立葛西臨海水族園の建て
替えで議論 保存求める声も

東京都は都立の葛西臨海水族園の設備が老朽化しているとして、243億円余りをかけて新しい建物を建設するとした報告書の原案をまとめました。これに対し、建築の専門家などからは建物の解体を懸念し、保存を求める声があがっていて議論を呼んでいます。

ガラスドームが特徴的な都立の葛西臨海水族園は世界で活躍する建築家の谷口吉生さんが手がけたもので、平成元年の開園以来、およそ5500万人が訪れています。

これについて都は23日、都庁で開かれた検討会に令和8年度の開園を目指し、243億円余りをかけて施設を整備するとした報告書の原案を示しました。

これに対し、委員からは建物の保存を求める意見が複数出され、都は新しい水族園を建設し、水族園の機能を移設したあとに既存の施設の在り方を検討する考えを改めて示しました。

委員の1人の葛西臨海水族園の錦織一臣園長は「老朽化が進んで年々、大変になっているので利用客に楽しんでもらえるようにしていきたい」と話していました。

一方、別の委員で東京工業大学の安田幸一教授は「既存の施設を利用して長寿命化していこうという声が多い中、新しい施設に移ったあと、既存の施設の活用法を考えるという意見に終始しているのは問題だ」と話していました。

都は23日に出た意見を踏まえて、来年2月に報告書をまとめる方針です。