口裏合わせ要求 認め陳謝
太田理財局長 森友問題で

森友学園への国有地売却の問題で財務省の職員が学園側にうその説明を求めていたことについて、財務省は参議院決算委員会でこうした事実を認め、陳謝しました。

森友学園への国有地売却の問題をめぐっては、財務省の職員が学園側に対し「トラックを何千台も使ってごみを撤去したと言ってほしい」などと、うその説明をするよう求めていたことが関係者への取材で明らかになっています。

これについて、参議院決算委員会で財務省の太田理財局長は「去年2月20日に理財局の職員が森友学園側の弁護士に電話して、地下埋設物の撤去に実際にかけた費用に関して『相当かかった気がする、トラック何千台も走った気がするといった言い方をしてはどうか』という話をした」と述べ、理財局の職員が学園側にうその説明をするよう求めていたことを認めました。

そのうえで太田局長は、理財局の職員が近畿財務局の職員に学園側に念押しするよう求めたものの近畿財務局の職員が「それは事実に反する」として拒否したことや、理財局の職員から要請を受けた学園側の弁護士もうその説明には応じなかったことを明らかにしました。

これを受けて自民党の西田昌司氏が「ばかか本当に。何を考えているんだ。国会で印象操作をさせるような答弁をすること自体ありえない」と指摘しました。

これに対し太田局長は「さも適切にごみを撤去したというような答弁をしてしまい、理財局の職員が整合性を取ろうとしてそういうことをしてしまった。間違いなく誤った対応であり、大変恥ずかしいことだし、大変申し訳ない。深くおわび申し上げる」と陳謝しました。

一方、民進党の大島九州男氏は財務省の決裁文書の改ざんも踏まえ、去年の衆議院選挙について「改ざんと隠蔽に基づいて行われたこの選挙に正当性があるのか。解散・総選挙ではなくて『改ざん総選挙』だ」と追及しました。

これに対し安倍総理大臣は、「決裁文書を精読してもらっても今までの説明を覆すものは何ら入っていなかったと認識している。選挙で約束したことをやらないことこそが選挙の正当性を失うものだ」と反論しました。

立民 辻元氏「想像を超える底なし沼」

立憲民主党の辻元国会対策委員長は、記者団に対し「開いた口が塞がらない。財務省の隠蔽工作は私の想像をどんどん超える底なし沼だ。『財務省が安倍総理大臣夫妻のために実行したのではないか』という疑念がますます膨らんだ。あさって衆議院予算委員会もあるが、国有地の売却交渉当時の理財局長だった迫田元国税庁長官、今井総理大臣秘書官、安倍総理大臣夫人の昭恵氏などの証人喚問は絶対に必要だ」と述べました。

民進 増子氏「言語道断」

民進党の増子幹事長は記者会見で「言語道断だ。財務省が単独でやったとは思えず、誰が、何の目的で何のためにやっているのか明らかにしなければならない。もし、行政が単独でやったのなら、行政が立法府をないがしろにする三権分立に反する行為で、財務省を解体して新しい体制につくり直していかなければ三権分立の形が成り立たない」と述べました。