北経済協力で一気に
日本に追いつける」

韓国のムン・ジェイン(文在寅)大統領は、日本政府が輸出管理の優遇対象国から韓国を除外することを決めたことをめぐり「南北間の経済協力で平和経済が実現すれば、われわれは一気に日本に追いつくことができる」と述べ、みずからが最優先課題に位置づける北朝鮮との経済協力を絡める形で国を挙げた協力を呼びかけました。

これはムン大統領が5日、大統領府で開いた会議の冒頭で述べたものです。

この中で、日本政府が輸出管理の優遇対象国から韓国を除外することを決めたことをめぐり「日本は決してわれわれの経済の飛躍を妨げられない。むしろ経済強国に向けたわれわれの意志をさらに強くする刺激剤となる」と主張しました。

そして「日本は経済力だけで世界の指導的地位に立つことはできないと悟るべきだ」と改めて日本政府の対応を非難しました。

そのうえで「南北間の経済協力で平和経済が実現すれば、われわれは一気に日本に追いつくことができる」と述べ、みずからが最優先課題に位置づける、北朝鮮との経済協力を絡める形で国を挙げた協力を呼びかけました。

ムン大統領は2日の緊急閣議でも「加害者の日本がぬすっとたけだけしく大声をあげている状況を決して座視することはできない」と述べるなど対抗姿勢を鮮明にしています。

一方、韓国雇用労働省は5日、日韓関係の悪化を受け、来月、多くの日本企業も集めて開催する予定だった海外企業への就職説明会について、開催できるかどうかや内容について検討していることを明らかにしました。

韓国では若者の就職難が深刻で日本企業への就職を目指す塾などが人気を集めていますが、日本企業のみが除外されるなど影響を受ける可能性があります。

また韓国北東部カンヌン(江陵)市は、今月16日から日中韓3か国のカーリング女子チームを集めた大会を開催する予定でしたが5日、日本側に「チームを招待するのが難しくなった」と伝達したことを明らかにしました。

カンヌン市は日韓関係の悪化を受けた対応だと説明していて、日本側からはまだ返事が来ていないということです。

この大会にはピョンチャン(平昌)オリンピックのカーリング女子で日本と熱戦を繰り広げ、銀メダルを獲得した韓国のチームも参加する予定だったため、日韓両チームの対戦も注目されていました。