「ロタウイルス」乳児向け
ワクチン 原則無料の接種に
激しい下痢やおう吐を引き起こすロタウイルスの乳児向けのワクチンについて、厚生労働省は原則無料で受けられる定期接種に加える方針を決めました。
ロタウイルスは幼い子どもを中心に冬場から春先にかけて流行し、発症すると激しい下痢やおう吐などを引き起こし、まれに死亡することもあります。
重症化を防ぐための乳児向けのワクチンは8年前に国内で初めて承認され、任意で接種できるようになりましたが費用が3万円ほどかかり、保護者などから公費での助成を求める声が上がっていました。
厚生労働省は専門家会議でワクチンの効果や安全性、それに費用対効果などを検証した結果、26日、原則無料で受けられる定期接種に加える方針を決めました。
対象となる子どもは令和2年8月生まれ以降の乳児で、来年10月1日から定期接種に加えることにしています。
保護者からは歓迎の声
ロタウイルスのワクチンが定期接種に加えられることに保護者からは歓迎の声が聞かれました。
このうち都内のクリニックにはワクチン接種に年間およそ80人の乳児が訪れます。
使用しているのは3回接種する必要があるワクチンで自己負担は合計で3万6000円に上ります。
この日も生後3か月から4か月の3人の乳児がワクチンの接種を受けていました。
30歳の母親は「自己負担は安くありませんが、ロタウイルスに感染すると症状が重たいと聞いて受けさせることにしました。定期接種になると次の子どもができた時に非常に助かります」と話していました。
東京 立川市の「ナビタスクリニック」の久住英二医師は「ワクチンの費用は決して安いものではないため早く何とかしてほしいと思っていました。家庭の経済力によってワクチンを打てる人と打てない人が出てしまうのは望ましくなく、定期接種になることはいいことだと思います」と話しています。