法相「検察官が逃げた」
答弁を撤回 参院予算委

森法務大臣は、参議院予算委員会で、9日の質疑で「東日本大震災の際に、福島県いわき市から検察官が最初に逃げた」などと答弁しましたが、個人の見解を発言したもので、不適当だったとして撤回しました。

森法務大臣は、9日の参議院予算委員会で、東京高等検察庁の検事長の定年延長をめぐる質疑の中で、「東日本大震災の際に、福島県いわき市から市民が避難していない中で、検察官が最初に逃げた。身柄拘束をしている十数人を理由なく釈放した」などと答弁しました。

これについて11日、衆議院法務委員会で立憲民主党の山尾志桜里氏が答弁の事実関係をただしました。森大臣は「事実だ」などと答弁しましたが、野党側は、「それは政府としての見解か」などと反発し、委員会は休憩となり、そのまま散会しました。

その後、森大臣は参議院予算委員会で「私が野党議員時代に、当時の法務大臣が国会で『福島地検が被疑者の終局処分をしないまま釈放したことについて、地域の皆さんに大変ご心配をかけたことをおわびしなければならない』などと答弁したが、そのことに問題意識を持っていたことによるものだった」と釈明しました。

そのうえで、「あくまで私個人の見解を申し上げたものだが、予算委員会という場で、検察官の活動について、法務大臣が個人の見解であることを事前に示すことなく申し上げたことは不適当だった」と述べ、9日の答弁を撤回しました。

菅官房長官「緊張感持って対応を」

菅官房長官は、午後の記者会見で「参議院予算委員会において、森法務大臣みずから撤回する旨の説明があったと思っている。いずれにせよ、閣僚は国会において緊張感を持って対応すべきだ」と述べました。

そのうえで、記者団から森法務大臣が答弁した内容の事実関係について問われたのに対し、菅官房長官は「政府としては承知していない」と述べました。