感染症指定医療機関
4分の1以上が洪水浸水想定
新型コロナウイルスに対応する全国の感染症指定医療機関のうち4分の1以上が、100年から200年に1回の頻度で発生する洪水で浸水するおそれがあることが分かりました。調査を行った京都大学の研究グループは、「浸水リスクを把握したうえで、洪水時の初動対応に生かしてもらいたい」としています。
京都大学防災研究所の角哲也教授らのグループは、大雨が多くなる出水期を前に国土地理院や自治体のハザードマップを使って、全国に372か所ある感染症指定医療機関の浸水想定状況を調べました。
その結果、100年から200年に1回の頻度で発生する洪水が起きた場合、少なくとも全体の26%、4分の1を超える95か所の医療機関で浸水するおそれがあり、このうち50か所は1階が水没するほどの高さまで浸水することが分かりました。
また、1000年に1回の頻度で起きると想定される最大規模の洪水では、全体の34%にあたる125の医療機関が浸水するおそれがあり、このうち36か所は2階が水没するほどの高さまで浸水するということです。
研究グループは、止水板の設置や非常用電源の確保、水害対応計画の確認などを早急に行うとともに、将来的には立地の見直しなども検討すべきだと指摘しています。
角教授は「浸水リスクを関係者で共有するだけでも、初動対応を改善できる。医療機関の負担が増えないよう行政が出水期に向けて治水対策や避難所の確保などを支援してほしい」と話しています。