票の格差「合憲」判断
名古屋高裁

ことし7月の参議院選挙でいわゆる1票の格差が最大で3倍だったことについて、名古屋高等裁判所は「違憲の問題が生じる程度の著しい不平等状態だったということはできない」として、憲法に違反しないとする判決を言い渡しました。

ことし7月の参議院選挙では、選挙区によって議員1人当たりの有権者の数に最大で3.002倍の格差があり、弁護士などのグループが「投票価値の平等に反し、憲法に違反する」として、選挙の無効を求める訴えを全国で起こしました。

このうち、愛知選挙区、岐阜選挙区、三重選挙区を対象とした判決が、7日、名古屋高等裁判所で言い渡されました。

戸田久裁判長は「去年の公職選挙法の改正は前回の格差をわずかだが縮小させるなど、さらなる格差の是正を目指すものと評価できる」と指摘しました。

そのうえで「抜本的な改正というにはほど遠いものの、そのことから国会が格差の是正を目指していないとまでは言えず、違憲の問題が生じる程度の著しい不平等状態だったということはできない」として、憲法に違反しないという判断を示しました。

これで、7日までに全国で出された判決は11件で、
▽憲法に違反しない「合憲」とする判決が9件、
▽「違憲状態」とする判決が2件となっています。

参議院選挙の1票の格差は、前回、3年前の選挙では最大で3.08倍でしたが、今回の選挙では埼玉選挙区の改選議席を1議席増やす是正が行われ、格差は最大で3.002倍となっていました。

原告側「ガリレオ判決」

判決のあと、裁判所の前では、原告側の弁護士が不条理な判決だという意味を込めた「ガリレオ判決」と書いた紙を掲げました。

升永英俊弁護士らは「すぐに上告した。判決は受け入れがたく、大変残念です」と話していました。