政府“捜査前に報道の
自由の重要性など考慮を”

オーストラリアで軍に関する機密情報が漏えいした疑いがあるとして、公共放送ABCが警察の捜索を受けた問題をめぐり、オーストラリア政府は警察に対して、捜査活動を行う前に報道の自由の重要性などを考慮するよう求める指示書を出しました。

オーストラリアの公共放送ABCはおととし、国防省の機密文書にもとづき、アフガニスタンに派遣されていたオーストラリア軍の兵士が民間人を殺害する事件などを起こしていたと伝えました。

この報道をめぐって、連邦警察はことし6月、当局者が情報を漏えいした疑いがあるとしてABCの本部を捜索し、ABC側は捜索令状の無効化などを求める訴えを起こしています。

これに関連して、連邦警察を管轄するダットン内相は9日、連邦警察に対して指示書を出しました。

指示書では、機密情報の漏えいをめぐって記者や報道機関を捜査する場合、捜査活動を行う前に、報道の自由の重要性やより幅広い公共の利益などを考慮するよう求めています。

また記者や報道機関から自主的に捜査に協力してもらえるよう努めるべきだなどとしていて、強制捜査を極力避けるよう求めています。

指示書は捜査を制限するものではないということですが、オーストラリア政府としては、報道の自由は守られるべきだとする立場を強調した形です。