を見る会 招待者推薦枠
撤廃含め検討 官房長官

総理大臣主催の「桜を見る会」をめぐり、菅官房長官は記者会見で、国会議員などによる招待者の推薦枠について、今後、撤廃も含めた見直しを検討していく考えを示しました。

総理大臣主催の「桜を見る会」の招待者については内閣官房と内閣府で取りまとめを行うにあたって、総理大臣や副総理、官房長官、官房副長官のほか、与党側にも推薦依頼を出していたことがわかっています。

これに関連して菅官房長官は閣議のあとの記者会見で、自民党がことし7月の参議院選挙で改選となっていた参議院議員に対し、知人などを招待できるとした案内状を送っていたなどと一部で報じられたことについて、「事実関係を掌握していない」と述べました。

そのうえで記者団が「選挙を控えた議員に便宜をはかるような、推薦や招待の枠を撤廃する考えはあるのか」と質問したのに対し、「当然行っていくと思う」と述べ、国会議員などによる招待者の推薦枠について、撤廃も含めた見直しを検討していく考えを示しました。

また菅官房長官は午後の記者会見で招待基準などの見直しについて、「現時点で、内容や方法の具体的なイメージを申し上げる段階ではないが、招待基準の明確化やプロセスの透明化、予算や招待人数を含めて全般的に見直したい」と述べました。

そのうえで、「来年の『桜を見る会』は中止するので時間的な余裕もあり、さまざまな指摘や意見を踏まえながら確かなものにしていきたい。大事なのは国民から見て誤解や疑惑を招かないようにすることだ」と述べました。

高市総務相「総務省に調査権ない」

安倍総理大臣が「桜を見る会」をめぐって、前日夜の懇親会を含め、政治資金収支報告書に記載する義務はないと説明したことについて、高市総務大臣は閣議のあと記者団に対し、「総務省としては個別の事案について、具体的に実質的な調査権を持ってないので、予断を与えるようなことを述べることは差し控えさせていただく」と述べました。

また記者団が「安倍総理大臣の説明は十分と考えているか。国会での質疑が必要と思うか」と質問したのに対し、高市大臣は「総理からマスコミに対しては説明があったと承知している。国会での説明の要否については国会でお決めいただくことだ」と述べました。

総務省も10年分保存「大臣らの推薦枠なし」

また高市総務大臣は衆議院総務委員会で、総務省として推薦した招待者名簿を、省内の文書管理規則に基づいて過去10年分保存していることを明らかにしました。

そして、総務省が推薦した人の数は第2次安倍政権が発足する前の民主党政権時代の9年前から370人前後で推移し、この中に大臣をはじめとする政務三役の推薦枠はなかったと説明しました。

これに対し国民民主党の奥野総一郎氏は「多くの省庁が桜を見る会の関連文書を10年保存することにしているが、内閣府は1年未満と定め、廃棄している。総理の推薦については都合が悪いからすぐに廃棄できるようにしておこうとも解釈できる。各省が都合よく解釈をして、都合が悪い文書は全部廃棄するというのであれば、文書管理制度の趣旨に明らかに反する」と批判しました。

萩生田文科相「長期政権の弊害という指摘も」

萩生田文部科学大臣は閣議のあとの記者会見で、「桜の会については長年の慣例で行ってきているものだが、その長年の慣例というのも長期政権の弊害の1つだというご指摘がたぶんあるんだと思う。さまざまなご意見があることも踏まえて、今後は招待基準の明確化や、招待プロセスの透明化について検討を行い、予算や招待人数も含め、全般的な見直しを幅広く意見を聞きながら行うとされたものと承知している」と述べました。

加藤厚労相「関係団体が推薦した人を招待」

加藤厚生労働大臣は閣議のあと記者団に対し、「桜を見る会」について、厚生労働省として毎年、招待する人の推薦者名簿を作成していて、ことしは168人、去年は182人を推薦したことを明らかにしました。

そして名簿は行政文書管理規則に基づいて、過去10年分保存していることも明らかにしました。

推薦する人について加藤大臣は「基本的には厚生労働省関係の各団体から寄せられた人がリストに載っている。厚生労働省から推薦した人は基本的に招待されていると承知している」と述べました。

また大臣をはじめとする政務三役による推薦枠があったのか質問されたのに対して、加藤大臣は「あったという報告は受けていないし、私が大臣として挙げていることはない」と述べ、大臣による推薦枠はなかったと説明しました。

赤羽国交相「10年分の推薦者名簿保存 公開も」

総理大臣主催の「桜を見る会」について、赤羽国土交通大臣は19日の閣議後の記者会見で「招待者の選定にあたって、内閣府の推薦依頼に基づいて事務次官や、勲章や大臣表彰を受賞した各界の功労者などを推薦している」と述べました。

そのうえで推薦者の名簿について、「国土交通省ではことし春の分も含めて10年分の推薦者名簿を保存している。個人情報の取り扱いに配慮が必要だが、公表の求めがあれば適切に公開する予定だ」と述べました。

また記者団が「自身の事務所を通じて後援会から参加した人はいるか」と質問したのに対して、赤羽大臣は「ふさわしいと思われる方を事務所で推薦したことはあると承知している。正確には分からないが、党本部から議員枠の話があり、毎年2、3人が来ているのではないかと思う」と述べました。

西村経済再生相「事務所で招待者の推薦取りまとめ」

西村経済再生担当大臣は閣議のあとの記者会見で「各方面から推薦の依頼があったと記憶しており、事務所で整理して推薦した数は正確なところは把握していないが、それなりの数になる。そのうち、私の地元の人はそれぞれ10数名程度だ」と述べ、官房副長官の在任期間中にみずからの事務所で招待者の推薦を取りまとめていたことを明らかにしました。

そのうえで西村大臣は「地元の人の移動、宿泊については参加者がみずからら手配し、おのおの負担をしていると承知している。前日の夜や当日の食事の場所は事務所で紹介しているが、参加した人が支払っているので、いずれも事務所は支払いには関与していない。私自身は前の晩、それぞれ何人かずつで食事をしているので、短時間、あいさつに回ったが、事務所や私から一切、費用は支出していない」と述べました。