の植民地だった朝鮮半島や台湾にいた元患者の家族も含まれ、弁護団によりますと、韓国に住む元患者の子どもやきょうだい合わせて62人が、27日までに補償金の支払いを日本政府に請求したということです。

これまでに、台湾に住む元患者の家族6人が請求して認定を受けていますが、韓国からの請求は初めてだということです。

弁護団は「当時の記録が残っていない中で、家族が患者だったことを立証するのは難しい面もあるが、全員が補償を受けられるよう日韓の弁護団で協力していきたい」と話しています。

厚生労働省「法律に基づいて適切に審査したい」

厚生労働省は、最終的に専門家の審査会で個別に判断するとしたうえで、「証言や書類など何らかの形で、元患者の家族だと確認できれば補償の対象になる。請求があれば法律に基づいて適切に審査したい」としています。