柏崎刈羽原発 テロ対策不備
「最も深刻なレベル」評価

新潟県にある柏崎刈羽原子力発電所でテロリストなどの侵入者を検知する設備が複数壊れていた問題について、東京電力は18日、原子力規制委員会が示した暫定評価に反論はないと報告し、核物質防護に関わる最も深刻なレベルに当たるとの評価が確定しました。規制委員会は今後、東京電力にさらなる原因究明など具体的な対応を求めていく方針です。

東京電力が再稼働を目指す柏崎刈羽原発では去年3月以降、テロリストなどの侵入者を検知する複数の設備が壊れ、原子力規制委員会は長期間、不正な侵入を許す状態になっていたとして、核物質防護などに関わる4段階評価の中で最も深刻なレベルに当たるとの暫定評価を東京電力に示し、評価への反論などを含めた意見を求めていました。

これに対して東京電力は18日、反論はないとする報告を規制委員会に回答したことを明らかにしました。

これにより、暫定評価だった最も深刻なレベルにあたる評価が確定しました。

去年、検査制度の見直しでこの4段階の評価が導入されてから最も深刻なレベルの評価は初めてとなります。

規制委員会は今後、会合を開き東京電力にさらなる原因究明など具体的な対応を求めていく方針です。

柏崎刈羽原発を巡っては、去年9月に社員が中央制御室に不正に侵入したことが発覚したほか、終了したとしていた再稼働にむけた安全対策工事が完了していなかったことも判明し、東京電力は、ことし6月には営業運転に入れるとしていた7号機の再稼働の工程を未定と変更しています。

東電 小早川社長「宣言解除後に地元で説明も」

東京電力柏崎刈羽原子力発電所で不正な侵入者を検知する設備が複数壊れていた問題について、東京電力の小早川智明社長は、18日の参議院予算委員会で「緊急事態宣言の中で、地元を訪問することは慎重を期していたが、宣言が解除されれば、地元にしっかりご意見を伺い、説明していきたい」と述べ、地元・新潟県の自治体に一連の経緯や今後の対応を説明する考えを示しました。

そのうえで、小早川社長は「現場である発電所が、核セキュリティに対する意識や組織文化をみずから変えていかなければならないと考えている。そのためにも現場に経営資源を最大限投入して、現場と一緒に取り組んでいきたい」と述べました。