本は米の軍事戦略の
一部になっている」

ロシアのラブロフ外相代行は、年頭の記者会見で、「日本はアメリカの軍事戦略の一部になっている」と述べ、日本との平和条約交渉を進展させるうえで、日米同盟が障害になっているという認識を改めて示しました。

ラブロフ氏は17日、ロシアの内閣が総辞職したことに伴って、外相代行という立場で年頭の記者会見を行いました。

ラブロフ外相代行は、日本との関係についても言及し、日本がアメリカから導入する新型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」について、「アメリカは、迎撃ミサイルだけでなく、攻撃用の巡航ミサイルを発射するためにすでに実験を行っている」と述べ、ロシアにとって現実的な脅威になると懸念を示しました。

また、「日本は、その強固な同盟国アメリカの軍事戦略の一部になっている」と指摘し、日本との平和条約交渉を進展させるうえで、日米同盟が障害になっているという認識を改めて示しました。

そして、「アメリカが反ロシアの政策に日本を巻き込もうとする中で、われわれの協力はどのように進展するのか」と述べ、日本との関係進展は、安全保障面などで日本がどこまでロシアの立場に理解を示すことができるのかにかかっているという考えを示しました。

ロシア外務省「北方領土がロシア領になったこと認めるべき」

ロシア外務省は、ラブロフ外相代行の記者会見の時間中に対応できなかった質問についてインターネット上で回答しました。

このうち日本との平和条約締結の見通しについて「問題の解決は、第二次世界大戦の結果、北方領土がロシア領となったことを日本が完全に認めることが基礎となる」と改めて指摘しました。

また、「実用的な協力関係を十分に進展させ、軍事・政治分野での信頼醸成措置を確立し、国際情勢におけるお互いの立場を近づけることが大事だ」と信頼関係を高める必要性も訴えています。

一方、北方領土で日本とロシアが進めようとしている共同経済活動について、実現に向けた枠組みを模索するとしたうえで、「ロシアと日本の国民間の信頼と善隣関係の強化に貢献する」として、ロシアとしても共同経済活動を重視する姿勢を示しました。