広島市議“『おわびの印』と
現金渡された”

公職選挙法違反の罪に問われている河井克行元法務大臣の裁判で、元大臣と仲たがいをしていた広島市議会議員が「おわびの印」と言われて現金50万円を渡されたと供述していることが検察官の調書の読み上げで明らかになりました。

元法務大臣の河井克行被告(57)は、妻の案里被告(47)が初当選した去年の参議院選挙をめぐって公職選挙法違反の買収の罪に問われ、無罪を主張しています。

14日の裁判では検察官が、地元議員2人と元大臣の後援会メンバー6人の供述調書を読み上げました。

このうち広島市議会の谷口修議員の調書によりますと、元大臣の当時の秘書が市議会議員選挙の同じ選挙区に立候補することになり、谷口議員は「今後、あなたの選挙には二度と協力しない」と告げ、元大臣と仲たがいしたということです。

しかし、市議会議員選挙の期間中だった去年4月、元大臣が自宅を訪ねてきて、「秘書が失礼をした分と、おわびの印としてこれを受け取ってほしい」と言って50万円の入った封筒を差し出してきたということです。

これについて谷口議員は「秘書のことは口実にすぎず、案里議員への投票を呼びかけてほしい下心があると思った。意図は見え透いていたので、『案里の選挙の話は別だから手伝わんよ』と言ったが、元大臣は何も反論せずにさっさと帰っていった」と供述していました。

谷口議員は自民党広島県連の副幹事長を務めていたため、参議院選挙では溝手氏を応援し、案里議員は応援しなかったということです。