田政務官の2政治団体
収支報告書4年連続提出遅れ

衆議院の比例代表東海ブロック選出の神田憲次内閣府政務官が代表を務める2つの政治団体が、過去4年分の政治資金収支報告書を、一度も法律で定められた期限までに提出していなかったことが分かりました。提出が遅れたため公表も4年連続で遅れ、専門家は「国民の知る権利が侵され、非常に問題だ」と指摘しています。

政治資金規正法では、国会議員が関係する政治団体の1年間の収支報告書は、年明けから5か月の間に、都道府県の選挙管理委員会などに提出しなければならないと定められています。

しかし、愛知県選挙管理委員会によりますと、衆議院の比例代表東海ブロック選出の神田憲次内閣府政務官が代表を務める「自由民主党愛知県第五選挙区支部」と「神田憲次後援会」の2つの団体は、ともに記録が残る平成27年から去年までの過去4年分の収支報告書を、一度も期限内に提出していませんでした。

提出の遅れは年によって違いますが、およそ2か月から4か月で、結果として公表も4年連続で遅れています。

神田政務官は当選3回の税理士で、総務省の政治資金適正化委員会から、国会議員の政治資金をチェックする「監査人」に登録されています。

神田政務官はNHKの取材に対し「事務作業がたまっていて、提出が遅れてしまった。県の選挙管理委員会と相談しながら正確を期して提出してきたが、遅れについては申し訳ないと思っている」と話しています。

政治資金に詳しい日本大学の岩井奉信教授は「報告が遅れれば国民のチェックから漏れるということが起こりえるので、国民の知る権利が侵されていると言える。4年連続で収支報告書の提出が遅れるというのは見たことがなく、わざと遅らせているという疑いを持たれてもしかたない。『監査人』である神田政務官はほかの人に比べて、圧倒的に収支報告書の重要性を理解しているはずであり、非常に問題だ」と指摘しています。

愛知県選挙管理委員会の対応は

愛知県選挙管理委員会は届け出のある政治団体に対して、毎年12月にその年の政治資金収支報告書の提出期限を通知する文書を送り、期限内の提出を呼びかけてきました。

このうち、去年12月に現職の国会議員が代表を務める団体などに送った文書では、提出期限がことし5月31日だとしたうえで、政治資金規正法の罰則規定を引用する形で「期限内に提出されない場合、5年以下の禁錮、または、100万円以下の罰金に処せられる場合がある」と明記しています。

愛知県選挙管理委員会は先月28日、期限内に提出された政治団体の収支報告書を公表しましたが、神田政務官が代表を務める2つの団体を含む提出が遅れた団体の報告書については、公表に向けた事務手続きに一定の時間がかかるとして来月、公表する予定だということです。