しょう体「短距離弾道
ミサイルと推定」軍関係者

韓国軍の関係者は、北朝鮮が16日朝、発射した飛しょう体について「短距離弾道ミサイルと推定される」と明らかにしました。

韓国軍の合同参謀本部は、北朝鮮が、16日午前8時1分と午前8時16分に北朝鮮東部カンウォン(江原)道のトンチョン(通川)付近から日本海に向けて合わせて2発、飛しょう体を発射したと発表しました。

飛行距離はおよそ230キロ、高度はおよそ30キロで、北朝鮮による飛しょう体の発射は先月25日以降、この3週間余りで6回目となります。

今回の飛しょう体について、韓国軍の関係者は「さらなる分析が必要だが、飛行距離や高度などを踏まえると、短距離弾道ミサイルと推定される」としています。

韓国大統領府は午前9時から緊急のNSC=国家安全保障会議を開いて対応を協議し、朝鮮半島の軍事的な緊張を高めるおそれがあるとして、北朝鮮に発射をやめるよう求めました。

北朝鮮は、今月20日まで予定されているアメリカ軍と韓国軍の合同軍事演習に強く反発していて、先月下旬以降、短距離弾道ミサイルとみられる飛しょう体の発射を繰り返しています。

安倍首相「国民の安全に万全期す」

安倍総理大臣は16日午前10時前、総理大臣官邸に入る際、記者団に対し「わが国の安全保障に影響を与えるようなものでないことは確認されている。引き続き、十分な警戒態勢のもと、アメリカなどとも連携しながら、国民の安全を守るために万全を期していく」と述べました。

先月25日~今月10日に5回 飛しょう体発射

北朝鮮は、先月25日から今月10日にかけて、5回にわたって飛しょう体を発射しています。

先月25日と31日は、いずれも東部のウォンサン(元山)付近から日本海に向けて短距離弾道ミサイルを2発ずつ発射しました。そして、今月2日には、同じ東部のハムギョン(咸鏡)南道ヨンフン付近から日本海に向けて2発のミサイルを発射しました。

一方、今月6日には、南西部のファンヘ(黄海)南道から2発を発射し、今月10日には、再び東部ハムギョン南道のハムン(咸興)付近から2発を発射しました。発射場所を変えることでどこからでも攻撃できる能力を誇示したものとみられています。

また、このすべての発射に、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長が立ち会っていて、北朝鮮の国営メディアがその様子を伝えています。

一連の発射について、北朝鮮の国営メディアは、新たな兵器の発射実験だとしたうえで、アメリカと韓国の合同軍事演習に警告を送る機会になるだろうと伝えていました。