柏崎刈羽「原発扱う資格に
疑念もやむなし」首相

新潟県にある東京電力柏崎刈羽原子力発電所で、不正な侵入者を検知する設備が複数壊れていた問題で、菅総理大臣は参議院予算委員会で、原発を扱う資格に疑念を持たれてもやむをえない事態で、東京電力は抜本的な対策を講じる必要があるという認識を示しました。

このなかで菅総理大臣は「東京電力が重大で不適切な事案を起こしたことは大変遺憾で、極めて深刻に受け止めている。地元の方々の信頼を損ねる行為で、組織の体質や原発を扱う資格にまで疑念を持たれてしまってもやむをえない」と述べました。

さらに「東京電力は高い緊張感と責任を持って、まずは原子力規制委員会の検査に真摯(しんし)に対応すべきだ。そのうえで組織的な管理機能について、抜本的な対策を講じる必要がある」と求めました。

また、原子力規制委員会の更田委員長は「今回の事案は誠に重大かつ深刻なものだ。原因や背景が東京電力固有のものなのかや、経営層がどういう認識でいたのか原因分析をしたい。企業の文化や姿勢に関わるもので、東京電力がみずから調べることも重要だ」と指摘しました。

東京電力の小早川社長は「福島第一原子力発電所で、10年前に重大な事故を起こした。2度とあのような事故を起こさないと志を共有して改革に取り組む中で、今回の事案が起きたことは痛恨の極みだ」と述べ、改めて陳謝しました。